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水城せとな
むつこ
薫と椿と馬堀、この三者のストーリーは、再読がキツイです。 とくに薫と椿の関係。 薫が自分の気持ちをはっきりと自覚したとき、椿は…椿は…ああもう、椿のバカバカバカ! 水城せとな作品は、切なくて苦しいストーリーが大好物なマゾ人間に向いてると思う。ウン。
水城せとなさんは、すれ違いを描くのがなんでこんなに上手いんだろうと思う。 ありがちな悪人やら恋のライバルやらを一人も存在させてないのに、歯車はずれ、軋み、亀裂を広げてゆく。 どの登場人物にも共感してしまって、心が引きちぎられそうな気分になった。 ヤバイです。
薫と椿には、修復不可能だと思えるほどの亀裂が入る。 ずっと癒しカップルだった光太郎と千里の関係にも少しずつ歪みができはじめてしまう。 似たような経験があるもんで、「そう、カップルって付き合いはじめてからのほうがキツイことが多いんだよね…」と思った。思いつつ苦しかった。 胸が痛い!タスケテ!と思いながら読んだ。 メデタシメデタシで終わらせないところが水城せとなさんらしい。
光太郎と千里がラブラブの健全カップル道を歩んでいるのとは対照的に、薫と椿は病んでます。 前者で癒され、後者で胸が痛くなる。 薫は馬堀相手に、覚えたセックスにのめり込んでいく。 椿は菊池を傷つけてしまう自覚もなく、セックスで遊ぶ。 すれ違い生活は少しずつ歪み、ひび割れが広がっていくばかりだ。 当て馬役の馬堀も菊池も切ない。薫が馬堀に惚れることはなく、椿が菊池に惚れることもないのだから。
視点は薫へとうつります。 結末を知ってるだけに、このあたりを再読するのはとても苦しい。 ただ、結末を知ってから読むと、初読のときには気づかなかった、きちんと張られた心理的伏線にも気づかされました。 ぶっちゃけこの先に待つのは甘いハッピーエンドではないんです。ハッピーエンドはハッピーエンドなんだけど、苦くて切ないハッピーエンド。 覚悟して読むべし。
光太郎と千里がついに結ばれます。 最初のキスからセックスにいたるまでの過程は、神を超えた切なさでした。心がこんなにいたくなるキス、あっていいんでしょうかいいんです。 とにかくアマテラスもゼウスも叶わないほどの神っぷりです。このシーンだけ何回も何回も読み直してしまったほど。 後半からは薫のストーリーが始まります。この物語最強の当て馬、馬堀も登場。 ここからえんえんと続く椿と薫のすれ違いの始まりだ。
椿と薫、光太郎と千里、この二組の同居生活が始まる巻。やっとこのタイトルの意味が分かる。 光太郎と千里が少しずつお互いに惹かれていく過程は秀逸。 ずっとすさんだ生活をしていた光太郎が、千里の前では可愛くなってたのがツボでした。 光太郎の過去を知った千里の苦悩は、心が痛くなった。 もしリアルタイムで読んでたら、次の巻が気になって気になって、頭おかしくなってたと思うw
椿と光太郎がやっと出会います。 傷ついた心をさらけ出し、癒しあった二人は、最強の「トモダチ」になる。 椿も光太郎も、男も女もokだし攻めも受けもokなんだよね。この二人を見てたらトモダチセックスもアリだなぁと思えた。 ずっと、「椿と光太郎が結ばれるんだろうなァ」と思いながら読んでたんだけど、そんな予想通りの展開にはしないのは、さすが水城せとなだと思う。 そして、千里の登場。これで主要登場人物が出揃…
変態生物教師の情人になった高校生の椿と、一夜限りの恋を謳歌する光太郎。 二人の物語はまだ交わりません。 脇役が素晴らしい。 まず、椿を情人にした変態生物教師。椿に捨てられた変態生物教師はストーカー化して、椿の親の前で、椿の裸の絵を撒き散らしながら椿との関係を暴露するんですが、衝撃的でした。 それから、椿を紐にした風子。悲しくて魅力的な女性です。 それから、椿と光太郎の両方の物語に絡んでくる馬堀。 …
全巻いっきに読みました。もうもう、今は放心状態です。 水城せとな作品は「窮鼠はチーズの夢を見る」が大人気だけど、それ以上に好きな作品になった。 正直一冊ずつレビューしていくのは難しいんだけど、こんなに素晴らしい作品にレビューがついてないのが残念なので頑張ってみようと思います。 話は、もどかしいぐらいゆっくりと、でも、熱く始まる。 椿を主人公とする物語と、光太郎を主人公とする物語が、別々に進む。この…