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水原とほる 山本タカト
薄雲
ネタバレ
初読み作家さんです。 BLではあまり見かけない、何とも言えない耽美な絵柄と表紙に惹かれて購入すること早ウン年……。 表紙の手触りも少し変わっていて、眺めては温めてと繰り返していると、あっという間に10年近く経ってました。 いや、2段組といい厚みといい挿絵といい、何だかちょっと読むのを躊躇うような濃厚さが漂ってたので、これは気合い入れて臨まなきゃ!と思ってたもので。 そんなわけで、漸く読…
水原とほる 片岡ケイコ
霧笛丸
水原とほる先生の十年前の作品になります。ふと手に入れて、読む前にちるちるで検索してみたら攻め受け紹介が秀逸でした。ちょっと失礼して抜粋しますね。 攻、独占欲の塊ドクター(と)慎みすぎな海の男。受、流され続ける乙女くん。 思わず笑いました。上手いなあ、これどなたが書いたんでしょう。もちろん、彼らにはちゃんと名前があります。ドクターが隆晴、海の男が洋人、乙女くんが多伎、彼ら三人の十五年ほどに及ぶ長…
水原とほる タクミユウ
杏仙
水原とほるさんの作品は結構拝見しています。 母子家庭でそだった瑞希くん。唯一のお母さんが亡くなってしまったので、知らされていなかったお父さんを探しに旅立ちます。 父親候補かな?という堂島さんの麻薬取引に偶然居合わせてしまい、カモフラージュのために抱かれてしまします。 それから逃亡生活。 そこは、二人しかいないので密着あまあまです。 そしてもう大丈夫かな〰と思って帰ってきたら、瑞希くんが拉…
水原とほる あじみね朔生
マキヲ
兄弟モノがあまり好きな設定ではなく、なんとなく「日本家屋で繰り広げられるロマンポルノ的な監禁モノ」っぽいタイトルとあらすじと表紙絵に少々ビクつきながら読み進めましたが、とても面白かったです。神率が50%近いのも頷ける、面白い小説でした。 お話は一つだけですが、おおよそ三部構成になっていると思います。あらすじは第一部のさわりの部分だけを表していて、ここから徐々に変化(成長)していく二人とその関…
水原とほる 水名瀬雅良
十年以上、恋人ではないけれど肉体関係はあるという曖昧な距離を保ち続けている二人のお話。 この本、結構分厚いんですよ。しかも一話だけで構成されています。なのにあまり印象に残らない内容で、読んでいて疲れました。 こういう設定は、受がもっと男らしく強かで表面上だけでも強気なタイプなら恋愛のシーソーゲーム的な緊張感が生まれてくると思うのですが、宏樹はまさに「日陰の女」(本人はそれで満足)という…
水原とほる 小山田あみ
まぎぃ
狭く薄暗い中で描かれる人間関係。今作はヤクザにレイプされるいたいけな大学生。後半につれて少しずつ甘くなっていきます。 けが人を助けたことから、ヤクザに脅されレイプされる日々が始まる。心では拒絶しているのに体は反応してしまう。そのうちヤクザ(攻め)の執着愛に少しずつはまっていく、という感じ。 ほぼ受けのぐるぐる思考で構成される。そういう意味では繰り返しが多いのでやや中だるみした印象。当て…
水原とほる 兼守美行
M+M
題名が気に入ったのと、表紙が素敵だったので購入をした一冊です。 続編「司法の男」と並べると麗しいイラストにうっとりします。 とはいえ、あとがきにあった「ある朝のふたり」、朝食を作る大守とそれをじぃと見つめる礼一のコミカルなイラストも可愛かったです! 表紙の印象そのままに、内容はカッコイイ二人の男の話でした。 働く男達といった感じで、仕事もの好きとしてはたまらない展開でした。自分たちの方…
水原とほる 高緒拾
mayuta
凄かったです。出会いから圧倒的理不尽w 普通に生きていた青年が、偶然ヤクザに見染められ強引に囲われるというお話はいかにもヤクザ物っぽいなと思います。 しかし、”住む世界が違う”ってこんなにも話が通じなくてこんなにも理不尽なのかというのがとてもよく伝わってきました。 一般人とヤクザ世界の隔たりがしっかり書かれているので、酷いと思いつつも心のどこかで納得していました。 カリスマ的ヤクザの親分の…
水原とほる 有馬かつみ
お話の舞台が琵琶湖と京都だし、飼育されている鳥や野鳥が多く出てくるのでとても風流でした。 個人的に、自然と鳥の描写だけでも読む価値があったと思います。 しかし、その風流さが人間になるとレトロに感じることがあって、清廉潔白な攻めと清純派な受けが大昔の純愛映画のようでした。 もしくは、囚われのお姫様を犠牲者精神で助ける王子様。 でも紗希は囚われのお姫様ではなく芸術家です。 芸術家としてプライ…
水原とほる ヤマシタトモコ
1ページ目から暗い雰囲気で、前半は辛かったです。 遥の両親の失敗や無責任さが、何の落ち度もない遥に降りかかりやるせませんでした。 借金の形に国枝に引き取られウリをさせられて、完済までの果てしない未来に絶望する遥。 それでも”普通の生活がしたい”という思いが遥を支えます。 国枝は、挫けない遥に心を動かされ、きまぐれですが彼を引き取ります。 遥と国枝がじっくりと心を通わせていく過程が温か…