水原とほるさんのレビュー一覧

白蛇恋慕記 小説

水原とほる  コウキ。 

夏にぴったりのゾクッとするラブストーリー

私は好きですね。
あまり痛々しい話とか、不憫すぎる受けとか、ドロドロな話が好みではないので躊躇してましたが、思い切って手に取って良かったです。
水原さんの作品は『雪の声が聞こえる』に続き、2冊目です。

どことなく綾辻行人の『another』に似てますかね?
“憑きもの筋”と言われ、誰にも愛されなかった操。そんな彼に優しく寄り添ってくれたのは医者の息子晃司だけだった。自然な流れで二人は惹…

2

白蛇恋慕記 小説

水原とほる  コウキ。 

和風ホラーな雰囲気が◎

水原さんの新刊は、地方の小さな田舎町を舞台としたホラー風味のお話。
初恋モノとしての切なさと、和風ホラーとしての薄気味悪さが同居したなかなか面白い一冊です。

白蛇の血を引く「憑きもの筋」の子として、周囲から疎まれる操(受け)。
彼に関わると不幸なことが起こるとされ、家でも学校でも除け者にされています。
そんな操が10歳のとき出会ったのは、東京からの転校生で医者の息子の晃司(攻め)。

6

神迎え 小説

水原とほる  周防佑未 

なんてことはない義兄弟ラブ

意味深なタイトル、過疎気味の村、神社、長年行方不明だった義兄――十数年ぶりに戻ってきた彼は誰かに追われてるようで…。というキーワードと序盤の描写からどんなにダークでシリアスな、あるいは淫靡で背徳的な物語が展開するのかと身構えたのですが、なんてことはない、意外と平和な義兄弟ラブのお話でした。

かといって「ラブラブ」と表現する感じの甘さはないので、硬質な物語になりきれないもどかしさがありました。…

0

コレクション 小説

水原とほる  北沢きょう 

美術品が繋ぐ大人の恋

ストーリーとしては、相続した美術品の委託先を悩みながら決定する話です。

祥(受け)は伯母夫婦から価値の高い絵画のコレクションを相続します。
追悼を兼ねた南米でのバカンスで日本人の男、ヒロ(攻め)と出会い、滞在中に関係を持ちます。
帰国後、そのコレクションに最初に関心を示したギャラリーの代表がそのヒロこと久木田でした。南米での出会いが画策されたものだと知って不信感一杯になります。
その後…

3

面影 小説

水原とほる  タクミユウ 

色々予想外&想定内でした

1冊すべて表題作。瑞希(受け)の視点でストーリーは進みます。

堂島は瑞希の父親なの?正体は何?
と探っているうちにトラブルに巻き込まれてしまい…という話です

水原先生の作品は「痛い」印象があったので、裏表紙のあらすじを読んで、堂島(攻め)は横暴なヤクザなのかと勝手に予想していたのですが…意外と好人物でした!

確かに瑞希をオンナ扱いで抱きはしましたが、瑞希を助けるための仕方ないも…

3

コレクション 小説

水原とほる  北沢きょう 

名画をめぐる物語

あらすじ:
亡くなった伯母夫婦の絵画コレクションを相続した祥(受け)は、南米のリゾート地で出会ったヒロ(攻め)という日本人と一夜を共にする。
帰国後、その男が久木田という画商で、祥のコレクションを狙う一人であることが判明し…

元リーマンの主人公が、伯母夫婦から譲り受けた一連の名画をどこに売却(or貸与or寄付)すべきか試行錯誤する物語。

久木田のギャラリーか、大きな国立の美術館か、…

10

奪還する男 小説

水原とほる  小山田あみ 

男っぽいのかも いやでも男っぽさもちょっと足りない

お仕事感たっぷり目なお話でした。
ページ中、漢字多し、文章固めで、ひらがなでの感じてる声とかの描写は
あまりない印象・・・。のんきにリラックスしたいときに、ちゃちゃっと
読む感じではなかったでした。
ゆっくりしたい週末に読んだ私がばかだったかも。

なぜこの本を手に取ったのか、自分でも経緯が思い出せず(笑)
冒頭を立ち読みさせてもらって、爆弾テロ?かなんかの緊迫感あるページを読んで、…

1

囚われの人 小説

水原とほる  高崎ぼすこ 

歪みまくってる


正直言わせてもらうとなんだこれです。

水原とほる先生の作品で好きな作品もいくつかありますが、これは無理ですね。

攻めの性格どうにかして欲しい。
なんか、美月はこうだと決め付け自己完結して怒ってばっかりだし。
読んでてこんなに腹立つこともそんなにないけど腹立つよこいつ。
何でこんなに歪んでるのかね。
美月が淫乱だったとしても他の男に与えるのはおかしい話でしょ。

美月も美…

5

ヘプタゴンは微笑む 小説

水原とほる  幸村佳苗 

お互いを少しでも完全に近づける存在

ヘプタゴンは微笑む

ヘプタゴンと呼ばれる組織に所属して政財界へのアドバイスをする宗教学者の七生(受)が、
公安から派遣された鬼防(攻)に頼まれて、ある新興宗教の調査を手伝うことになります。

新興宗教にわざとお家騒動を起こし、それに乗じる形で乗っ取りを図る外国の宗教団体の企みを阻止するというのが、話の流れです。

七生は10年位前から睡眠障害を患っていて薬を常用しているのですが、鬼…

4

ヘプタゴンは微笑む 小説

水原とほる  幸村佳苗 

宗教団体が絡むサスペンス

あらすじ:
政財界のアドバイザーとして特殊機関「ヘプタゴン」に所属する七生(受け)。
ある日、公安警察の鬼防(攻め)に新興宗教団体の調査を依頼され…

宗教団体と政治との関わりをテーマとしたポリティカル・サスペンス寄りの作品。
『防人の男』等、水原さんの近年の作品はこうした政治的題材を取り上げたものが多いように思えます。

本書は新興宗教団体の内部紛争の話から始まり、その勢力拡大の様…

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