水原とほるさんのレビュー一覧

チャイナ・ローズ 小説

水原とほる  佐々木久美子 

水原とほる沼の原点

横浜中華街を舞台にした裏社会もの。

日本人の母親が訳あって売られた香港で生まれ育った潔。中国人の母親とヨーロッパ系の男との間に生まれた春来。中華街を牛耳るヤクザで、先代が日本に帰化した三代目若頭の正木。この三人が繰り広げる愛憎劇が物語のハイライトです。

潔と正木は中華学園の同級で、小学校から高校まで共に過ごした間柄。正木が一方的に潔を構っていただけで、潔が高校を中退してからは疎遠でした…

3

刹那と愛の声を聞け 小説

水原とほる  みずかねりょう 

人生を賭ける価値があるんです

面白かったです。
こちら、主人公である受けが、とにかく魅力的なんですよ。
彼は、攻めの事情に巻き込まれ、過去にかなり悲惨な経験をしています。
それでも、共に生きる事を選ぶんですよね。
強くしなやかなその在り方と言いますか、全てを受け入れて、それでも愛し続ける覚悟のほどと言いますか。
いや、めっちゃ格好いいよ!!


ザックリした内容ですが、シリアス寄りのヤクザものです。
過去に攻…

5

彼は優しい雨 小説

水原とほる  小山田あみ 

雨のち晴れ

そういえば、水原先生の本ってあんまり読んでないなあと思いつつ、カバーイラストの優しい雰囲気に惹かれて購入。
雨の中でずっと佇んでいた人を、外へ連れ出すお話。かな?
デザイナーの文彦は、雨宿りのつもりでふと紛れ込んだ大学の教室で、東欧文学の講義と、その講師に興味を持ちます。
文彦はデザイナーという職業柄もあって、何か心惹かれる物に対して常にアンテナを高くてていようしていて、そんなアンテナにて引…

7

刹那と愛の声を聞け 小説

水原とほる  みずかねりょう 

分かっちゃいるけど危なっかしい

2017年刊。
ヤクザ・藤堂と堅気者・貴生の一生添い遂げる覚悟の恋。
暴力団の跡目争いを巡っての張り詰めた空気の中で、貴生を巻き込みたくない藤堂と、何があっても別れたくない貴生の駆け引き。

貴生は7年前にも藤堂の敵に拉致されて、数日間薬を使って陵辱された挙げ句、責任を感じた藤堂と一旦別れてしまい身も心もどん底に落ちた辛い経験を持っている。
…と、痛い部分から見せつけられる話だがご心配な…

3

名前も知らず恋に落ちた話 小説

水原とほる  yoco 

男性同士というツボ

男同士じゃないとできない距離の縮め方があると思うんです。
この作品には「それ、女性でもいいよね」となり得ない「男性だから」という必然性が散りばめられています。そこが好きな人にはたまらなく魅力的な、いわゆるツボを気持ちよく押してくれるような心地良い作品でした。

まず、改造バイクというテーマが男性的です。「スクランブラーはオンロードバイクを改造したオフロードにも対応できるバイクだ」という序盤の…

6

彼は優しい雨 小説

水原とほる  小山田あみ 

萌えよりも叙情

ここのところ増えている水原さんの穏やかバージョン。
今回は、攻め・久富が東欧文学を専門とする大学講師という事で、”東欧近代史の社会主義を伺えるプロパガンダとかイデオロギー”云々…(-_-;)…
やらの薀蓄が見え隠れしているが、それらに詳しくなくとも読める。

水原さんの作品は作中で攻め受けの半生を振り返るって経緯が織り込まれているのが多いのだが、ここまで叙情的?ってのになってくると何だか”…

9

彼は優しい雨 小説

水原とほる  小山田あみ 

男を破滅させてく悪女系ですかね(´・ω・`)

通り雨をキッカケに知り合った大人の二人が、静かにゆっくりと恋を育んで行くと言う、しっとり優しいお話でした。

こういうお話はとてもツボなのです。
ただ、完全に個人的な好みの問題なんですけど、なんか受けが理解不能と言うか、「無垢な悪女」を連想させてイラッと来ると言うか。
えーと、自分と関わる男を無意識に惑わして、破滅させる系と言うんでしょうか。
読んでいて、いまいち彼の思考が理解出来ないと…

19

小説

水原とほる  奈良千春 

過激で悲しい情愛の深さ

4つのストーリーからですが、ちょっと私には1歩引く作品でした。
人によって愛し方や愛情の受け止め方はありますが、実際こういう風なのかなー?と同性愛に関してちょっとコワいなと。まぁ、空想の世界もあるでしょうから。。。
窓ーではもう、受けが狂ってしまうんじゃないか?と思いましたが、意外な展開に驚きました。んー?お互い年月が経ちすぎたから、免疫ができたのか?とも思いました。いつの間にか受けが攻めを好…

1

夜夜の月 小説

水原とほる  町田九里 

絵描きの人生

苦学生で、街頭で自分の絵を売っていた亮と、画商の澤。
社会的な立場は違うけど、画家をめざす青年と、商才はありながら絵に屈折した想いを抱く画商。
トラウマに対してひたむきで芯のある青年が澤を救うように、金銭的な支援をしながら同時に自分を愛してくれる澤によって大成する亮、という成長物語になっていました。

澤にはからの関係込みでパトロンになっていたイラストレーターがいて、新たに愛人関係をもちか…

4

名前も知らず恋に落ちた話 小説

水原とほる  yoco 

男として惚れるのがいい

ずっと気になっていた作品でやっと読めました。
いいですね!ザ・男同士という感じ。
こういう男として男に惚れる、男同士お互い高めあって共に将来を生きていく。新鮮でした。

バイカーを見る目も変わりそうです。ロマンがありますね。

お互い一目惚れでいいなと思っていて、相性が良くて、お互い一匹狼だったのに一緒にツーリングするようになって。連絡先も名前も知らなかったのに仕事先で再会して。

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