水原とほるさんのレビュー一覧

女郎蜘蛛の牙 小説

水原とほる  高緒拾 

魔の男(どっちが?)

本編プラスその後を描く短編、およびSSの3編での構成。2014年発表作品。

「女郎蜘蛛の牙」
主人公は型破りな警視庁組対の刑事・蓮見。単独行動ばかりしていて、今日もひとりで令状もなしに岩田組の組本部事務所に乗り込む。
そこで陰のNo.2と言われる代行の奥泉を初めて目にし、その美貌に心を揺さぶられる…
…と始まります。
が、この物語はキュンとする一目惚れとか甘い恋心とは全く無縁!
あ…

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ヘプタゴンは微笑む 小説

水原とほる  幸村佳苗 

護国と諜報。運命のひとと出会って

水原とほる先生の硬派もの。2016年発表。
今回は、新興宗教の分裂に乗じて日本の不動産を大量に取得し宗教法人の隠れ蓑で国益を脅かす集団に立ち向かう…

主人公は、大学で東洋哲学を教える七生。
だがそのもう一つの顔は「ヘプタゴン」と呼ばれる秘められたインテリジェンス(諜報)集団の一員…
日本に入り込んでいる怪しげな宗教団体の捜査として、公安の鬼防が「ヘプタゴン」に協力を求めてやってくる。そ…

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奪還する男 小説

水原とほる  小山田あみ 

邦人人質を無事奪還せよ

水原とほる先生の骨太系作品。
主人公は中東某国(多分トルコ?)領事館勤務の外務省職員・高村直実。
帰国直前に小さな爆破事件に行き合い、その時に日本人の民間警備会社の加賀谷に庇われる。その時は軽傷の手当てとお礼代わりの食事で別れたが、東京のゲイが集まるバーで偶然の再会を果たし、一夜を共にする。
その直後、かの国で邦人が誘拐されるテロ事件が起き、直実はもちろん民間の加賀谷も人質奪還に向けて急遽飛…

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名前も知らず恋に落ちた話 小説

水原とほる  yoco 

バイクを通じて展開される大人の恋物語

週末は一人でバイクに乗って楽しむ男達のお話。

バイクの専門用語や語りはちょっと馴染みがなく分かりませんでしたが(笑)、バイクに関する熱い思いはこれでもかってほど伝わってきました…!

二人の出会いやバイクを通じて親しくなっていく様子、バイクや行く先での爽快感、素性が分かってからの距離の縮まり方、お仕事面などしっかり丁寧に描かれていて楽しかったです。

ワイルドな攻めと美人系の受け。

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恋情の雨音 小説

水原とほる  ヤマダサクラコ 

騎士と聖魔女

表紙とタイトルから、しっとり系を期待して読み始める。
すると…
あらすじ以上にオカルト風味がありました。
そして、しっとりとオカルトが絶妙にマッチしている。

主人公は、静かな田舎町(村)で家業の薬局を継いでいる薬剤師の貴文。
4年前から時折やってきては1泊してすぐに東京に戻る男性がいます。
その大瀧とは秘密で肉体関係があるけれど、恋愛でもなくセフレでもなく。
実は大瀧は刑事で、貴…

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愛の奴隷 小説

水原とほる  水名瀬雅良 

鈍感な受けと口下手な攻め

口下手な攻め(ヤクザの息子)×健気で鈍感な、だけど肝の座った受け

ラストの展開は、うーんそれで良いのかい?と個人的に首を捻ってしまうものだったのですが、それまでの過程が面白かったので神評価で。

受けの鈍感具合とそれに対する攻めの苛つきは王道ですが読んでてやっぱりニヤニヤしてしまいます。とっくに両思いなのに先に身体の関係が出来てしまったせいで色々拗れてまして、さっさと腹を割って話せば解決…

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異母兄のいる庭 小説

水原とほる  あじみね朔生 

佐々木にしとけって

何度も読み返すぐらい大好きな作品何ですが、その度に、この攻め(兄)はやめとけって…となる不思議。だけどこの2人(異母兄弟)がくっつくのは納得してしまうんですよねぇ。

本当、令和に刊行された新刊を読んだ後に本作を読むと、攻めのやばさっぷりが際立って面白いです。
レイプはするし、平気で受けを殴るし、挙句に喉を締めるしで、擁護しようのないダメ男。加えて受けを淫乱の罵り、お母さんを揶揄するようなこ…

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巫女神楽の夜の契り 小説

水原とほる  街子マドカ 

BL的萌えが少なくて

水原とほる先生の作品は初めてなので、拝読させて頂くのが楽しみでした。

個人的、各項目5段階で
オカルト 2
仄暗い 2
エロ 1
な感じだと思います。

公則さん×充紀さんのカプです。

研究資料を受け取る為に訪れて村で、特別な祭事期間はよそ者は入村出来ない筈だったのに、何故か巫女神楽を舞うことを強制させられた充紀さん。

少しオカルト要素もあり仄暗い雰囲気ではありますが…

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青水無月 小説

水原とほる  稲荷家房之介 

まさに共依存

近親相姦に加えて共依存モノということで私の大好物でした。暴力的な表現などはありますが、私はこうゆうの以外と大丈夫でした。弟の友人に輪姦されてしまうシーンは少し気分が悪く主人公が不憫でならなかったのですが最後の最後で主人公が弟に捨てないでくれと言うシーンは、ああ主人公は弟の手の中に落ちてしまったなと感じました。
ハッピーエンドかどうか、は読む人の受け取り方によると思いますね。私はこれで良かったんじ…

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唐梅のつばら 小説

水原とほる  山本タカト 

全てが良い

表紙と挿絵を担当している絵師の方が好きで、そこで興味を持ち作品を手に取りました。

主人公の境遇がなかなかに特殊で同情のような感情が芽生えたところから物語がどんどん展開していき、最後までどんな結末を迎えるか想像ができませんでした。
主人公が想い続け、相手も主人公を想い愛を注ぐ青年と、主人公を執着で締め付けつつ歪んだ愛を注ぐ義兄の駆け引きのような関係もハラハラしました。
物語の緩急の付け方が…

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