須和雪里さんのレビュー一覧

僕が世界を滅ぼす日 小説

須和雪里 

作者様は多分コミカルと思って書かれている。でも

須和雪里先生の作品、だから一筋縄ではいかない。
やはり読んでびっくり。

BL?

BLではないですね。
内容は、「集団自殺」。
当然冒頭は暗い。救い無い。
ネットでの募集に応じた4人の男性がある駅で待ち合わせて…と始まります。
まず3人が先に着く。
死にたい理由は言わない約束、なのにやっぱりこれまでの不幸や不満、恨み言、自虐を語り出す3人。
そして最後の1人がやっとやってき…

0

サミア 小説

須和雪里  西炯子 

SFなのか?

どこかでおススメと聞いて図書館にあった旧版を借りました。
なるほど、これはなんとも感想を書きにくい(苦笑)萌えるのか?と言われれば、違うなと思う。そういうハカリじゃ無いかも。だから中立です。

往年の、耽美な世界観なお話でした。
きっと貴志は友則のことが死んでもいいくらいに好きだったんだよね。彼らの大人になった未来を見てみたい気持ちになりました。
本来は醜い姿のサミア。
最初に見た時は…

0

サミア 小説

須和雪里  西炯子 

すごい。

三つの短編からなるこの本。書かれたのは90年代です。
読んだ感想は、いや〜…すごい。重い。暗い。でも面白い。
BL(あるいはそれに準ずるもの)とは言えないような、ちょっと特殊な純文学として出版できそうな感じの本です。
どの作品も、恋愛がテーマにはなっていないんですよ。テーマは読んだ人それぞれで違うものを感じると思いますが、私が感じたこの短編集のテーマは〈罰〉でした。
(※以下はネバレが含ま…

2

文殊丸 小説

須和雪里  紺野キタ 

続・天桃山奇譚

異色の癒し系・平安BL「花芽と狼」の続編です。BL色が弱く、これと言ったエロスもない…どちらかと言えば文芸作品っぽい雰囲気を持つこの作品に続編があることが何だか嬉しいです。ウロの背中に乗って空を翔ぶ文殊丸と瑠璃若がとっても可愛い口絵イラストにさっそく癒やされました。

さて、タイトルにあるとおり前作よりも文殊丸が全面的にフィーチャーされた作品です。相思相愛の相手である冬弦のもとで穏やかな日々を…

0

変態天使の純情 小説

須和雪里  内田かおる 

変態天使シリーズの第1巻

タイトルの解釈は、「変態」×「天使」ではありません。「変態天使」同士の恋愛です。
主人公の草野秋広は、化学が苦手というか、周期表の最初のあたりすらあやういレベル。橋本先生の「変態」さは、タイトルで予想していた内容よりも、別の方向で発揮されてました。そのせいか、あまりエロエロとは感じませんでした。
なお、白衣萌えの需要は結構あると思いますが、作品情報につけるタグには「白衣」が存在しなかったことに…

0

サミア 小説

須和雪里  門地かおり 

怪作

おすすめいただいて読んだ作品です。エイリアンものだという事は知っていたので興味津々でした。
読んでみると、表題作「サミア」は全くキワモノではなく、ど田舎の山の中に住んでる普通の中学生が夏休みに経験する出会いと別れの物語。
よくある青春物語の型をなぞりながら、その相手がエイリアンであり、同性(というより男性型?)だった。その上、永劫の時を生きる残酷さ、生と死の哲学。それらが長くもない話の中にギッ…

4

花芽と狼 小説

須和雪里  紺野キタ 

天桃山奇譚

BL小説ではなく、文芸作品でもなく、古典の現代語訳を読んだような読後感の作品でした。エロ度は「少なめ」ですが「なし」でもいいような。あとがきによれば明確に1164年~1165年を想定して書かれているそうで、日本史の勉強をし直さないと…と思いました^^;

主人公は、寺稚児になるべく天桃山にある瑞調寺にやってきた愛らしい男の子・瑠璃若(花芽)と、瑠璃若に憑いている狼の妖・クロ、瑠璃若の師となる阿…

1

サミア 小説

須和雪里  門地かおり 

男気。

タイトルと門地かおりさんのカバーや口絵イラストから、甘くてロマンティックなお話をイメージさせます。でもクスリと笑えるんですよ。小説道場ご出身の作家さまで初出も古い作品ですが、古臭さを全く感じません。JUNE作品ですから、作風に色んなロマンを求めたとしてもあながちズレた要求でもないのかもしれないけれど、どんなテイストであれ、BLのルーツ的JUNE作品にはハズレがなさそうな予感がいたしまして…。

5

サミア 小説

須和雪里  門地かおり 

夏の夜に聞かせてほしいおはなし

初出が1993年という話の新装版。
『サミア』『いつか地球が海になる日』『ミルク』『ミルクの後で』の
四篇が収められた短編集。
エイリアン、変態、ハムスターと、ぶっとんだ設定の古きよきBL。
軽妙な筆致で書かれながら、ふっと心の深いところに嵌るような物語達。

個人的にはSFというには抵抗があるが、
淡々とコミカルでありながら、とても優しく誠実な物語は
BLジャンルを外したファンタ…

4

サミア 小説

須和雪里  門地かおり 

ぜひとも夏に

こんなに泣かされたBL小説はありません。
15年以上前に書かれた作品ですが、古さを感じさせないどころか、人物の心の動きは今でも十分に読み手の胸に迫ってきます。

最初は、突飛なサミアの言動に 読みながらも頭がふわふわしていたのが、次第に描写の美しさに引き込まれ、友則の気持ちでサミアを愛しいと感じ始め、そして近づくタイムリミットに、痛いほど胸がしめつけられていきます。
何度も何度も読んでいて…

6
PAGE TOP