せーらん
いやあ、最後まで面白く、魅せてくれました。正直、六実の血筋に関する云々はちょっと余計なような気もして、読んでてどっと疲れましたが、他の結果の根拠として納得がいくようにするためには必要だったと思うので、そこは自分の頭のキャパの問題ですね。その他のシーンは本当にどこをとっても満足のいく内容でした。
六実が麻人に拉致されたと知り、たった1人で北斎の事務所に乗り込んでいった透。無鉄砲にも程があり…
2巻でそれぞれのキャラクターが一際魅力を放っていました。特に、前半戦での透の漢気には脱帽! 中性的な顔立ち、華奢な体躯からはギャップがあり過ぎる、落とし前の付け方。それをぐだぐだ悩まずに、瞬時に口にできる決断力。危なっかしいとも言えるのかもしれませんが、己の身を切る覚悟も躊躇なくできてしまう彼に、改めて惚れました。喰えない男に囲まれた環境で、部下達に心から慕われるような男になりたいと、必死に男ら…
新田先生の作品は、どんな業界の話でもその世界観を描くのに手を抜いている箇所がまったくないなと感じます。今までに読んだ『春抱き』シリーズは本当に芸能界にいたかのような描き方、『公使閣下の秘密外交』は間近で外交官達の駆け引きを見てきたかのような描き方に感じました。そして、今回はヤクザ、裏社会の作品。まだ1巻なので抗争など殺伐とした展開はなく、導入も特殊で笑える要素もありますが、今回も1巻目で読者の心…