かわい有美子さんのレビュー一覧

光の雨 ―贖罪― 小説

かわい有美子  麻々原絵里依 

光と影

未完だった作品がとうとう完結しました。
前の巻を読んで自分で予想していた展開とは違う意味で裏切られたと言うか・・・
しかし、意図としようとしたことはわかったような気がします。
旧題の「いのせんと」そして今回題名の「光」の意味するところ。
この2巻の展開とエンドがまさにそれを象徴しているような。
彼等はまっとうな道をまっとうな方法で歩いて行くのだと。

前の巻が仕事や人間関係を通して伊…

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銀の雫の降る都 小説

かわい有美子  葛西リカコ 

じわじわ浸透するように。

葛西さんの絵がステキで表紙に惹かれてかってしまいました。
いや、あらすじも読んで面白そうだなと思ったから買ったんですけど、ちゃんと読んでなかったのかSFだって気づいてなかった!
読んでみたらSFな感じで驚いちゃったり。

物語は偶然の出会いから始まって。
気まぐれのようにほんの些細な流れでそばに置くことになって。
結果的に置くことにはなったけれど、なんとなく感じる熱い視線はあるもののそ…

8

銀の雫の降る都 小説

かわい有美子  葛西リカコ 

同じ人間には思えない

方や500才くらいの寿命がある選ばれた人種と文明水準が千年も遅れているような
地域で暮らす人間との気まぐれな思いから始まる出会い。
これだけ寿命が違うと同じ人間同士とは思えないファンタジーなのですが、
老成した大国出身の受け様は、近代医療でも治す事の出来ない病を持っていて、
受け様の生まれた国でも異質で排除されるべき存在なんです。
それは老成した大国が優生学を良しとしている為に遺伝子に不…

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銀の雫の降る都 小説

かわい有美子  葛西リカコ 

全体の雰囲気に酔う話

一読し某作家さん2名の某SFファンタジーBLが似ている感じがすると思われました。
作者さんは、今回は萩尾望都「マージナル」の辺境伯へのオマージュということを描かれておりましたが、もうすでにマージナルが忘却のかなたの作品なので再読してみないことには比較のしようがありません。
さておき、とてもゆっくりとした時の流れの、とてもきれいでとても優しいお話だったと思います。
ただ、冒頭の入り。
こうい…

10

月一滴 小説

かわい有美子  花本安嗣 

静かなふたりの雰囲気を掻き回す最強王子(笑)

上海金魚シリーズ(帯の裏側に書いてありました)かわいさんご自身は「透過性恋愛装置」のスピンオフとおっしゃっていたのですが・・・。
主人公は「オテル・ド・エンピール」のドアマン、橋本和樹と傷心のフリーのデザイナー、嵯上匠人。
「オテル・ド・エンピール」なら、牧田さん登場と思ったら先に北嶋王子がきました(笑)
初読みのときは、王子に全部もっていたかれた感ありましたが、2度、3度、と読みすすめてい…

1

上海金魚 小説

かわい有美子  花本安嗣 

優しいお話でした

順番としては、このお話が先でしょうか?
レビューは前後すると思いますが、透過性恋愛装置の方を先に読みました。
透過性恋愛装置の北嶋王子の面倒をなんだかんだとみてやっている良い人、滝乃くんと祐季ちゃんのお話。
不倫していたという祐季ちゃんの過去にびっくり。
でも、祐季ちゃんは、優しくて、まじめで、本当に良い子なんですよね。
登というなんでも相談できる友達がいて、滝乃くんにも再会できて本当に…

1

銀の雫の降る都 小説

かわい有美子  葛西リカコ 

静かに美しく紡がれる物語……

高度な文明と科学の老成した大国レーモスが統治するエイドリアは、
未だ未開な文明のままの大地だ。
ここに執政官として赴任して70年、エイドリア辺境伯カレル・エサイアス卿は
赴任してきた28歳の頃の容姿のまま、まるで人生を消費するようにして生きている。

君臨すれども統治せず、という姿勢で現地のことには殆ど関与せずにきたカレルだが
ある日視察先の内陸の街で、何の気まぐれか売買されていた年若…

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Je te veux 小説

かわい有美子 

タイトルがベタですが・・・

流星シロップの生徒会長、峰くんと副会長、衛守くんのお話です。
生徒会主催の学校行事の後の入浴シーンから・・・このシリーズ、寮の入浴シーンがやたら多かったような(笑)
学校行事が盛会に終わって高揚した生徒達のにぎやかさが伝わってきます。
こういう高校生らしいエピソードを忘れないところが良いな~と思います。
そして、部屋に戻ると同室者は自宅へ帰っていてふたりきり、そこからお約束のシーンへ突入し…

1

君を思い初めにしか 小説

かわい有美子 

ふたつの幸せのかたち

「微熱惑星・月一滴」「遠雷・甘い水」の2編が収録されています。

「微熱惑星・月一滴」
嵯上視点で話が進みますが、嵯上とお仕事中の北嶋王子。
相変わらずのとんでも王子です。
北嶋のペースで進めると嵯上の方に被害が及びそうなので嵯上は大人の対応です。
いつか、嵯上も北嶋のペースに巻き込まれる話も読みたいですが、それはあまりにも可哀想でしょうか?
橋本くんは相変わらず可愛いです。
テデ…

2

光の雨 ―原罪― 小説

かわい有美子  麻々原絵里依 

古さを感じさせない

10年も前の未完の作品だそうですが、今回は2冊で完結になるということで読んで見た。
大阪を舞台にしているので、10年も過ぎれば描写される景色は変わっているけれど
左程違和感なく読めてしまう、逆にどこかモノクローム的な雰囲気であっている。
旧作を読んでいないので本当に更状態で読み始めるが、個人的にはシリアスで深層に何かを
訴えかけるような作品はあえて避けていたのですが、最近はその傾向の作品が…

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