かわい有美子さんのレビュー一覧

銀の雫の降る都 小説

かわい有美子  葛西リカコ 

湿っぽさや重々しさがもっと欲しかった

設定とかは大好きです。主従関係、剣闘士、一途な攻め…。

でも、感動したり泣けたりってのがなく…。

気まぐれで拾ったユーリスが、やがて主であるカレルに劣情を抱く。賞金を費やした豪華な指輪を渡すも、人から愛されることに慣れていないカレルの反応は…。
暴動が起こり、ユーリスが身を挺して守ってくれたこた、また寂しさなどから、カレルはユーリスに口付けをする。

カレルが、自分の命を削ると分…

3

君と僕と夜の猫 小説

かわい有美子  笠井あゆみ 

巡る季節と、募る想い

はんなりとした京男二人の間怠っこしい恋模様。

京都は毎年旅行しているのですが、これを読んだらまだ行ったことのない夏の京都や、あじき路地なんかに行ってみたくなりました。

薄幸でありながら、したたかさも兼ね備えた夏生が色っぽいです。途中までは完全に夏生の片思いで、智明が夏生に優しくするのは、事故に対する責任や同情だったりするのかな、と思ってました。付き合いが長い分、智明も今さら夏生を突き放…

9

上海金魚 小説

かわい有美子  花本安嗣 

しっとりとした旅先での恋

1冊ぜんぶ表題作です。
滝乃(攻め)、水端(受け)の両方から語られるので、二人が惹かれていく過程が分かりやすいです。

水端は、伊藤(年上・35歳)と不倫旅行に上海にでかけますが、そこで妻にバレたのと伊藤の嘘が分かって別れることを決めます。一緒に帰国する事を拒んだ水端に、伊藤は滝乃に世話を頼んで…という話です。

伊藤が世話を頼む前にも滝乃とも面識はありますし、伊藤より滝乃の方が相性が良…

2

世界の半分 小説

かわい有美子  葛西リカコ 

情景が目にうかぶ美しいはなし

大国のエルヴァン皇子の軍に攻めこまれた、小国の第二王子カイは父王からの「生きて祖国の再興を」との命を守るために、亡き姉のアイラになりすまし女性として敵国につかまり命をつなぎとめることに成功します。

その後、カイは祖国を滅ぼしたエルヴァンの元に女奴隷として使えることになります。
最初は憎い相手だと嫌悪感を頂いていたカイでしたが、他の兄弟と違い紳士的でもあり、孤独な雰囲気のあるエルヴァン皇子に…

3

甘い水 2 小説

かわい有美子  北上れん 

二人とも恋愛に関してはDKレベルだと思う。

ちるちるのレビューを徘徊しているとき、気になったんで1、2巻まとめて買っちゃいました。
正直、1巻は「う〜ん?」だったので、2巻はどうだろーと少し不安でした。が、この作品は絶対2巻の方が面白いです。警察モノならではのアクションシーンも断然こっちの方が緊迫感ありました。
1巻では、身体は重ねたもののまださほど恋愛感情がなかった遠藤。2巻ではやっとこさデレてくれました。刹那的な快楽だけでなく、もし…

2

UNDER THE HEAVEN(下) 小説

かわい有美子  立石涼 

よかった、ほっとした

健気受けはどこまで痛めつけられるのか。。

陵辱され、薬漬けにされる史貴。立ち直れるのか。。
いかに、ずっと片思いしてきたアレックスに受け入れられたとはいえ、薬から更正するのはとても根気と努力が要りそうで、いたたまれない。

甘々な最後にしない格調高い展開は好きですが、この作品の場合、アレックスの心情がもう少し描かれていて欲しかったなという印象。幼少のトラウマ、史貴への想い、兄弟、養父へ…

4

疵 スキャンダル4 小説

かわい有美子  杜山まこ 

大団円でないエンド

個人的に大満足だった4巻。

ものすごく単純に言うと、これまでの痛みがすべて溶けて流されていく、そんなハッピーエンド。しかし、大団円にしないのがかわいさんのいいところです。最後までしらけずに、しかも読後感のよい作品でした。

不義をした妻、弥生との関係、権力に逆らえなかった篠田との関係、そういった負の関係が清算され、かけがえのないものとなった、司馬との新しい関係が始まる。

一方の司馬…

2

疵 スキャンダル3 小説

かわい有美子  杜山まこ 

展開するストーリー

ここへきてつらい流れですが、愛がほの見える描写で、一応読者としては”安心”して読み進められる。。かな?

ここへ来て初めての明確な別れ。司馬に対して明らかに自分の気持ちを意識した桐原。
一方司馬は、かけがえのない息子との共同生活を得るため、分かれた元妻との同居を始めます。桐原に別れを告げる司馬。ひどい男。。。

耐える桐原がいじましい。そして耐える強さがある。そこだけが救いです。

1

疵 スキャンダル 2 小説

かわい有美子  杜山まこ 

二人の関係は。。。

どんどん追い詰められる桐原。線が細いながらも色気があり男好きする彼は、政財界の大物に気に入られてしまう。

それを知りながらも受け止めようとする司馬。しかし、仕事上の軋轢が絡んだとたん、二人の関係はこじれてしまう。

どうなるのか、今後の二人は。。

司馬の悪友、有馬がいい味です。とんでもなく洒落者で頭も切れる有馬、司馬の桐原に対する心の動きに気づき、図らずも後押しするような役どころ。…

0

疵 スキャンダル 1 小説

かわい有美子  杜山まこ 

名前呼びが萌えます

シリアスなリーマン、官僚もの。お互いに閉塞感のある境遇の同僚が出会い、逢瀬を持つ。

二人、特に受けの境遇を考えるとかなり痛いのですが、読むのがつらいという程ではありませんでした。安易に、お互いに深く愛し合う、という展開にならないのがさすが。何か、どうにも惹かれてしまう、というような、確約はないけれど求め合う、あやうい関係がよいです。

公務員がたたかれた一昔前の時代設定。大蔵省時代の官僚…

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