かわい有美子さんのレビュー一覧

朧小路の恋の花 初回特典ペーパー グッズ

贅沢な両面ペーパー

まず、カラーイラストがペーパー片面の全体に使用されているのを見て、なんて贅沢だ!と思いました。口絵は黒より紫がかった色味で、裏表紙と同じイラストだけど色味が違うと感じました。ペーパーは裏表紙の方を使用されています。

ショートストーリーは、光希が布団の中から、半裸で爪を切る吉澤をUSJに誘う話です。短い文章ながら、午前中の日の中での甘い雰囲気が漂う光景が素敵でした!吉澤が「お前」呼びなのに、恋…

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朧小路の恋の花 小説

かわい有美子  宮城とおこ 

京都が舞台

光希(受け)視点の表題作「朧小路の恋の花」と、吉澤(攻め)視点のショート「今宵逢う人」の2作品が収録されています。

二人とも京都弁ですが、料理人の吉澤は、水商売の光希ほど柔らかい方言ではありません。二人が違うというのが読みやすかったと思います。私は平気でしたが、光希の京都弁を女性っぽく感じて気になってしまう方がいるかもと思いました。光希の商売柄だけでなく、京都という土地柄、私生児という出生か…

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世界の半分 小説

かわい有美子  葛西リカコ 

攻めの方が不憫なのか?

「残虐非道な大国に攻め込まれ」「彼の女奴隷にされてしまう」というあらすじで勝手にエルヴァンの悪いイメージを作ってしまってたのですが、読んでみると全く別で逆に超紳士? 国を攻められ両親など殺されたカイも可哀想なのですが、エルヴィンの方が不憫という感じがしてしまいます。全てにおいてイメージ通りでなかったかも。敵国に連れてこられた時も美貌からして兄のお手付きになるかと思いきやすぐにエルヴィンに破瓜する権…

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上海 小説

かわい有美子  竹美家らら 

健気な美しい執事

答えて姐さんの「涙腺崩壊、号泣」スレに紹介されていたので、読んでみました。

天涯孤独な身の上ながら英国貴族より英国名を与えられた中国人孤児のエドワード。英国貴族の子息レイモンドの気まぐれから、幼馴染みや兄弟のように過ごすことを許され、慎ましく忠実に仕えるようになります。
同性愛がイギリス本国では罪深いことであるとわかっていながらも、太陽のように快活なレイモンドへの思慕は募るばかりですが、そ…

1

微睡の月の皇子 小説

かわい有美子  カゼキショウ 

ご都合主義に収束。

月夜見尊(つくよみのみこと)は民に対する優しさから罪を犯し、
高天原を放逐される。
お供は、人の形をとったうさぎの因幡彦だけ。
雲の階から降り立った葦原中つ国は、未だ混沌の地。
国つ神達が争い荒廃した世界の中で、
月夜見は夜刀という男に出会い、彼の屋敷に住むことに……


という日本神話をベースにした物語、
月夜見尊はその中でも、凄い姉弟に挟まれてミステリアスな存在だし
筆者は…

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月一滴 小説

かわい有美子  花本安嗣 

不憫な受け好きにお勧め

「上海金魚」「透過性恋愛装置」のスピンオフ作品です。
長編とショート2作品が収録されています。

「月一滴-つきひとしずく-」
表題作。真面目な恋愛から遠かった二人が徐々に近づいていく様子がとにかく良いです!橋本(受け)の視点がメインなのですが、嵯上(攻め)の視点も書かれているので、惹かれあう過程が分かりやすいです。橋本が誘ったのを嵯上が断った夜の場面で、橋本は気がつかない嵯上の気持ちを推…

3

Zwei ツヴァイ 小説

かわい有美子  やまがたさとみ 

すれ違う想いから未来へ

かわい有美子さんの書くラブシーンが好きです。
よくあるいやらしい単語などは使わず、どちらかというと淡々とした描写が続くのに、この生々しい交情の感覚。

高校生の時、友達以上恋人未満だった2人が、30過ぎて再会する。
あの日超えられなかった一線は今はこんなにも脆く、山下は須和が今でも自分のことが好きだと確信して欲情し、須和はずっと心で想っていた山下と一度でも抱き合えてうれしいと寂しく笑う。

6

銀の雫の降る都 小説

かわい有美子  葛西リカコ 

湿っぽさや重々しさがもっと欲しかった

設定とかは大好きです。主従関係、剣闘士、一途な攻め…。

でも、感動したり泣けたりってのがなく…。

気まぐれで拾ったユーリスが、やがて主であるカレルに劣情を抱く。賞金を費やした豪華な指輪を渡すも、人から愛されることに慣れていないカレルの反応は…。
暴動が起こり、ユーリスが身を挺して守ってくれたこた、また寂しさなどから、カレルはユーリスに口付けをする。

カレルが、自分の命を削ると分…

3

君と僕と夜の猫 小説

かわい有美子  笠井あゆみ 

巡る季節と、募る想い

はんなりとした京男二人の間怠っこしい恋模様。

京都は毎年旅行しているのですが、これを読んだらまだ行ったことのない夏の京都や、あじき路地なんかに行ってみたくなりました。

薄幸でありながら、したたかさも兼ね備えた夏生が色っぽいです。途中までは完全に夏生の片思いで、智明が夏生に優しくするのは、事故に対する責任や同情だったりするのかな、と思ってました。付き合いが長い分、智明も今さら夏生を突き放…

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上海金魚 小説

かわい有美子  花本安嗣 

しっとりとした旅先での恋

1冊ぜんぶ表題作です。
滝乃(攻め)、水端(受け)の両方から語られるので、二人が惹かれていく過程が分かりやすいです。

水端は、伊藤(年上・35歳)と不倫旅行に上海にでかけますが、そこで妻にバレたのと伊藤の嘘が分かって別れることを決めます。一緒に帰国する事を拒んだ水端に、伊藤は滝乃に世話を頼んで…という話です。

伊藤が世話を頼む前にも滝乃とも面識はありますし、伊藤より滝乃の方が相性が良…

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