かわい有美子さんのレビュー一覧

墨と雪 小説

かわい有美子  円陣闇丸 

「甘い水」のスピンオフ

思っていたような、簡単な筋書きでは無かった。ただの恋愛ものでは無い。
予想外の面白さに引き込まれました。

篠口雪巳+黒澤一誠 だから、墨と雪?
読者が樋口と一緒にプロファイルしながら読むように、組み立てているようです。
そして混乱するように、脇役を丁寧に名前を書き連ねています。
序盤から、袴田は怪しい言動を重ねる目立つ人物。元医師の哲学講師。粘着質の変態。
夜の公園で背後から薬物を…

2

猫の遊ぶ庭 ~気まぐれ者達の楽園~ 小説

かわい有美子  山田章博 

彼らをいつまでも見ていたい

かわい先生の初期作品「猫の遊ぶ庭」の関連作品。
前作の続編となっていて、短〜中編のお話が季節毎に並んだ短編集となっています。
京都の古めかしい学生寮を舞台に、メインカップル2人と、寮に住まう一癖も二癖もある住人達を中心に繰り広げられる日常をほのぼのと描いた味のある隠れた良作です。
とにかく文章が綺麗で読みやすい。知らない場所のはずなのにどこか懐かしさを感じる。
淡々としていながら、四季の移…

1

Calling 小説

かわい有美子  円陣闇丸 

囚われた姫 in サイバースペース

近未来を舞台としたSFBL。
ファンタジーが苦手な私ですがSFはちょっと憧れる。サイエンス、が頭が良くなるような気が…する。なわけないんだけどね。

ところで本作。
2049年、第3次大戦後の世界は未だ不安定で、国に代わる特区はその国境や影響力を争っている。
その争いはもはやサイバー空間への攻撃が主になっていて、日本特区では特殊能力者に率いられたサイバー工作チーム「昴」が大きな成果を挙げ…

1

透過性恋愛装置 小説

かわい有美子  花本安嗣 

恋する建築士のラブコメ 面白かった

たしかに「上海金魚」を先に読むと、数倍面白くなる物語でした。

「上海金魚」で水端さんに優しくアプローチした滝乃さんが、この巻では、仕事に厳しい一面を見せていました。初恋の少女に似ている水端さんには、相変わらずとても優しくて甘々。ところが、仕事で対応する我儘王子の北嶋さんには北風対応。
この対応の差が面白かった。

この巻の主人公は、世間知らずの牡の子猫のような北嶋さん。コメディアン要素…

1

上海 小説

かわい有美子  竹美家らら 

大戦前後の上海と英国が舞台のドラマ

粗筋は、他のレビューが先に出ているので感想だけ。

あとがきを讀めば、著者がどれほどこの作品に入れ込んで、沢山の資料を集めて、きちんと書こうとしたのか伺えます。特別に愛着を持っている作品のようです。
電子版を買いましたが、紙本も買いました。イラストがあると、盛り上がり度が違う、ドキドキします。

なるべく史実に沿うように書こうとしたらしく、時代背景の説明が細かかった。
かけおちした実母…

1

いとし、いとしという心(2) 小説

かわい有美子  南田チュン 

学生時代と、新店舗開店までの物語

感想
侑央がもし女性だったら、長男の壮一の嫁にすんなり納まっていたかもしれない。
侑央が男性であったから、この物語のようなおもしろい展開になったんだけど、本当に長男の壮一は、侑央の気持ちに気づいて居なかったんだろうか、と疑問。
薄々気づいて居たんじゃないかと思う所がありました。

二巻は、学生時代の思い出に頁を多く割り割かれていて、読みたかった新店舗開設とこれからの事についての物語が、頁…

1

いとし、いとしという心 小説

かわい有美子  南田チュン 

京言葉のはんなり

京都の三大老舗旅館が舞台の物語。
京都が好きな人なら、惹かれる物語で、京都の商人の風習がもり込まれていて、京都弁の新旧の商人言葉が会話に綴られています。
---
▶「大和湖(奈良湖)=奈良盆地」
★京都と奈良は、大和湖(奈良湖)を干拓して造った盆地で、施工にあたったのは渡来人達。諍いを嫌う渡来人が衝突を避ける為に、はんなり文化が生まれたと聞いています。

---あらすじ
死んだ兄の後…

2

流星シロップ 小説

かわい有美子  小椋ムク 

生徒会長と副会長の恋物語 峰くんコンビの巻

この「流星シロップ」は、『空色スピカ』のシリーズ二番目のスピンオフ作品。
シリーズの内容は、いずれも全寮制学校の生徒会長・副会長の恋物語。

読み順に悩みました。
単独でも、筋が理解できるらしいのですが、やっぱり、深みが湧かない。
つまらなくなって、途中で一旦閉じて。「空色スピカ」から読みました。
人物の相関関係が薄いと、しっくりいかないのでつまりません。

シリーズの発行順は、

0

上海金魚 小説

かわい有美子  花本安嗣 

三部作の読み順:「上海金魚」「透過性恋愛装置」「月一滴」

本屋サイトとちるちる読者層は異なるので、ランキング上位本も異なります。
違って当たり前ですが、好みが合わないので、私はいつも他サイトの売れ筋ランキングを参考にして読んで居ます。
本屋サイトのランキング上位に入っていたのが「透過性恋愛装置」。
どうやらスピンオフの三部作で、順を追って読まないとつながらない関連作らしいと分かり、ちょうどセール中だったので3冊電子版でまとめて買いました。
作品に…

6

墨と雪 小説

かわい有美子  円陣闇丸 

もう少しガッツリ…

お名前をよく見る作家さんですが、今回がお初でした。
シリーズものだったんですね、サブキャラの名前がやけにきちんと出てくるわけです。

描写が細かく、読んでいて深みを感じました。
そのためお目当ての拉致、監禁ネタにも期待大だったのですが……思ったよりもあっけなくて正直消化不良です(笑)
そもそも最初から犯人が特定されていたためそこのドキドキはなく…
お部屋作りもしっかり準備し頭のキレる犯…

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