chikakumaco
7巻まで読了して読み返してみてみれば。
この後の4巻の前までは、なんとゆっくりと穏やかな時間が過ぎていたことよ。と、それはそれで目頭が熱くなります。丸っと 大輝 × 沢斗 編です。気短な子猫ちゃんがシャーシャー言うように、逆毛を立てて 引いていた沢斗。弟の伸び過ぎた髪を切ってくれたり。手伝いのヨシさんが倒れた時には一緒に病院へ運んでくれたり。そのヨシさんの代わりに 美味しい食事を作ってくれたり。…
物語のすべての始まり。タイトルの「是」。言霊師とその紙様が抱えてきた業の秘密が初めて明らかにされる…。その世界観にまず圧倒されます! 言霊師はともかく、空蝉の世を眺め、ただひたすらに傍観していた和記は、この世のものでは無かったのでしょうか。時代感も不思議で。桃源郷に流れ着いた和記が出逢った男こそすべての元凶、ことの起こり。三刀 力一。最強の言霊師。
村社会のおぞましさに耐えかね、妹、宇多を守り、…
悲しすぎて、残酷過ぎて。中では唯一読み返すことがあまり無い本作です。特に事故にあってからの大輝は酷過ぎる…。沢斗と重ねた時間をすっかり忘れてしまったとはいえ、人が変わってしまったと思えるほど酷くないか。沢斗が絶望する程に、それは残酷なラブシーン…いえ陵辱だと思う。
大輝は、自分が迂闊にも自分の手で沢斗の恋人であった「大輝」を、大切な思い出と共に殺した事にようやく気付く。なぜ、この3ヶ月だけを忘れ…
この巻も号泣ゾーンでして。シリーズ中 最も評価の高いようです。1巻からずっとレギュラーで出ていた彰伊と阿沙利 編です。ここに至るまでに 玄間 × 氷見、あるいは守夜 × 隆成、そして 近衛 × 琴葉 。それぞれの強い愛情の物語が必要で必然だった事が分かります。まぁ、私としては評価の高いこの巻よりもここに至るまでの方が好きで、何度も読み返しては泣いております。
ここではまだ、明らかにはなっていない…
4巻に次いで、この8巻も わたし的には相当な号泣ゾーンでして。まぁ、ここからは何度でも読み返しては泣くこと必至なのですが。
近衛は飄々としているようで、とても愛情深く、次期当主として立つ琴葉の為に、今一度「言霊師」と「紙様」との線引き、主従であると意識させるように、一旦は優しく突き放します。
一族で一番強い言霊遣いである琴葉の 三刀家当主としてのお披露目会で、自身の役割をよく理解していなかった…
何度でも読み返さずにいられない、火弦の想い叶ってのラブシーン。あとがきに「全力で」描かれたというだけあり、とてもとても大胆にはしたなく、情熱的です。確認しましたら、204P中、何と50Pに及ぶボリュームでした。かつて、物語の中でここまで描き尽くされたラブシーンがあっただろうか、と思う程に。曜明さんは言葉が足りなく、感情的にも少し欠けているかと思います。もしかしたら、自分でも火弦に対する愛しさを分か…
「源氏の君と若紫」と例えたのは阿沙利。この時、幼い琴葉の世話を仰せつかった近衛は現実にそうなってしまうとは思いもつかない。ただ純粋な愛情を持って琴葉を育てる。
今作の泣き所はやはりまだ動物と言っていい程の幼い琴葉が、近衛の死んだフリに驚いて喉が裂けるかと思うほどの声を上げるところ。小さくても、幼くても、愛情は育っていて。それは疲弊して「白紙」になりこの世を去った白波瀬の母性が残した心なのか。物心…
この巻としては、曜明さんと火弦が巻き込まれる事件がメインなんですが、7巻を読了した後戻って来てみれば。7巻のメイン、吉利谷×財前、特に吉利谷さんの叶わなかった想いなどが縷々と綴られており。プロポーズも既にしていたんですねぇ。(忘れてましたよ。)まるでソフレの様な二人。ただ人肌に触れて眠りたい、という吉利谷のそんなわがままを受け入れる財前。ぽんぽんと優しく触れるその背には、7巻で明かされる大きな傷。…