chikakumaco
すんごいロマンティックなのだ。平々凡々な毎日を送る朝陽の前に突如訪れる椿事。
手堅く市役所で公務員を勤める朝陽は、出会いが無い。恋をしたいのに。ちょっとアレかもしれないけど、恐る恐る出会い系を使ってみる。そこに現れたのは抱いてくれるわけでも無く、ただただ「素数を数えよう。」と提案してくる変人だった。
読み進めていく内に、この変人こと汰久という男が、なかなかのスパダリっぷりを見せ付けて来ます…
このほのかな薄甘い白ピンク色の表紙と、返って身もふたもないタイトルと。
あらすじを読むに、ちょっぴりエロ甘い、わきゃきゃなストーリーだと思っていたのに⁈
侮るなかれ。しみじみと心に沁みいる温かな喪失と再生の物語でした。
いや、このタイトルは無いわー、と読了した今なら思います。
家が資産家で、なに不自由なく生活出来て。趣味の延長線上で書いた私小説が直木賞(本編では直川賞ともじっている。)…