山藍紫姫子さんのレビュー一覧

堕天使の島(文庫) 小説

山藍紫姫子  小島文美 

BLというより男と男の魂のぶつかり合い

作者様の作品は以前からずっと気になっていたのですが、今回初読みです。
耽美と聞いていたので、そこはかとない背徳的や濃密な愛憎劇を期待していたのですが、イメージとはだいぶ違いました。
ねっとりした文体ではなく、文学的にしっかりとしていたからでしょうか。
甘えを削ぎ落として、人間の尊厳とは何かを考えさせられるような生々しい出来事がむしろ眈々と綴られておりました。
死人の描写が恐かったです。。

3

THE DARK BLUE 小説

山藍紫姫子  舞方ミラ 

山藍さんの吸血鬼もの

全体に流れる隠微で暗い雰囲気。でも読後感は悪くありません。

あらすじは書いてしまうとネタバレになるくらいストーリーが出来ているので省略します。
登場人物は、美しい青年オリヴィエ。舞台は外国です。そして、オリヴィエを犯す吸血鬼、ロキシー。強く、絶倫なスーパー攻め様です。異形のものだからか精力は衰え知らず、繊細なイメージながら淫らでもあるオリヴィエを陵辱の日々。しかしオリヴィエには優しい恋人が…

3

江戸繚乱 小説

山藍紫姫子  水上シン 

読みごたえあり!

これは十右衛門さん(攻め)を楽しむ本でした。なかなかおもしろかったです。

それぞれの思いが絡む中、駆け引きと化かし合いの末、収束していく様がなかなかに痛快。テンポにも緩急があって、読みごたえがありました。
さらに、受けが美しいというだけで愛されて大切にされるのではなく、器に見合った結末であることも新鮮でした。

主役二人だけにスポットを当てておらず、それぞれに隠されたドラマを匂わせなが…

3

とりかえばや 小説

山藍紫姫子  蝶野飛沫 

なんだか迷走?

山藍作品の良さは、すべての人を虜にする超絶美形受けがいろんな人に無理やり凌辱されて、嫌がっていながらもそのうちの一人に陥落する、「結局どこに落ち着くんだ?」というハラハラ感と、繰り返されるどんでん返しのドラマチックさ、独特の言葉遣いの変態エロプレイの組み合わせだと思うのですよ。

しかしこれは、今一つ。

まず、前半の僧院でのあれこれが長すぎる。脇キャラのあれこれも、もっと端折って書いてよ…

1

色闇 小説

山藍紫姫子 

牙神さんが素敵

いやー、牙神さんがどんどんかっこよくなっていくのがよかった!
あんな飄々としていながら仕事もできて余裕も遊び心もあって、だけど恋にも溺れる粋でアツい人でした。
そんな大人な牙神さんに翻弄されてしまう月弥ちゃん。無理もないねw

鬼平犯科帳を意識されたんだろうなぁという舞台で、大人が若い子に溺れながらも粋なやり取りをしていくうちに、いつの間にか大人の魅力に月弥が絡め取られてしまいます。
・…

2

花鬼 小説

山藍紫姫子 

変わってゆくシノブさん

角川書店からの出版のせいか、表紙の色遣いがうまくて「絵描き」さんだなぁと思いました。世界観にもあっていてよかったです。

花夜叉の続編です。
花夜叉も相当に濃くて、変態プレイのオンパレードでした。今度はドラッグを使ったプレイが多かった印象です。
歌舞伎役者の親子も絡んで、三ノ宮の孫もまた絡んできて、相変わらずシノブさんの周囲は変態ばかり。能のお稽古やら舞台やら、そっちだけでも忙しいと思うん…

3

背徳の聖者たち 小説

山藍紫姫子  ライトグラフII 

濃厚~

ずっと気になっていたシリーズでした。
重そうだったのでなかなか手が出ませんでしたが、意外とそうでもなかったです。

設定も登場人物も濃厚w
これなら何でもアリにできるなぁと思いました。ということで、頭のねじを外して能天気に楽しめました。

好感を持ったのが、登場人物の心情をしつこく書きすぎない部分。恋愛要素にサスペンス要素が絡んでいて、それも小出しにしてくれるのでかなり濃いエロにも飽…

1

アレキサンドライト 小説

山藍紫姫子 

耽美の教科書的な

山藍さんの独特な文体と世界観が存分に楽しめました。

BLというよりも、もっと耽美色の強い、古典のコスチュームプレイを観るような感覚で読むと大変面白い作品だと思います。
言葉選びや語尾の言い回しなど、乱歩くらいの時代の妖しさといかめしさがあって、アンティークの重厚さと退廃的なロマンティシズムに酔わされました。
手を変え品を変えの濡れ場はもちろん素晴らしいのですが、なにより闇雲に煽るだけの描…

7

スタンレー・ホークの事件簿(1) 仮面 小説

山藍紫姫子  本仁戻 

ちょっと序盤が読みにくい

事件はかなり猟奇的。
でも、山藍さんの作品ですからね(笑
まあ、お馴染みでしょう。
ただ山藍作品の中では、外国人で外国舞台というのが気にならないようなら薄い(本当に)ですし、導入にはよいかもしれません。

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スタンレーはバージルシティ警察署の刑事、32歳。
記憶力抜群で、これまでも野生の勘で事件を解決してきました。

受けのロスフィールドは…

1

アレキサンドライト 小説

山藍紫姫子 

凌辱調教の果てに芽生える愛

美貌の受けが拉致監禁され強引に体を奪われ凌辱・調教、ありとあらゆるプレイをされたにもかかわらずいつしか憎んでいたはずの攻めを愛してしまう…というパターンの原点のようでした。
そして、受けの抱える秘密がこの作者のお得意の分野ということで、耽美の女王様の小説を初めて読ませていただく作品としてこれを選びました。

ひとことで感想を言いますと、心身ともに痛くてエロエロでもうおなかいっぱいでした。調教…

3
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