好きな作者さんで、「錆びた夜でも〜」→「はだける怪物(上)」と読んでましたが、下巻は発売後もなかなか読めませんでした。
学生時代の純粋に弓のことが好きだったかんちゃん(林田)が、大切なものを守ろうと一生懸命になりながらボロボロにされていく過程が悲しくて悲しくて…
過去のことだと、今は秀那と出会うことが出来たと分かっていても学生時代のかんちゃんの笑顔が失われたことを思うと辛くて気楽に読めませんでした。
そしていざ読んでみての感想ですが…
泣きそうになりました!林田と弓が苦しみから解放されて本当によかった(泣)
「錆びた夜でも〜」でハッピーエンドを迎えた弓も心の奥でずっと悔やんでいたんですね。林田に何もできなかったこと、笑顔を思い出せなくなったこと。
だから秀那に林田が笑えていることを聞いて安堵できたシーン…ここでまず泣きそうでした!
他の方のレビューで「心理描写が分かりにくかった」というご意見も見られましたが、私はこれで良かったと思います。林田や弓の表情や、無声映画ような過去のシーンから伝わるものがあった気がします。むしろその辺りの受け取りを読者に委ねているのかなと感じました。
再会する2人も見てみたかったですが、2人の過去や傷はそんなことで簡単に解決することではなく、これからも時間をかけて癒していくものだと思います。
私はBLはファンタジーとして読んでいます。
でも最近の作者さんの作品はファンタジーを超えて心に刺さるものがあると「エスケープジャーニー3巻」を読んでも思いました。
林田と秀那、弓と真山、これから喧嘩もしたり男性同士ということで辛いこともあると思います。
でもみんなずっと2人で幸せになれよ!と思えるラストでした。