2巻まで読んでどきどきしながら続刊を待っていましたが、事前に他の方のレビューを読んでいたため英派の私は購入するのに覚悟が必要でした。
義兄弟BLですから、最終的には光と結ばれるのだろうとなと予想はしながらも納得のいく結末を期待していました。
これは好みの問題となるかもしれませんが、自分の主張を押し付ける光に魅力を見出せず、英を含めた二人の人生を壊すほどの酷いことをした動機、それ許してしまう春樹の気持ち、光が許されてしまう倫理観に一切納得や共感ができません、倫理観を持ち出すのは無粋と承知の上です。ただただ、ほだされてしまった感が否めません。
大団円のハッピーエンドを求めているわけではなく、結末が悲しいもの、虚しいもの、救いのないものであっても、登場人物がこの選択をするのも仕方がなかったよな、と思えるような終わり方をしてくれるだろうとカシオさんに期待していただけに、とても残念でした。
吉田ゆうこ先生の作品は、HEARTYや悪玉など、ドラマチックで少し影のあるお話と、かわいらしい絵が好きです。
しかし最近では徐々にそれが薄味になっていくように思えて寂しいです。
今作も、さらりと好きになり、軽い障害があって、突然の別れ、怪我、これまでの作品で見たことのある展開が足早に続き、この二人に必要なことだったのか疑問が残りました。セリフも以前より平凡なものになってしまったような気がします。
それでも、小説のような恋がしたい、という設定にぴったりな純粋な受け、カメラワークなど吉田先生の魅力が詰まっていたのでこちらの評価となりました。
作品が沢山読めるのは嬉しい限りですが、他の方の仰る通り、もう少し絵もお話もゆっくりと描きすすめてほしいと願います。