あまりにも有名な作品なので、今更レビューを書くのも気が引けたのですが何度読み返しても鳥肌が立ちます。
笑吉(受)を手に入れるために己だけでなく周りまでも使う数々の巧妙な手口。
嘘や罠、計画のためなら他人に罪もきせるし、愛している受けにトラウマも植え付けます。
この異常までの福介(攻)の執着に最初は純粋にドキドキしながら読めましたが、ページを進めると徐々に恐怖へ変わっていきました。
こちらの下巻では今まで福介が行った手口が徐々に明らかになり、とうとう笑吉から拒絶されます。
個人的に拒絶されてからの福介がとても魅力的でした。
正直この段階まで「異常な執着」は理解出来ても、本当に福介は笑吉のことが好きなのか疑問に思っていましたが、拒絶後の彼を見て安心しました。
ハッピーエンドなのかなんとも表現しがたい終わり方なので、続きが見たいような気もするし、この作品のエンドとしては完成されているような気もします。
福介自身はハッピーエンドは自力でもぎ取ると言っているので、その姿も見てみたいですね。