いや良かった……読後の満足感と多幸感半端なかったです……
今回は辰見の過去が出てきました。
両親の関係性が子どもの恋愛観に大きく影響を与えるのは確かなことだと思います。
それに加えてフェロモン症というファンタジー設定がある世界線で、起こり得る悲劇。それが辰見の身近で起こり、辰見に大きな傷を与えた。そのことを程良いリアリティで、えぐるように表現されていました。
父親に撫でられて幸せそうな顔をする辰見に、もう涙腺がだめでしたね。
きっとこのときの辰見は、何の疑いもなく、永遠に続く愛を信じていたんだなと思うと……その後の荒れていた辰見を最初に見せられている側の読者からするともう……色々なことを思い出してどんどん切なくなってしまって。もう、もう辰見……あああぁぁ
部屋で小さくなっていた幼い頃の辰見。そして大人になって、同じように部屋で小さくなっている後ろ姿。
体の大きさや、座り方。部屋の内装。全てが変わっても変われていない姿にまた泣けました。
その背中を抱き締める戌井と、こわいけど一緒がいいと言う辰見。
その言葉と決心に胸がいっぱいで……辰見が言うのがいいんですよね。最高カップリングじゃんとオタクは一緒にむせび泣きました。
他にも三十代になった幸せいっぱいの二人の様子や、そんな二人が共に生きていく道が、たっぷり描かれた最高の御本でした。
上下巻で出してくれてありがとう……もっともっと出してくれてもいいんですよ。。
それにしてもすごいですよね。
ドラッグレスセックスという作品の一話完結として描かれたカップリングの将来を、ここまで濃密な作品にできるエンゾウ先生。
エンゾウ先生の脳内に感謝。読みながら本当に幸せな気持ちでございました。
タイトルにつきます。素晴らしかった……
二人の感情の動きや恋していく過程が、これでもかと丁寧に書かれた純度の高いラブストーリーでした。文章がキラキラしてた…
デザイナーでCEO、婚活、プロポーズ、ヘビメタなど……目に入りやすい設定は多いですが、私は二人の日常の描写に惹かれました。
想いってこういう何気ない生活の中で、二人にとっては特別な瞬間を積み重ねて、育まれていくものだよな…なんて柄にもないことを心から思ってしまいます。
また攻めの藤丸レンが……こんな純粋で真っ直ぐな男が世の中にいるのかと…!
温室で育ってきたような男ではないのですが、彼の飾らない、そのままの言葉には心を撃ち抜かれます。
車の中で椿さんに言ったあのセリフ……!読んだ瞬間、一旦本を閉じて放心したあと、部屋中転がり回りました……やられた…
迷ってないでもっと早く読んでおけば良かった…そしたら特典とかも色々あったのにな…悔しくて発狂しそう…
どんな形でも、この二人にまた会えたらとてもとても嬉しいです。
「ピンクとまめしば」を読んだ時、なんてアイドルを描くのが上手な作家さんなんだろうと思った覚えがあります。
今回その作品のスピンオフということで、少し迷っていましたが手にとりました。結果的に言うと最高でした。
ネタバレはなしでいきます。
やはり倉橋先生はアイドルを描くのが上手です。商業BLのアイドルものはかなり読んできましたが、その中でも私的断トツの1位に確定しました。
私は某大手アイドル事務所のおっかけをしていた経験があるのですが、読んでいるとその時のことが走馬灯のように思い出され、あの煌めいていて愛おしくて、でもどこか切なくて苦しい、ヲタ時代の気持ちにさせられました。
その空気感の中に、素晴らしい二人のカップリングが絡んでくるものですかがら、もう最高の一言です。
二人の好きという気持ちだけでは整理出来ない葛藤、でもそれを超える愛情、デビューを巡る様々な人の心の動き。アイドルもののおいしいところが全て描かれています。
そしてクライマックス——コンサートでの二人のあれ!
元ヲタとしてのわかりみと高まりと感動で一旦本を閉じて叫びたくなりました。
抽象的なことばかりペラペラ語っておりますが、アイドルものが好きな方は一見の価値ありと思います。
攻めの子はかっこよくて可愛く、受けの子はかわいくてかっこいいです。キャラ的にも最高です。
読み終わってから気づいたのですが、このシリーズ続くのですね…!もう嬉しすぎて今から続編が待ち遠しいです。今後とも応援しております!
近所の本屋でフラゲしてしまい、我慢出来ず昨夜読みました。
そしたら一日中、福介の顔が頭から離れませんでした。まだ離れません。完全に世界に飲まれてしまった……
今までレビューを書いたことはなかったのですが、もう書かずにはいられなくて、ここに来ました。
ネタバレはせず、短めにサクッと書きます。
私は全商業BLの中でこの「カラーレシピ」という作品が一番好きです。
前作の段階で、後編は重たいものになるだろうと予想していたので、期待と共に相応の覚悟をして読み始めたのですが、甘かったです。私なんかの覚悟なんて何の役にも立たなかった。
読み進めるにつれてドロリとした沼に足元から埋まっていく感じです。話の展開や登場人物の想い、思惑などに取り込まれていくようで、ページをめくるのが怖くなりました。
そして気づいたら号泣。自分でびっくり。
しょーくんが可哀相過ぎて、でも福介も可哀相で。
いや福介が可哀相な訳ないんですよ。完全にイッちゃってるのは福介の方だし悪いのは200%福介ですから。
でも福介に心を奪われてしまうんですよね。
利己的で突き抜けてるイカれたサイコ野郎の、唯一嘘じゃないのは、しょーくんへの気持ちなんです。それを感じるんですよ。ここがすごく心が痛い。辛い。でも滾るし泣ける。
言葉も行動も嘘だらけだけどそこだけは嘘じゃない。執着だけじゃない福介なりの純粋な恋心があると私は思います。
はらだ先生は本当にすごいです。
どうやったらこんなキャラクターたちの心象をここまで描けるんでしょうか。ほんと天才としか言いようがないです。
まだ頭が混乱しているのですが、これだけは言いたい!!!
私は続編を期待しています。
この先の二人を、先生がどう描くのか絶対見てみたいです。
本当にお願いします……いつまででも待ってる……
もうこの二人から離れられないんです。
何なんだろうこの吸引力は。
BL!萌え!と気楽に叫べるような作品では勿論ありませんが、評価は迷わず「神」とさせていただきました。
この作品を神と呼ばずして何と呼べば!!
本当にすごい作品です。
続編待ってます!!!!!