まずはみずかね先生の挿絵、凄く繊細で美しいです。着物の柄はもちろん背景や尻尾の先のふさふさまで丁寧に表現されています。そして子猫姿の獣人「篝丸」がもう可愛い。篝丸もきちんと着物を着ています。今回は攻め様に耳と尻尾があり、なんとユキヒョウです。イケメンです(笑)
受けが川に落ち、現実世界から異世界へ行きます。そこで攻めに保護されて一緒に暮らすことになります。この保護されるまでのシーンが結構エロい。様々な獣人たちに立夏が襲われかけます。
攻め様は終始スパダリ。ちょっとずれている所もあって可愛い。受けはピュアな童貞です。お話は定番・王道の異世界ものですが、尻尾のプレイだったり獣姦があったりと色々楽しめました。尻尾をもふもふしたり、挿入したりしてエロくて気持ちよさそうでした(笑)
そして「篝丸」の登場。受けの立夏が母親役をするのですが甘えて来たり、着物の中に入ったりして本当に可愛い。最後、立派になるのですがそれに寂しさを覚えたほどです。鳥谷先生は本当にこういう脇役の獣を書かれるのが上手な方だと思います。一番キュンキュンしたかもしれません。
お話は途中切ない展開もあるのですが、最初から甘い雰囲気が漂っています。童貞看板が消えた時はおめでとうと言いそうになりました。とにかく楽しめるエンタメもふもふ異世界BLです。猫好き、豹好きの方におすすめします。
ぼすこ先生のイラスト目当て。SHY文庫の新人さんみたいなので期待していなかったのですが、買って正解でした。冒頭から医療ドラマのようなオペシーン、淡々とした文章なのですが読ませます。ぐいぐい引き込まれました。受けの春馬は外科医だったお父さんの自殺の真相を確かめるため大学病院に来ます。そこで攻めである天才外科医の玉川と出会い徐々に近づいていくのですが、後にあっと驚く展開が待ち受けています。
ネタバレですが、中盤のお父さんの手紙のシーンは号泣してしまいました。これ、ほんとにすごいです。鳥肌が立ちました。ここでタイトルの意味が分かるのですがそれがまたすごくて。長い年月を越えて親子の恋愛がリンクしているのです。
受けの春馬は真面目で芯のあるキャラ、それに対して玉川は俺様のようでピュアな所もある絶妙なキャラでした。言動がかわいかったりしてクスッと笑えます。二人の恋愛は大人なのにとても純粋で感動しました。キスだけで結構長~くじらされるのですが最後のえっちシーンは心理描写がちゃんとあってエロも濃くてすごくよかったです。ラストのお花の青のエピソードもウルっときて、内容はシリアスでしたが読後感はよかった。
途中、医療事故や大学病院の派閥争い、事件っぽい危機もあってお話がスピーディーに進むので小説としても面白かったのですが、欲を言えば後日談のようなSSが欲しかったです。その後の二人の甘い所をもっと見たかった。イチャラブがもっとほしい。
次の作品も期待させるような実力のある作家さんだと思います。ちょっとリアル寄りかな?骨太の医療系BLを読みたい方におすすめします。