三冊で完結している続刊ものですが、私は1巻目が一番好きです。
本当にただの気まぐれでちるちるを開いて、気まぐれで小説のランキングを覗き、この作品の2巻目が目に入り、あらすじを読んだ途端に柄にもなく衝動的に全巻買ってしまいました。全てはこの一冊に出会うためだったのではないかとか思ってしまうほど、気まぐれの積み重ねで購入に至りました(笑)。
読み始めるとグイグイと話に引き込まれ、砂原先生の圧倒的な表現力で静良井の心にスッと入っていけたような不思議な感覚でした。静良井の住む町の情景といい、カナリーの雰囲気といい、中上の人格といい、なんか全てがすごく懐かしく感じられるような文章で書かれた、いい意味で独特な雰囲気の物語です。読んでいる最中のあの不思議な感覚を表せるほど自分に語彙力がないのが残念です(笑)。
ストーリーもとてもしっかりとしていて、常に先が気になり率直に面白かったです。1巻目では、Mであろう中上の気持ちを考えると本当に泣けてきました。
とにかく、めちゃくちゃ好きでした。この作品を完読してから私はbl小説にハマり、色んな小説を買っては首をひねっています。多分、この作品(の特に1巻目)のように好きになる作品にはもう出会うことはないんじゃないかな、と思います。今はまだ実家暮らしなので電子書籍しか購入できていませんが、いずれは紙の書籍を買いたいです。
まず最初に、絵がとっても綺麗で十和田の美しさがもう…最高。
作中では過去の描写と現在の描写がイマイチ分かりづらくて混乱しましたが、絵の綺麗さと登場人物の感情表現の上手さが抜群なのであまり気になりませんでした。
とにかくyoshi先生、感情の揺れというか、そういう細かい描写がとても上手い!!ページ数が多いわけではないのに、谷と十和田が共に時を過ごすにつれ少しずつお互いに惹かれていくのがとっても伝わってきました。
そして最後がやはりyoshi先生の力量の見せ所だったのでは?
なんだかんだでやっとハッピーエンドに向かえるかもしれないと思った矢先に、まさかの展開。
最後の病院での場面は本当に苦しかったです。医者が十和田に話した事とか、「致命的な病気なんだ」という具体的な言葉は使わずに、ただただ二人の表情と行動から、十和田にはもう時間がない、という事実がひしひしと伝わってきて。
必死に平常心を取り繕おうと冗談を言ったり退院後の話を振ったりする谷と、初めて涙を見せる十和田が辛いです。
やっと二人の気持ちが完璧に通い合ったのに、残り少ない時間がそれまで積み上げてきたもの全てを奪って行く感じが悲しくて。
本当の自分をさらけ出せる相手を見つけ、小さな幸せを見つけられたと思ったらその先の幸せを掴めずに亡くなってしまうのだと知ってしまった十和田の涙に泣けました。
作品通してどこか切なく儚い空気が漂っていたのですが、最後の最後で ああ、これは十和田と過ごした時を振り返る谷の心境だったんだな、と思いました。
というポエミーなことを書き殴ってしまうくらい、登場人物の感情や心境の描写が上手いのです!!
原作の小説 (アンソロジー涙BL) も読んでみたのですが、やはり阿賀直己先生の文章もすごく美しかったです。(そして本当に十和田が死んでしまうということが信じられなかった私は現実を突きつけられました)
とにかく、お二人の作品は最高でした!何度も読み返しています。
表紙は題名の印象とは違い、実際の話はもっと切なくて清らか(?)な感じでした。受けの真が可愛らしくてとても感情移入がしやすく、幸せになることを願いながら読める作品です。
絵柄も超綺麗で、設定や雰囲気、登場人物にすごく惹かれました。
ただ神評価に出来なかった理由は、少しあやふやになっている所が多かったからです。なぜ真は今の環境に置かれているのかはともかく、攻めの斗真がなぜ真をレイプしたのか、なぜ関わるなと言った後にキスしたのか、キスしたのになぜ真から告白したら「気持ち悪い」と拒絶したのか、なぜ最終的に斗真は真を好きになったのか、もっと詳しく知りたかったです。
というわけで、私は続編を出して欲しいのです!!!!色々と掘り下げて頂いて、二人が少なくとも二人で過ごしている時には幸せそうにしているところをもっとたくさん見せて頂きたいです!あと、やはりどちらも自身の家族と納得いくほど向き合えたら良いな、と思います。もちろん決まって上手くいくわけではないんですがね…やはり二人には真に幸せになって欲しいです。
まあ続編の話は置いておいて、ストーリーが未熟(と言ったら偉そうなんですが…)な部分がありますが読む価値は絶対にあるのでおすすめです!
一つのコミックに多数の作品が収録されていると、表題作に他の作品がかなり劣っているな〜と感じてしまう時があるのですが、この漫画はそうではなく、一つ一つの話が魅力的でした。
「花くずし」はとても儚げな雰囲気が描かれていて、沙也可の下忍としての生活や過去が切なくて、だからこそ最後のシーンが感慨深かったですね。紫と緑葉の関係も愛おしくて、もっとたくさん読ませて!と物足りなくなってしまいました 笑
そんな表題作はもちろん、「花丸つけてね」もとても気に入っています!なんか受けが30路にも関わらず可愛らしかったので。結末もグッド!
一つ欠点(?)を挙げると花くずしをもう少し掘り下げて欲しかったな〜ということです。どういう風に?と聞かれるとはっきり答えられないのですが、特に新之介という人物(考え方や感じ方、身の上など)をもう少し描いて欲しかったです。
それ以外は本当にとても満足のいく作品で、度々読み返したくなると思います。
元から森世先生の大ファンなのですが、この作品を読んで改めて好きだな〜と実感しました。
作品のテーマは、斗和と双子の愛司と誠司の歪な三角関係。私は三角関係や3Pなどあまり好きではなく、最初はこの作品を読むことを躊躇ってしまったのですが森世先生の作品だからと読んでみたら、、、、何度読み返しても足りないくらい好きになってしまいました。
主要人物は三人とも魅力的ですし、それぞれ人間らしく足掻く様子が感動的でした。
愛司と誠司も外見はそっくりな双子なのに、実はアルファとオメガということや過去にあった出来事のこともあり、心の底の根本的な部分やそれぞれの行動の動機が少し違う気がして。読んでいて何だかとても面白かったです。
特に、最後の部分で『あいとまこと』タイトルの意味が分かった気がしてうわぁ〜となりました。
斗和との出会いを通して愛を(再)発見出来た愛司と、過去のしがらみを乗り越えて今まで抑えてきた『誠』の自分を表に出すことが叶った誠司。そんな意味が込められたタイトルなのかな〜、と思います。
終わりはみんな仲良くハッピーエンドで終わったので嬉しかったです。愛司と誠司が内心を打ち明け、どこか吹っ切れた感じがするところも。今まで必死に愛司に似せてきた外見を変えた誠司も。
これからも三人で幸せに日常を送って行くんだろうな〜と勘ぐる事が出来る安心感が高い終わり方でした。(でも続編期待してますあと出来れば斗和と誠司にくっついて愛司には他の大事な人が出来てほしいです(ブツブツ))
元々は陵辱や過激なプレイを読みたくて選んだ作品でしたが、木原先生の力量でとても引き込まれやすく、かつ登場人物の心情の変化などがとても上手く伝わってきてとてもストーリーも面白かったです。
本は三部に分かれていて、ⅠとⅡは性悪の受けファウジが愛のない過激な行為強いられる場面がメインでとてもドロドロしている感じです。
読む人をとても選ぶと思います。
その時点では救いや萌えがあるなんて思ってもいなかったのですが、Ⅲからは何気に萌えましたし、受けのファウジもやっと少し好きになれました。
受けが性奴隷だったころ世話係で恋仲(?)だった攻めのハッサンが、一度アメリカへ渡ったのにもかかわらず受けのことを忘れられずにトメニスタンへ戻るところから始まる感じです。
娼館で働くファウジを見つける攻め。自分のことが別に好きではなかったのだ、忘れてしまったのだと諦めるハッサンですが、ファウジの目が見えないと聞き、名前を偽り喋れないふりをしてその娼館で働くようになります。
そうして少しずつファウジがそこで働く本当の理由を知ることとなります。それがなんと、お金を貯めてアメリカにいるハッサンに会いに行くため。相変わらず過激な行為に駆り出され、仕事仲間からの嫌がらせに耐えながらも攻めに会うことを切望するファウジが、なんだかとても健気で一途に見えてしまいました。
最後、ファウジは『アリー』(ハッサンの偽名) にパスポートを作ってもらい、アメリカへ渡らせてくれと願いますが、ハッサンはイギリスへ行くと頑なにそのねだりを拒みます。ハッサンに会うためにそんな『アリー』を殺そうとして失敗するファウジですが、そこでやっと漏れたハッサンへの愛がとても印象的でした。
失明した自分に唯一できる仕事をしようと娼館での劣悪な環境に耐え、殺人まで犯し、自分のことを覚えている確証もないハッサンにそれでもと会う覚悟があったファウジに、最終的には惹かれてしまいました、私。
そして、最終的には結ばれたこの二人をなんだかんだ全力で祝福してしまいました。
この作品、ストーリー的には王道なんです!過去のしがらみでアルファが嫌いになったオメガと、オメガが嫌いになったアルファが色々あった後に惹かれあい付き合う、って。
でも、キャラの性格や生い立ちがオメガバースにしてはとても個性的で、王道な展開になるんだろうなと分かっていても本当に読んでいると面白くて。受け攻め両方とも (特に受けの烏丸) が魅力的すぎて、何度も何度も気が向く度に読み返しています。
アルファを嫌いながらも自身の身体を使って会社内の高い地位までのし上がって来た烏丸。でも本当はオメガや性欲の捌け口ではなく一人の人間として見て欲しくて、そんなセックス三昧な毎日に自ら溺れながらも心のどこかでは助け(?)を求めていたんじゃないかな、と思いました。そしてそんな彼に最終的に手を差し伸べて、自分を大事にしろと言ってあげたのが攻めなんで、もうとにかく自分の解釈ですが萌えました。
とにかく楔ケリ先生は感情表現が上手いというか、二人の気持ちや特に烏丸の過去がとても上手く表現されていて分かりやすいです。そしてだからこそ、両方にどうしても幸せになってほしいって応援しながら読めます。
座裏屋先生の作品だったのでどちらかというとエロ目当てだったのですが…。
なんというか、とても綺麗で感動的な話でした。
愛し甘やかしていた元彼のレンに裏切られ、彼への憎しみをアラタに向けるマキの表情、そして酷い仕打ちに必死に耐えるアラタの健気さが本当に切なくて、二人とも早く報われてほしいなと思いました。
家庭的で一途なアラタにマキが少しずつほだされていく描写が素晴らしかったです。刷り込みを解除する前の会話や、半年ぶりに再会しても尚お互いへの気持ちは変わっていなかったことに号泣。
途中まで色々と張り詰めた空気だったので最後の安心感は凄まじく、幸せになれた二人に本当に感動しました。
心理描写はとても細かく分かりやすく、攻め受け両方とも魅力的な人物でストーリーにも文句なし。とにかく綺麗にまとまっているというか、読んだ後の満足感は半端ないです。