三千世界の鴉を殺しさんのマイページ

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頭の偏差値を3くらいにすると楽しめる美麗な触手エロ

志木見ビビ先生の前作「服従と甘噛み」が面白かったので今作もポチってしまいましたが、この作品は物語的にあまり大きな盛り上がりもなく心情描写も少なく、要するにただのエロ漫画です。

BLを読むぞ!というテンションで読んでしまうと内容の残念感がすごいので、脳内の偏差値を3くらいに落とすと楽しめる作品になってます。

ファンタジー、金髪美少年受け、黒髪攻め、触手、身分差、エロ
上記のような設定やシチュエーションが好きで、触手がでてくる綺麗めなエロが読みたい人にはオススメです。

逆に、両思いになるまでの丁寧な描写を求めている方やストーリー重視の方には向きません。

ストーリーを抜きにしても気になった点としては、主人公の喋り口調が現代的なためにせっかくの身分差という設定が活かしきれていないように感じるところです。

総合的に、何かが惜しくて萌2までいかないくらいの感じでした。
次回作にはあまり期待できないけれど、今後あと何作品か出てきて評価が高いものが出てきたら買ってみようかなと思います。

10DANCE 4 コミック

井上佐藤 

受け攻め問題についての考察と結果

4巻では2人とも恋する気持ちが全面に出ているし、
恋人同士の様なキスをした後であったので、
そろそろ受け攻めが判明する手がかりはないかと探しながら1巻から通して読み込んでみました。(非常に楽しい時間でした)

以下は、
①鈴木が受け
②杉木が受け
③リバ
と仮定してシリーズを通して読んでみた考察と結果です。


①鈴木が受け
鈴木は15話で本気のキスをしてしまってことが杉木との関係を変えることになってしまわないか悩んで不安になったり、
かと思えば杉木に「僕は----あなたが欲しい」と言われて素直に顔を赤らめて「嬉し...」と心の中で思ったり、
内面においての可愛さや乙女っぽさがあります。
また、3巻でお互いの共通点を見つけて喜ぶところは女性的でした。
共感性を求めるのは女性の方ですから。

杉木は共通点を喜ぶ人の気持ちがよく理解出来ない普通の男性です。
また、杉木はというとプライベートでどんなことがあろうとケロっとした顔で平然としていられる切り替えが上手なタイプです。
この気持ちの切り替えが訓練なしに直ぐに出来るのはどちらかといえば女性ですが、杉木は訓練することで出来るようになった男ですので、少なくとも鈴木よりは女性的ではないことが伺えます。

精神面で女性的、つまり(BL界の)一般的に受け寄りと言えるのは鈴木であると思われます。


②杉木が受け
性の意識の違いは以前から分かっていましたが、
鈴木の方が保守的であるがゆえに相手により踏み込むことを恐れているというのが分かる箇所が出てきます。

キューバで「男は男らしく」と育てられてきた鈴木は、杉木に関する性の願望も攻めの方であると思います。
鈴木がアキにタンゴの説明をする22話でも、杉木の言葉を反芻しながら「繋がってる部位から」「注ぎ込む」という言葉に恍惚としている場面があります。
特装版の描き下ろしでも「ブチ込みて-----!」と心の中で叫んでいますし、
男は男らしく、自分が男役の立場でしか考えられないのでしょう。
「俺が本気になったらアンタどころの肉食じゃない」発言にもある通り、男らしい野性味も持っている。

対する杉木はそういった具体的な役割はあまり意識していないと思われます。
3巻のこわエロい人モードの時にスラスラ出てきたセリフで
「観念しなよ 今すぐ突っ込まれたくて堪らないって顔に書いてある」というのがあります。
これはラテンのリーダーという役目を与えられて言葉で出てきたわけですが、
行動においては相手に入れたい!という性的欲求の表現は今の所ありません。
よって鈴木の方が性での男役に固執していると思われます。


③リバ
上記をふまえてもリバの可能性は大いにあり得ます。
精神的に女性的な鈴木と男性的な杉木、
性的には保守的な鈴木と寛容的な杉木。
ラテンとスタンダードでリーダーとフォローが変わるように、
今後性的な表現が出てきても流動的な関係になるかもしれません。


今回の考察を踏まえた結果としては、
③リバ
になっていくのではないかという可能性に一票かけてみたいと思っています。

これは鈴木が、アルに刺激をもらってことでダンスにおいてリミッターを外すという伏線があるためです。
リミッターというのは鈴木にとって、
妹の学費の為に賞金が良い国内だけのダンサーであろうとすることや
点がもらえる型にはめた競技ダンスをすることです。
鈴木がダンサーとしてリミッターを外すというのは、すなわち心のリミッターを外すことで、杉木へのアプローチもストレートになってくるでしょう。
環境的要因である男性優位のキューバ文化を無理に尊重することもなく、
男役に固執することもなくなった鈴木と、元々性にリベラルな考えを持った杉木が関係を発展させることになれば、
それこそダンスの時のようにリバーシブルな関係を楽しむことが出来るのではないでしょうか。

このような自己満足に最後までお付き合い下さった方に感謝いたします。