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女性かん衛門さん

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想いの強さが未来を変える

死んでしまった元恋人を死なせないために、四年前にタイムリープする主人公(受)。
だけど、戻ってきたその日は、その恋人から別れ話を切り出された当日だった!

元恋人が死んでしまう未来を変えるために、なりふり構わず貴文は頑張ります。周りからも性格が変わった?と驚かれるほどに一生懸命に。
やり直したい過去があったとして、人はそこまで選択を、行動を変えることが出来るでしょうか?私は、難しいと思っています。たった一つの選択を変えたからといって未来は大きくは変わらない。他の要因と相まって、結局今と同じ未来へつながっていく……そう思っているので、貴文の行動力には驚きました。
おそらく、彼にとって湯峰の死を回避したいのはもちろん、ずっと湯峰との別れが心の重しになっていた。だから、あれほど必死になれたのだと思います。

タイムリープものは元々好きなのですが、この本はその中でも上位に入る好きな作品になりました。タイムリープものが好きな方は、絶対に後悔しない物語だと思います。是非読んでいただきたいです!

静かだけど温かな物語

作者様の作品を全て読んでいるわけではありませんが、私は今のところ「セカンドクライ」が一番好きです。

作中、大きな事件は特段無いんです。敢えて言うなら、攻めのお兄さんの死。
その一番大きな出来事は既に起こっており、お兄さんの葬儀から話が始まります。
攻めはお兄さんの遺言によって、一人の青年と同居生活をスタートさせます。
”普通の生活”を送るうちに、孤独だった二人の心が少しずつ開かれ、惹かれ合っていく……とても静かで美しい、そしてぬくもりのある物語でした。

慧の想いは恋愛なのかな?と途中疑問はありましたが、彼が初めての夜に泣きそうな顔で言うセリフがその疑問を打ち消しました。
心が温かくなる、幸せな一冊だと思います。

こんな奴隷あり?!

オークションの売れ残り奴隷を仕方なく2円で落札した闇オークションの雇われオーナー。
落札したとはいえ、さっさと解放するつもりでいたのに、何故かその奴隷に懐かれて、果てはセックス相手(攻)も務めると言い出され、家に押しかけられて……

闇を抱えつつも、外面はめちゃめちゃ明るく人懐っこいガタイのいい大型犬なお兄ちゃんが、オークションにかけられ落札されている時点で、BLでよく見る闇オークションではない?と笑ってしまいました。
シリアスよりもギャグ寄りな感じで軽く読めるのですが、読み返せば読み返すほどに、そのコミカルさの裏にある誠実の執着や光太郎の寂しさが伝わってきて、この二人は互いを救い合って、互いに救われているんだと思いました。
年上の光太郎がイかされるところはとてもエロいですし、欲望露な誠実の表情も雄っぽくて最高です。満足できる一冊だと思います。

確かに読む人を選ぶかもしれない

【ディーン】
性的興奮と暴力が結びついているコトは、一生好きな人を作らずにいるつもりだった。けれど、密かに想いを寄せていたソノから告白されてしまう。ソノに暴力を振るわないように、コトはソノに抱かれることを選ぶが……

【クラスメイト】
いじめが性加害へ(救い無し)

【ハレの日】
ゲイの父親が息子もゲイであると気付く。父と息子の家族愛がメイン。

【アイ、セイ】
アプリで知り合ったアイと爛れた関係を続けるうちに本気になって……

人格を疑われそうですが、「クラスメイト」含め4作品全て私の性癖ストライクでした。
4作品共に世間一般的には”普通でない人”に焦点を当てた物語です。
読む人、読むタイミング等を選ぶと思いますが、この本に惹かれた方、気になる方は読んで損のない一冊だと思います。迷うなら是非、読んでいただきたいです。

萌×2に評価を変更したい

最初に一読して評価を付けたのですが、その後、時間が経てば経つほどに自分の中で評価が上がっていった作品です。
作中で起こる事件自体に目新しさは無く、犯人も動機も想像の範囲内といえると思います。
ただ、不器用な男(特に受の辻)が、読了後どんどん愛おしくなってくるんです。ツンデレというか……デレてはいないのですが、愛を知らない辻が二人の男(財津と菊池)に愛されて恍惚の淵で涙する姿に、読んでいて心が震えました。
甘すぎない関係なのに、三人でのセックスは何故かとても甘く思えます。エロさもしっかりあるので、是非読んでいただきたい作品です。

この物語に何を求めていたのか?

この最終巻の評価をどうするか、ずっと迷っていました。
壮大な物語をハッピーエンドに纏め切ったこと、ノア・テメレア・雄一郎が互いに絆を強め夫婦であると共に家族に成ること、とても素敵で温かな物語でした。満足です。

その一方で、葵やエドアルドについて、どこか中途半端な気がしています。ノア+テメレア×雄一郎のBLとして読むのなら、どうでもいいのかもしれませんが……
私は異世界戦争ものとしての重厚さを求めてしまったのかもしれません。
それから、正直に言うと、ゴート×雄一郎の話にもモヤッとしてしまったんです。ゴートとの過ちがあった後、どちらも失いたくないと言う雄一郎に釈然としませんでした。それに、IF、つまり『もしかしたら、ゴートとセックスしていた未来があるかも』ということですよね……ということは、そうじゃない未来=ナナシくんが存在しない未来もあるということになります。なんというか、IFという免罪符で、ナナシくんの存在が曖昧になるのは……と。IFにせず、雄一郎には「お前らみんな愛してやる!」と胸を張って欲しかったのかもしれません。全て私の勝手な期待で神評価を付けることが出来ませんでした。ごめんなさい。

鍛え抜かれた強面の(しかも年上)受けが、長髪美形や年下王の攻めに喘ぎ乱れるところは、3冊通してどのシーンもとてもエロくて最高に楽しかったです。
全体としては満足できる作品でしたし、結局何度も読み返しているので作者様の書かれる世界観や萌えは好きなのだと思います。次作も叶うなら拝読させていただこうと思っています。

CANIS-THE SPEAKER- 4 コミック

ZAKK 

お見事です!

ずっと続きが気になっていた作品の最終巻。
どんな結末が彼らに待ち受けているのか、ドキドキしながら読みました。
……良かったです。色々なものを犠牲にしてきた三人が、幸せな未来に辿り着けたことが本当に嬉しく安堵しました。穏やか、とは言い難い未来かもしれませんが、この先三人が一緒なら大丈夫だと思えます。三人にが共に望んだのは、三人で一緒にいることなんだと納得させられるのは、ここまで三人の心情を一コマ一コマの絵に刻みつけ、読者に伝えてきたからだと思います。
本当に読み応えのある素敵な物語でした。完結おめでとうございます。最後まで彼らを追うことができて幸せです。ありがとうございました!

番外編集と侮るなかれ!

この一冊に『美しい彼』の、ひらきよの魅力がギュッと詰まってます!
そうそう、こういう二人が好きなんです!二人の何てことのない日常を見たかったんです!!
平良のキモいところ、清居のツンなところ、そんな二人が不器用に互いを求めるところ、全てが尊いです。二人に幸福あれ、エターナル!

書き下ろしもありますが、過去の特典やフェア冊子に掲載された作品が纏められた一冊です。本として纏めて出版していただけて、本当に嬉しいです!ありがとうございます。読み逃したもの・入手出来なかったもの等、本という形になったからこそ読むことが出来たお話が沢山あります。本当にありがとうございました!

面白い本、見つけた!

社畜サラリーマンの近藤が聖女召喚に巻き込まれて異世界へ転移!
異世界でも働くことを選んだ近藤は王宮経理課に配属され仕事に励んでいたが、魔力に耐性がないため倒れてしまう。偶然居合わせた騎士団長アレシュに助けられるものの、死を回避するためには更にセックスする必要があって……

一時期Ⅹでこちらが何度も広告表示され、絵が綺麗だったことから何となく1話を試読。興味を惹かれて購入したのですが、その期待を裏切らない作品でした。
二人の関係がどうなるのか分からないドキドキ、それに加えて、転移した先の異世界について近藤と共に知っていくことで好奇心を刺激される面白さ、仕事ハウツー本のような側面もあります。BLとしても、異世界転移本としても楽しめる作品だと思います。

全く互いに恋愛感情が無い(ように見える)二人が、これからどういうふうに恋愛感情を抱き、互いの距離を近づけていくのか、楽しみに見守りたいと思います。

期待を裏切らない2巻

好きです。
この世界の壊れかけている登場人物たち全てが愛おしい。
壊れかけてるのに、崖から落ちかけているのに、そのギリギリのところで壊れまいと足掻き、崖っぷちを掴む手を離せないでいる彼らがとても美しい。
彼らだけじゃなく、今回はイヴリースの歪さ・不完全さが垣間見えたのが興味深かったです。
あと、男同士で子供が成せるなら、女性同士でも不思議はないですよね。(百合に耐性がないので、詳細な描写が無いことに正直安堵しました。)

2巻では本物の「女神」を名乗る人物が登場します。雄一郎と同じ日本人の女子高校生です。
この子の壊れ具合が……目覚めたら異世界で、しかも見ず知らずの王の子を産めって言われたら……まぁ、壊れるよね。
壊れない雄一郎が稀有なのか、それとも雄一郎は元々壊れていたのか。
登場人物全てがどこか歪で、破滅願望があるというか壊れかけている、そのアンバランスさを描く心理描写が最高に私の好みなシリーズです。

エロも相変わらず素敵です。
雄一郎の短めの喘ぎ声がエロくて、場面もがっつり描かれています。
1巻に比べると雄一郎が二人に抱かれた際の感じ方が変わってきているのがまた堪りません。早々にシャグリラの実の効果出て、孕むのではとドキドキしてしまいます。

ノアとテメレアの関係もいい感じに改善されているようですし、雄一郎も二人に心を開き始めている感じもあるので、このままハッピーエンドへ……と思うものの、ゴドーやもう一人の女神・葵、ノアの兄・エドアルドの動向も物語に影を落とし始めています。
この壊れかけた登場人物だらけの物語が行きつく先を最後までどうか読ませていただきたいと願っています。