エンゾウさんの今までの作品がすきで、アヘ顔はちょっと……という方にはおすすめできないです。
エンゾウさんの作品はすべて持っていて、どのキャラもかわいげもあり雄みもあるので大好きなのですが、今回はそのいいところと性癖が私には合わなかったので±0といった印象でした。
性癖は人それぞれなのでこればかりはどうしようもないですが、レーベルのエロ度もあって、「エンゾウさんの濃厚なエロが読める!」と期待していただけに、キャラがいつもどおりよかっただけに、私的には一番重要視するエロが萌えなかったというのがイタかったです…。
商業BL好きでアヘ顔好きってそんなに層が厚いのかな?と不思議に思った一冊でした。
2巻同時発売、というのがどうしてなんだろうな、と思いつつ買いましたが、読み進めて納得でした。なるほど~、きっと3巻の表紙は彼かな、みたいな…。
義兄弟モノのよさをどこに感じられるかによって、この作品は読んだほうがいいかそうでないかが違ってきます。
義兄弟という関係に伴ってくる背徳感、重さ、虐げられる受に萌えられつつ、そんな受を誰かが救ってくれるハッピーエンドを望んでいるような人向けだと思います。
(続巻なので、結末はまだわかりませんが、ただただ暗い、重い、救いのない話を求めている人向けではないような感じを受けました)
とにかく2巻まで読みすすめてもらって、そのあと続きが読みたいと思うか、そうでないかは分かれる作品だと思います。
私は3巻を早く読みたいです。続きがとても気になります。
結末によって評価は変わると思うので、まだこの時点では★3とさせてもらいました。
1P1P繊細なタッチで丁寧に描かれる作家さんです。
表情の作り方とかもすごくかわくて、じっくり読ませてくれる画力を持っています。
ストーリーも王道ながら、きっちりエロのフェチ性をくすぐりつつ、キャラの心情が少しずつ変わっていくさまを描写してくれます。
健気受が大好物なので、終始受のキャラの健気さ、その無自覚さには萌えていましたが、個人的に心を揺り動かされたのは、攻が恋をした瞬間を垣間見れたようなシーンでした。
コミックスまるまる1冊分丁寧に描いてくれたことに感謝したくなる、とてもいい一冊でした。
あと、書店特典のリーフレットの完成度がすごかったです。
ふつう、特典の漫画は1~2Pで、しかもその短いページ数で萌えるものってそうそう出会えないんですが、こちらの特典はどれもしっかりきゅんとさせてくれるもので、「この二人のこの先がもっと読みたい」と思わせてくれるものでした。Twitterなどでその後のイラストをあげられたりしていますが、そのイラストから伝わってくるものも素敵でした。
この本はこれでうまくまとまっていますが、この後の二人もぜひ読みたいと思わせる特典や単行本分の描き下ろしを読んで、ますます続編が出てくれたらいいなと思いました。
最近あまりピンとくる作家さんがいなかったので、想像以上にいい作家さんが出てきてくれたな~と思います!