9作品収録のアンソロジー。
以下、収録順にざっと。(作者様敬称略)
「キライ、キライ。キライ?」犬神スケキヨ
女と別れたから、と転がり込んできた先輩にちょっかい出されて、イヤなのに拒めない…!
Hは昼間っから植え込みに隠れて。露出とはちょっと違うような。
「ドキドキ★お祭りランデブー」山野でこ
「日常xBL」アンソロにもいた藤一朗と蓮。初めてのお祭り浴衣デートで、皆が花火を見ている間にドキドキの野外H。
「引き摺り下ろして手を牽いて」桐式トキコ
過去のゲイビをネタに関係を迫ってくる高校生を拒否できずに…。ファミレスの奥のボックス席で好き放題ヤられる!
「33mmの秘密」菊の助
ルームシェアしている同じ美大に通う親友に恋してる華月。だがその気持ちはバレていた…!露出は、強要されるヌードモデルシーン。
裏切りの苦い感情が残るエンディング。
「新歓Xゲーム」恭屋鮎美
スポーツクラブの水泳コーチ同士。
タイム対決の罰ゲームはスクール水着での撮影だけのはずだったのに…!
完全レイプなのにちょっとポッとなるの解せん。
「おれの好きな先輩」さり
DK同士。大好きな先輩と両想いになって嬉しいけど、先輩はいつも肌を出す服を着たりすぐ脱いだりして、アワアワしたりイヤな気持ちになってしまう…
誤解が解けて河原での野外H。
「ひみつの目撃者」花本アリ
自室の窓から隣の家の男がオナニーしてるのが丸見えで困ってる浅野。まただ…と思ってるうちにムラムラしてくるが、友人のゼミ仲間の篠田がその隣人で!
勿論わざと見せてたんですよ。
「おれたちパンティ〜ボ〜イズ♪」ときめき大殺界
女性ものの下着を収集してる事を知られて、友達のつよしに女装ランパブのバイトに誘われたコウジ。一緒に頑張ってたら新店舗の面接に呼ばれ…
これヤバすぎ。ホントに面接〜?
「サマー・ガーデン・ビーチ」浅井西
夏休み、変わっていく体を持て余して誰もいない庭でノーパン日光浴をする中学生の将太だが、空き家だと思った家に今年は東京から大学生の圭介が来ていて…
圭介の祖父の家は本がいっぱい。
マンガしか知らない、田舎しか知らない、大学生を知らない、そんな将太のひと夏の大人のレッスン…
テーマの「露出」がどうも半端だったというか、もっと色んな解釈があると思うんだけど、野外Hが多かった印象。
ラストの浅井西先生作品が良かったです。が、中学生か…。総合は「萌」で。
由元先生といえばオジもの、そしてホラー。
本作はこのホラー系…かと思ったら、怖くはなくて意外なほのぼのさを感じました。
主人公は、朔。
よく言えば素直。悪く言えば危機感ナシのチョロ男くん。
友だちに勧められるヘンなグッズを疑いなく貰って、言われるがまま身に付けたり部屋に置いたり。
で、ヘンな目にあう。
そこを助けてくれるのが、ツノのある男。そう、悪魔です。
どう考えてもこの「友だち」はおかしいのに気付かず、悪魔からはカラダをいいようにされ、この人大丈夫かな?というコミカルな味。
とはいえ、いつもの由元先生らしくヌル〜ッとした気持ち悪さがゾクっとくる感覚です。
後半、朔と悪魔が昔出会ってた事が明かされたり、悪魔が結構誠実(?)だったりで、意外とカワイイお話に着地する感じ。
エロもヌル〜ッとしてます。「萌x2」で。
元々1997年発表の山田ユギ先生の初期短編集。カバー描き下ろしで電子書籍化されたものです。
「キビしいのである。1」
アパートの隣人が男x男夫婦と知って興味津々のチャラいDK坂本は、喧嘩別れを目撃してしまい…
健気な西本さんに惹かれていってもう一歩で⁉︎みたいなトコロを描くのがホントうまいんよ、ユギ先生は!
「気管支炎」
幼い頃は病弱で目が離せなかった幼馴染が今は体格も逆転して…
かなりの短編なのに幼少期の関係性、想いが歪んでNTRを起こす心情、何もかも分かっていた、そして受け入れる…それらの複雑さを難なくまとめて見せる。ユギ先生の凄さ。
「チューズ・ミー1」
「チューズ・ミー2」
「タッチ・ミー」
みちる→ちから→黄島。問題は、みちる(♀)とちから(♂)は双子ということ。そして黄島はみちるが好き。不毛すぎる三角関係のその先は?
ちからの恋を知ってるみちるは鈍感な黄島を許さない。なんでみちるに嫌われてるかの真実をやっと知った黄島は…
自分の子供にちからって名付けるみちるってちょっとコワいかも。(ちからはみちるの心を知っています)
「キビしいのである。2」
坂本その後。専門学校で坂本に恋してしまった児島視点。
坂本は相変わらずチャラくて、来るもの拒まずでモテる。児島は俺が女だったら、と苦しいけど…ダイジョブ、坂本は男いけるから!
あの西本さんも幸せつかみましたよ。
ユギスタイルがイイ!どのお話も好きだけど、意外とエロ無しの表題作が好きですね。全体で「萌x2」で。
ニッチな性癖を鋭く突くアンソロジー、それが「性欲図鑑」シリーズ。
今回のお題は「メスイキ」。
メスイキ、という用語にはどうも拒否感/嫌悪感を感じていますが…
6作品収録。
以下、収録順にざっと。(作者様敬称略)
「愛しの隣人リーマンの古賀さんは緊縛天使⁉︎」たまち
のっけから強烈です!
日頃優しげな美形の隣人・古賀さんをオカズにしているゲイの岡田。
ある日古賀さんの部屋から助けを呼ぶ声が聞こえて急いで部屋に入ると…古賀さんが全裸でセルフ緊縛していた!
岡田は緊縛のまま古賀さんを責めまくり〜(同意あり)…のメスイキ展開。
超エロ描写なので背後注意。
「いやらしい超高級メスイキ性奴隷の作り方教えます。」土井モニカ
兄弟2人きりで生きてきた二葉だが、兄がヤクザから薬を盗んだせいで捕まり、売られるために性奴隷調教されることになり…
クールなヤクザ・佐藤に毎日のように仕込まれて佐藤を好きになる二葉だったが…
二葉はショタっぽい。
「変態マニアな引越し屋が俺様ドSなリーマンを縛って愛します!」茎わかめ
職場で見かけた好みの引越し業者をアイコンタクトでお誘い。するとメスイキさせてあげる、とぐいぐいリードしてきて…
意地張ってたけど結局頭真っ白まで感じちゃいます。
「初めてのメスイキ体験の感想を200字以内で述べよ!」宇良にこ
カテキョの相沢先生が大好きで先生のペンでアナニーしまくるDKの夏樹。実は両想いで、大学合格のご褒美にゴリゴリのメスイキプレゼント!
「イヤよダメよもメスイキのうち」おぐらたまご
学校で緊縛オナニーしてるところをクラスの大谷に見られて、脅されて犬になっている清水。これまではオナニーを見せるまでだったけど、遂に挿れられて…
大谷は清水が大好きみたいです。
「眼鏡ドS優等生と金髪ヤンキーのメスイキあそび」ナカモズQ
底辺ヤンキーの志紀が勉強に目覚めて、学校の図書室で優等生の長瀬に勉強を見てもらっている。
長瀬は「男は元々女だった」という説の本を読みながら志紀の乳首を弄り…
これ絶対長瀬はわかってやってるでしょ!クールな顔して!でも2人の相性は良さそうなのでよし。
全作品かなり強烈。都から指定されそう。
冒頭のたまち先生に度肝を抜かれ、ラストのナカモズQ先生にクスッと笑いました。
おすすめです。「萌x2」で。
下巻。
トワ視点での始まり。
だから、実はこの恋は低温で、それどころか…
トワは恋を信じ切れていなかったし、古萱がいても昔の自分を忘れられないし許せてもいない。
古萱の明るさポジティブさが逆に自分を追い詰める。
だから…
自分がされたように、寮を出たらハイおしまい…にしようとして。
でも、古萱はとことんトワとは違う。
泣いて嫌がって、心をまっすぐ伝えようとする古萱。
…というわけで、そりゃちゃんとおさまりますよ。ハピエンです。
ハラハラさせて結局は大丈夫っていうのはある程度わかっちゃいるけど。
上下巻の深みを出すには、トワに辛い過去が〜、トワの救済を〜、という設定にするのもわかるけど。
本作でのトワはヒネてるよ。幸薄いよ。
下巻でもリバ表現は多くて、ありがとうございます。でも私は上巻1話目のリバ表現が一番好きだった。
リバって挿れる挿れられるだけじゃないんですよ。正にタイトル通り愛し愛されること。愛情が2倍いや2乗3乗、恋心、熱、快楽が渦を巻いて加速する…
私が読みたいのはそこなんです。
下巻でのトワはひねくれてた。愛しも愛されも壁がありましたね。下巻単独では萌、上下巻全体で「萌x2」で。
元は単話だった本作。なんと上下巻となってBL界に凱旋!
しかもリバ作品なので嬉しい……!
上巻第1話が正にその単話。
このリバ理念、最高です。単話時に「神」評価でレビュー済ですが、この冒頭の一話は2人の恋心/愛情の加速を感じさせて素晴らしい。
そしてさらに世界が膨らむ続きを読むわけだけど。
上巻ではまず2人の出会いから。
実家の火事で入寮し、トワ先輩と同室になる古萱。もう最初から一目惚れで、特に迷いも無くグイグイのアプローチ。
恋というより遊んでほしい子犬ちゃんみたい。
一方トワはとても低温。どうやらトワには何か過去があるようで…
…みたいな、堂々王道的な導入部ではあります。
古萱はひたすら一途!ワンコ!一生懸命!
トワは1話の印象よりは、影がある。それは前に付き合ってたひとのせい?
…というところまで。
リバシーンは何度もあり。そこはありがとうございますだけど、1話の幸せ感は薄れてる。古萱はともかくトワに心からの笑顔や愛情がまだ無い感じが気になる。
下巻へgo!
9作品収録のアンソロジー。
以下、収録順にざっと。(作者様敬称略)
「キャンディーサーチ」谷澤りんこ
DKもの。
懸賞でしか当たらないキャンディきっかけでクラスのモテ男雪原と仲良くなれた隠キャの丸田だったが…
BL未満のほのぼの友情。
「友人のひみつを知っています。」くるりんるみこ
DKもの。
学校ではキツいことばっかり言ってくるユウだけど、ハルカが着ぐるみのバイトをしてることを知らずに、その着ぐるみにデレデレの本心を喋りまくる。でも中の人がハルカってバレて…
この2人、これから仲良くなれそうです。
「海の中の青色ベリル」西生まこ
DKもの。
バイト先コンビニの常連客が人気モデル。寄ってくる女性ファンを注意するのが役目みたいに頑張る陰キャの滝だったが…
キラキラと地味っこもの。
「これで今日からモテ男⁉︎」山野でこ
DKもの。
雑誌のモテ特集を見て、モテる壁ドンとかキスできるテクとかを実践してくる蓮。藤一朗は蓮が好きだから本当はキツくて…
ついマジキスしてしまい、告白。すると蓮も…というキュンとする両想いもの。
「悪い人間」安眠
個人的大期待作者様の安眠先生作品。
大学〜社会人。
浅川が好きになったのはキッチリ時間のルーティンを守るミカ。浅川はこれまで色々ルーズだったから寝る時間や食事の時間を合わせるのが大変だったけど、ミカが好きだから頑張って…
ミカが少しずつ譲歩し始めるエンドで微笑ましい。タイトルはよくわからない。
「チェンジング・ライン」花本アリ
DKもの。
卒業後進路が分かれる親友同士のバランスが崩れていく。会えなくなるから、とエスカレートしていく秋人と断れない潤の痛い関係性。
「有坂先生はボクのもの?」はるの
続きものの一部エピソードなのかな?亡き姉の忘れ形見の優太(小学生)を育てる教師の有坂。同僚恋人(男)もいるけど何かと優太優先で…
実は優太も子供ながら有坂を狙っています。
「love laboratory」小箱あき
院生と助教。
新しく配属された指導教官の都筑は、何かと高瀬に厳しく接する。嫌われたと思っていたが、実力を期待されていたからだと分かり…
都筑にも本気を出そうとやる気になる高瀬です。
「ツイてない男」よしもと
由元千子先生の五十君(いしみ)x同崎課長シリーズ。2人の始まり編。
毎回女性にフられる同崎を家に誘った五十君。オレも振られたばかりで〜と言いながらちゃっかり!
この2人可愛くて好きです。
高校生ものが多い、バリエーションが無い。でも読みやすいので万人におすすめはできる。
中では注目作者様の安眠先生、さすがのよしもと先生の作品が良かったです。
個人的大注目作家・栗之丸源先生の注目すべき作品の待ってましたの「2」!
今回、作品の紹介的なレビューというより、読み終わった後「どうだった?」って話したいような気分なのでそんな感じで。
まず思ったのが、ここで完結⁉︎という驚き。
なんで〜…
…という消化不良感。
だってこの作品、すごい可能性秘めてる気がするんですよね。
SM、ドミちゃんサブちゃん、の類似と相違、絡み合う部分。
イオくん!
プレイを見てしまってびっくりしてサミ六と話し合うんだけど、その話し合いシーンが斬新だなぁって。
イオくんはアセクシャル?SMのようにルールがある関係の方が性を理解しやすいようで、サミ六のプレイを見て抱いた高揚感は性的興奮というより創作欲?それとも覗いたという行為に⁉︎
六が頭グルグルになるのわかるわ…
それに、しーくんの考え方もちょっと驚き。何より同意一番!という。
いや、それは当然なんだけど、好意/愛より大事っていうのは目からウロコだったわ。
恋人よりフェチフレ!は〜…そういう考え方もアリかぁ。
…という感じで、いちいち斬新さを感じました。
サミさんのスイッチ入った時の目つきの怖さも気になるのに、ここで終わりですか〜?
それぞれもっと掘り下げを読みたいですよ…すごく興味深い作品で完結が勿体無い。「萌x2」で。
単話で3話まで購入して、その後1冊にまとまるの待ってたらなんと10話!
読み応えたっぷり〜。
月に一度だけ週末に誘い合わせて温泉に泊まる
この秘密の旅行をもう20年も続けている
も〜うこれだけでグッときません?
シュッとしたイケオジふたりの秘密の20年!
各話でそれぞれの温泉宿や温泉付きビジネスホテルに赴き、表面上出張中のリーマンのていでの外での食事あり、部屋食あり、内風呂だったり大浴場だったり、Hあったりなかったり。
徹底して月に一度の温泉での一夜でのふたりが描かれます。
そして今回、大学での出会いが明かされます!
木村が可愛いですね〜。
石田が実は一目惚れっていうの、わかります。なのに木村の方が告白もキスも仕掛けたっていうのがまたいい。
今もずっとスキとカワイイを想いあえる2人がいいですね!
2人での移動も、アクティビティも、食事も、もちろんお風呂も、毎回新鮮に楽しみ喜べる2人が最高。
「1」とあるので続くのかな?続編楽しみにしてます。
ヤリチンビッチ脱落してるんで、おげれつ先生作品久々です。
相変わらず絵上手い。表紙きれい。
だけど、冒頭からもう不穏。
宗教二世か…
絶対的貧困からの、極端なお金への執着。
そんな大和が出会ったのが、父親が反社で金持ちのおバカ・悠星。
一緒にいれば衣食住の心配は無いから、彼の豪勢なマンションに転がり込み、なんの計画性も無い悠星のニューチューブを手伝うことになる…
…というお話、なんだけど。
このニューチューブの企画に関しては、何をやってもアホっぽいコミカルテイスト。
そして、お決まり的ながら悠星にもいわゆる辛い過去、みたいのがあって、2人とも欲しい愛情を得られなかったこどもたちだった事が明らかになっていく。
なんでもお金でつながっていた悠星はひとの恨み嫉みを招いて、元ホスト仲間が大和に悠星を騙してカネを奪ろうと持ちかけてくる。
大和は金の亡者だから一度は承諾するけど…
…と、ここからは結構ありがちな純愛テイストが感じられたかな。
なんか毒気抜かれたみたいに読後感良く終わって、まあ普通に面白かった、という印象で終わりました。「萌」で。