「新婚さんはスパダリ同士!」電子限定SSとなります。
以下、内容となります。
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馨は信じられない思いで花に飾られた祭壇とパイプ椅子が連なる会場を見ていた。
中央の写真も、俺の恋人はもっと綺麗だ、死んだなんて信じない……!
ガクガクと身体を揺すぶられてハッと目覚めるが、夢か現実かよくわからない。
大掛かりな彫刻作品制作で修羅場に差し掛かっている馨だが、仮眠を取るたびに冬人が死ぬ夢ばかり見るようになって憔悴しきっている…
…という冒頭。
勿論夢は夢であって冬人は元気だし、弱った馨を膝枕してくれたり。聖母みを惜しみなく与えてくれるわけです。
だけど、冒頭を読んだ時私もギョッとして、番外編で永遠の別れを書くというのもアリかもなぁと感じました。
死ネタともちょっと違うひとひねりの視点というか。
作者様の個性を感じました。
読み始めてすぐに引き込まれ、一気に読了。面白かったです。
主人公は、3代目社長の冬人。
同居している恋人は、世界で認められている彫刻家の馨。元々高校のクラスメイト。
2人は仲良くやっているけれど、どうやら冬人は一つ悩みを抱えている…
読んでいくと、冬人は自分の深い愛情を馨に知られないようにしている事がわかります。
馨はカリスマ的な魅力を持つモテ男。ひとりの相手に縛られたくないと公言していて、冬人ともずっと親友だったのにたまたま相手がいない時期が重なった時に「お試しで」付き合ってみようというノリで始まった経緯が。
ところが実は冬人はずっと馨に片想いしていて、そんな重い感情を知られたら馨は離れていってしまう、と思い込んでいるのです。
本作は一貫して冬人視点なのでひたすら冬人の思考回路を読むわけだけど、まあ想像通り馨の方だってちゃんと本気。
しかも冬人と同じでずっと。
だからお互い間違った思い込みに縛られた両片想いものの王道と言っていい。
終盤、馨の方も自分を想ってくれている、という幸福感を持った冬人を絶望に突き落とす馨の「裏切り」が起きます。
あくまで冬人視点なので実際はここも誤解。馨が何も言わないせいだったんだけど、ここの場面は私も不安で動揺してしまった。
結局は誤解も長年のお互いの思い込みも解けて、ハッピーエンディングになります。
が。
どうしても解せないのがタイトルと表紙の印象。合ってないと思います。
ラブコメイメージで読む人にはモダモダや冬人のネガティブさが合わないし、シリアス好きな人はこのタイトルじゃ手に取らない。ここで星一つ減で総合「萌」です。
記念すべき20巻。おめでとうございます。
そして、ついに「0日」…
こ、これは。
ずっと読んでこられたファンの方には感慨無量かと。
私は新参で温度差があるわけですけど、そんな私の感想は…
ここまできてまだ高野に告白する女に動揺する律にガク〜〜ッ。
こんな引き延ばしがあるのにページ数は少ないなぁとも感じる。
ともかくも、やっと言いましたよ…
はぁ〜〜〜〜〜……
…と思ったらなんと「一日目」の文字が目に入ってきました。これはもしや、何事もなかったように同じ毎日が続くのでしょうか…
そして続いて雪名x木佐編なのですが。
これねぇ…すごいやな奴が出てくるんですよ…
雪名と木佐の愛の深まりを描くためなんだろうけど、なんでこの記念すべき20巻、遂にやってきた0日目の巻にこんなの出すんだろう?祝祭感を損なってると思いました。
先生にとっては20巻も0日も特別じゃないのかな、通過点に過ぎないのかな…
「口の中に甘く触れて」Renta!限定12P小冊子となります。
以下、内容となります。
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バレンタインデーの夜、甘い甘い2人の時間…
…という感じで、本編内でも濡れ場は多かったと思いますが、この有償小冊子ではより肌色な2人を拝めます。
恋人になった立山と島崎。
するとなんだか立山ったらすっかり王子様みたい?
バレンタインデーにレストラン予約だけじゃなくて高級ホテルに一泊。
テーブルには薔薇の花束とイチゴ、ハート型チョコ、ホワイトチョコレートフォンデュが。
一緒にお風呂に入った後はチョコレートを食べさせあって島崎のバスローブをはだけると、裸の肌にホワイトチョコをかけ…
立山の甘々カレシっぷり。
島崎の方はチョコを用意してなかったようだけど、立山が至れり尽くせりしてますね。
「Braveー炎と闘う者たちー」電子限定書き下ろし番外編となります。
タイトル「Merry Xmasを君に」。
以下、内容となります。
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本編後、恋人になって初めてのクリスマス。
今年はイブと当日の2日が非番で、ジェイクがイサムを実家でのイブの夕食に誘います。
8才のあの日、誘いに行けず火事が起きたことを自分のせいのように感じていたジェイク。
自分の苦しみが大きくて、同じように苦しんでいたジェイクのことまで考えることができなかったイサム。
でも全ての記憶が蘇り誤解も解けた今、イサムは喜んで招待を受け…
温かく出迎えてくれたジェイクの両親。
室内に入った瞬間、彼らの目の前ではっきりと唇にキスしてきたジェイクに慌てるイサム。
ジェイクはそのままご両親にイサムと付き合ってる、とカミングアウト。
イサムは動揺するけれど、ご両親は、予想してたしちゃんと紹介してくれるのを待ってたとまで言ってくれて…
ディナーの後は懐かしいジェイクの部屋。
10年間の長い苦しみが本当に終わった瞬間だったんでしょうね。
消防士という危険な仕事を選んだ2人、助け合って愛し合って高みを目指して下さい!
待ちに待った薄井いろは先生の新作!
いつも通りの官能性が楽しめた!
恋情を抱いていたノンケクラスメイトがルームシェアしようと言ってきて…
見せないようにしてた気持ちが、ひとつのキスで溢れ出す。
…という設定も2人の雰囲気もいいんだけど、なんか2人ともどーも好きになれないというか…
特に攻めの立山。
この思わせぶりはなんだかなぁ。無邪気というよりももっと恣意的に感じてしまって、島崎にとっては悪い意味で罪だと思う。
なんかカラダを武器にするイヤな女みたい。妙な誘惑感があるんだよね。
一方島崎の方もどうも煮え切らぬ。
弱って傷つく、は当然としても、立山の思わせぶりを利用する狡さを見せる割には押しが弱いような気がするし。
結局2人ともに流れ流されて…
濡れ場は先生らしく官能的。
キスに溺れていく2人の姿は扇情的であり刺激的であり、要するに素晴らしい。
ストーリーとしては目新しさは無いけれど、構成力の勝利。
満足感はありです。
「2055」「2072」に続く近未来シリーズ。これすごく好きです。
人間。
アンドロイド。
AI。
愛の形は?
愛は不変か?
そんな哲学的な問い。
本作は「2072」でも描かれている爆発事故の生き残りオリジン・ミカが主人公。
レジスタンスのミカは、矯正施設で旧型ロボットに管理されている。
ロボットは故障エラー続きで、スルガたちは新型筐体ロボットつまり人型ニューオーダーAIに交換しようと提案するが、勿論ミカは拒否する。
ある日、遂に強制的に新型と交換されることになり…
ミカにもよくわかってる。この憎む気持ちはもはや意味もないことは。
それでも口をつくのは、不完全でいい、壊れてていい。そして突発的に旧型を掴んで逃走してしまうミカ。
さて、この逃走劇は勿論失敗します。
旧型は壊れてしまい、結局新型があてがわれる。
無気力なミカに新型が話しかける…
これは、奇跡?
それとも、進化?
不完全な人間(オリジン)が、愛の永続を願って創り出したオールドAI。その後、AIが自ら作ったニューオーダー。彼らは完璧。なのに今度はそのニューオーダーがオリジンの愛を学習する?
進化はまるで環のように。「僕は僕だよ どんな姿でも」
やっぱり上野ポテト先生の作品世界は独特。
他の誰ともかぶらないところが素晴らしい。
さて、本作。
女性にモテるエリート商社マン・瀬田が、路上で絡まれている男を助ける。
その男は偶然同級生の園山で、住む場所の無い園山を自宅で住まわせる事にするが…
…というお話。
実は瀬田は中学時代に園山がイジメを助けてくれた事があって園山が好きなわけで。
一方園山はヒモ男で、最初はご飯作ったりしてるんだけど次第にクズっぽさを出してくる。
読者としては瀬田に同情的な気分で読むわけだけど…実は偶然は偶然ではなく…という転換があって、傷つけあってそれでも…っていう展開へ。
わかりやすい園山のクズっぷりはともかくも、KYでド真面目みたいな瀬田も自分勝手でひとりよがりで。
この辺が作者様の言うどうしようもなさっていう部分なのかな。
でもクセって誰にでもあるでしょう。だからこの2人のなんともぼんやりした微ハッピーなようなやっぱり違うような曖昧エンドがなぜだかしっくりくる。