ラノベ世界の当て馬王子(ちょっとおバカちゃん)が、モブ(実は転生してきたクズ男)に一目惚れされ、体から陥落させられていく物語です。
受・デメルが本当に流されやすく、ピュアピュアで初心な美男子。
Hの経験なんてないので、攻・ヘーゼルのテクにあっという間にグズグズにされ、ちょっとH初心者にやり過ぎではと心配になるほどの快楽を注がれます。
最終的にはデメルもヘーゼルが好きになっており、ハッピーエンドです。
ヘーゼルの前世がHで生計を立ててきた、みたいなキャラなので、まさかデメルを自分のものにしたら他の人に興味が移ったりするんじゃ……と少し心配しましたが、その心配は要らなさそう。
よく考えたら一目惚れした瞬間に「俺が愛す‼」と心の中で叫んでたし、H中も「俺以外に抱かれたらダメ」みたいなこと言ってるので(本当はもっと下品な言い回しで)、ヘーゼルはヘーゼルでデメルにぞっこんなんだった。
とにかくデメルが健気でちょっと不憫なキャラなので、ヘーゼルと幸せに暮らしてほしい。
攻・剣城は新学期を機に眼鏡からコンタクトに変えて登校。
すると最恐のヤンキーと有名な受・泰斗から呼び出されてしまいます。
何事かとビクビクしながら向かうと、自分の大好きな少女漫画の王子様にそっくりだから、俺の王子様になってとお願いされちゃうというストーリーです。
似たような設定の他作品はあるっちゃありますが、この作品は攻受共にキャラクターが魅力的で楽しかったです。
剣城は弱気なキャラかと思いきや、実は意外とSで、特にHの時はそのSっ気が発揮されてかっこよく見える。
というかかっこいい。
これ平凡攻なのかな?
眼鏡だから目立たなかっただけであって、顔立ちはやはり王子様なんだろうな。
泰斗の姉も「その顔つき」って驚いてたし。
泰斗はかなりブッ飛んでるけど、とにかく健気。
何だかんだ登場する不良達や、泰斗の姉など脇キャラも面白く、コミカルなのに甘々で楽しく読めました。
下巻が読めるのはもうちょっと先かと思っていたら電子書籍サイトから入荷通知が来て、「この本はもう電子書籍じゃなく紙で買って手元に置くと決めてるんじゃい!(๑•̀ㅁ•́๑)✧」と慌てて通販で注文して、届いた日に読了しました。
下巻も怒涛の展開でハラハラあわあわしましたが、ハッピーエンドで良かった〜……!!
上巻で提示された色々な問題も全て解決して結ばれます。
まあその、全て解決するまでにアルトもフェリクスも大変な思いをするのですが……特にアルト。
頑張ったよ、アルト……!
エヴァリスとジュリアンのカップルも、ちゃんとハッピーエンドで良かった。
エヴァリスが一時的にアルトに傾いていたというか恋していたことを自ら認め、それをジュリアンにも言っちゃうもんだから、ジュリアンという婚約者がいながら何やってんだエヴァリス!(૭ ᐕ)૭=͟͟͞͞ ૭と思ってしまいますが、まあそこはゲームの強制力でどうしようもなかったのかな。
本来ゲームの中では、主人公「光の神子」であるアルトが結ばれるのはエヴァリスだった訳ですから。
でもそう考えると一層、フェリクスとアルトの愛がすごい。
アルトはゲームどおりエヴァリスを選ぶのではなく、自分の意思でフェリクスに恋をしてフェリクスを選び。
フェリクスはフェリクスで、ゲームの続編で結ばれる設定の「闇の神子」がいるのに、迷うことなく「光の神子」であるアルトを選ぶ。
離れ離れになっていた2年間も、その想いがブレることは全くない。
そしてやはり、イラストが本当に綺麗。
何なんこの綺麗で可愛いイラスト……上下巻とも表紙なんかちゃんと「絵画」として飾れるレベルやん( ˃ ⌑ ˂ )⊹⁺
元々BLは小説より漫画派だったのが、最近すごい勢いでBL小説を読みまくっていまして、しみじみと「いくら小説が主体とはいえ、表紙と挿絵って大事だなぁ……」と感じているので、この作品のように美麗なイラストだと本当にありがたい。
上下巻とも、小説自体もイラストも大好きで、何度も読んで眺めたい本になりました。
攻・蓮→とにかく甘々な溺愛攻。
包容力の塊で紳士的だけど、かなり愛は重め。
こんなに受に対して「可愛い」と言いまくる攻も珍しいってくらい、「可愛い」連呼してます。
私は「可愛い」をちゃんと言葉にして言う攻が大好きなので、ここめちゃくちゃツボでした。
受・恭→ぽわぽわ可愛こちゃん。
超甘えん坊で愛が重めな子。
読者としてはものすごく可愛い受ですけど、確かに自分が恭と付き合えるかと言われたら
( ⍨ )ウーン……ってなっちゃうかも(ごめん)。
週5で会いたいとか、たくさんハグやキスしたいとかは全然OKむしろウエルカムなんですけど、スケジュールとGPS共有はちょっと嫌かな……笑
そんな二人が出会い、くっついたんですから、そりゃもうイチャイチャベタベタしまくりのカップルになる訳ですよ。
二人の甘々イチャイチャな日常がひたすら描かれていて、特に大きな波風は立ちません。
良いですよね、こういう甘々な日常だけを描いた作品。
イチャイチャカップルなのでHも多いのですが、ちゃんと二人がお互いへの愛情を伝えるためにHしてるのがわかるので、H重視の作品になったりもしていません。
とにかくラブラブ甘々な日常を読みたい人にオススメです。
あくまで私の場合ですが、この作品でいちばんグッと来たポイントは臨場感でした。
受・奏が「バーチャルアルファ」アプリで、AIであるアルファ・悠吾(後にバーチャルではなく実在する人物と判明する訳ですが)とやりとりをするシーン。
読んでいて、何だか自分までむず痒くソワソワと甘い気持ちになるというか。
乙女ゲームをしたことがある人ならわかると思います。
架空の人物だとわかっているのに、甘酸っぱい気持ちになってしまうあれ。
あれを味わえるんです。奏と悠吾のやりとりを読んでいると。
開発者としては、完全にAIであるより、「バーチャルオメガ」アプリを使用しているアルファの中にものすごく相性の良いアルファがいたら、その時はアプリを通してやりとりをして親しくなれば、それはそれでいい……みたいな考えで開発された訳ですが、それって今後も「バーチャルアルファ」「バーチャルオメガ」アプリを通して自分の運命の相手(運命の番ではなくとも)を見つけるカップルが出てくるかもってことですよね。
しかもお互い、最初はAIだと思いこんでるから、本音をさらけ出してる状態。
いやー……すごいアプリ。
これで幸せになるオメガとアルファがどんどん増えるのでは……と、開発者のすごさと配慮に脱帽です。
その開発者のエピソードもあり、面白かったです。
超有名な実業家×学生みたいな設定だと、攻の素性がわかった途端、受が身分の不相応さを感じて身を引こうとしてすれ違ってゴタゴタして〜みたいな流れになりがちですが、この作品はそういった展開もなく良かったです。
奏は確かにそこに少し不安になったりしますが、だからといって悠吾から離れるという選択肢はなく、むしろ悠吾は俺のだと主張してくっついてしまうという……可愛い。
また悠吾が奏をものすごく溺愛してストレートに想いをぶつける人なので、読者としても心配するようなこともなく。
変にモヤモヤまどろっこしい展開がなく、かといってトントン拍子に感情の描写が雑なままストーリーが進むということもなく、きちんと丁寧にテンポ良くストーリーが進むのも良かった。
ストーリーの構成だけ見ればとてもシンプルなのに、萌えはたくさん散りばめられている素敵な作品でした。
あらすじに「サイコパス」と書かれていたのにそれを忘れていまして、攻・リンの初登場シーンで
( ゚ ▽︎ ゚;)!?←こんな顔になりました笑
すごいインパクト。
かっこいい……のか?いやそれより普通に怖い……てか初見でヤバい奴だとわかるこの笑顔……。
何か……助けてくれたのに、その助けてくれた人が怖い……みたいな笑
すっかり表紙のイケメンっぷりに「サイコパス」を忘れてましたよ。
サイコパスな上に、受・剣一郎に対する執着は完全にヤンデレですね。
絶対に逃げられないと思う。
体もデカくて力も強いので、剣一郎に対する愛は溢れてるけど、溢れてるがゆえにちょっとHの時大変そう。
脱がせ方とか、強い……笑
まだ序盤なので、今後の展開が楽しみです。