けしてキャラクターや設定は嫌いではないのですが、なぜか萌えられませんでした。
受・碧人は優しくしっかりしていて男前。
BLの受としては好きなタイプなのですが、碧人の場合あまりに内面が男前過ぎて、「攻に恋する可愛さ」みたいなのがあまり感じられず。
何だろう…Hシーンですら心情が男前というか。
なのに敵に捕まるといきなりその男前らしさが鳴りを潜め、すごくネガティブですぐに「自分はもうダメだ」みたいになっちゃう。
普段の男前はどうした!みたいな。
攻・コンラートの碧人への接し方も、あまりに序盤と後半で違うので、そのギャップにもついていけず。
序盤はあれだけ赤ちゃん扱いして、口調も赤ちゃんに接するものだったのに、碧人が妖精の赤ちゃんではないとわかると一気に大人への接し方。
まあそれは当然としても、口調が変わり過ぎ。
「カワイイベイビィチャン」「オリコウサンネ」→「碧人は本当に可愛い」「迷惑ではない」みたいな。
ふわふわ溺愛から、いきなり王族らしさ全開の硬い口調。
これが、後半も序盤の雰囲気を引き継いでふわふわ溺愛だったら、萌えたかもしれません……。
それから本当に申し訳ないのですが、挿絵が苦手でした……。
コンラートが全くかっこよく見えず、ときめかない。
表情の描き方が独特というか。
特に表紙のコンラートが苦手で、そのイメージがずっと頭に浮かんでしまうので、作中でどれだけコンラートのかっこよさを書かれても脳内で一致せず。
挿絵あんまり好きじゃないけど、あくまで小説が主役だからな、読んでみたら気にならないかも……と読んでみたけど結局イメージが焼きついたまま。
何か表紙のコンラート、本当に失礼で申し訳ないけど、おばちゃんみたいに見える……。
別に嫌いって訳ではないのですが、読み返したいかと問われるとNOと答えるしかない作品でした。
大変失礼なことを言わせていただきますと、正直、文章はかなり稚拙です。
本当に申し訳ないのですが……プロの作家さんというレベルではありません。
一つ一つの文章、言い回し、場面の切り替え、どれも稚拙というか未熟というか……。
この言葉遣いおかしくないか……?とか、この発言は反感買わないか……?みたいな台詞も多い。
物語としても正直ありきたりで、主人公は悪役令息とは言いつつ、主人公の都合の良いようにトントン拍子で進んでいきます。
ただ、それでもなぜか読んでいるとそれなりに面白く、楽しめました。
これはキャラクターが魅力的だったからかなぁ。
うーん……何かよくわからない不思議な魅力がある作品。
私は気に入らなかったら遠慮なく「趣味じゃない」か「中立」評価にするので、「萌」評価にするのは何だかんだ楽しく読めたのだと思います。
受の陽希の気持ちがね、本当に共感しやすくて、そのガッカリ具合や葛藤がありありと伝わってきて、私も最初は「いや持丸無理」ってなりました(ごめん)。
陰気な雰囲気は別にいいですよ。
でも散々口説いといてHまでしといて「今から好きになります」はないわー……と。
この時点では、何なん?この持丸って男……倫理観大丈夫か?と心配でしかなったのですが、最終的には陽希を何より大切にするスパダリになったので良かったです。
その陰気な雰囲気と地味な容姿はαらしくありませんが、持丸ってめちゃくちゃαですよね。
脱いだらムキムキ、恐らくHも上手い(陽希の様子からして)、面倒見が良い、色んな段取りが上手い、それからちょっと強引な所もαっぽい。
後半は持丸がものすごくかっこよく見えてしまいました。
気怠げな攻かと思いきや、恋をすると溺愛攻なのね!
受の明も、ただオドオド流されたりせず、嫌なことはきちんと嫌と言える強い子。
立美にもそうだし、立美の友達(自称)にもそう。
立美の友達(自称)が本当にカスばっかりで、そりゃ立美もこんなのに囲まれて生きてきたら捻くれますわ……。
なのにむしろ好きな人には優しく過保護な立美は、環境の割にかなり真っ直ぐ育った方では。
明を傷つけるようなことは絶対にしないし言わないし。
実は繊細で心優しい辰巳と、実は芯が強くしっかりした明。
本当にお似合いのカップルです。
周りのカス達に腹は立ちますが、二人がしっかりしてるので楽しく読めました。
全体的にほっこり可愛いお話でした。
オメガバースではあるもののオメガバースという概念や知識がない世界での話なので、シリアスな展開を予想していましたが、そんなこともなく。
周りと関わることで生まれるトラブルより、ほとんど二人の間の心情の変化が描かれた作品です。
オメガバースという概念と知識がない世界だからなのか、攻・オズがαっぽくありません。
超美形で真面目で優しい、まではαっぽいですが、優柔不断でコミュ障みたいな部分もあり。
オメガバースの概念がある世界だったら、オズってどんな立ち位置のαなんだろう……それともそういう概念があったらちゃんと自分はαだと自覚してもう少し強気なんだろうか。
イラストがとても綺麗で可愛かったので、もう少し挿絵が多かったら嬉しかったなと思いました。
裏社会ものやシリアスな作品は苦手でほとんど読まないのですが、まず表紙の義一のかっこよさにやられ、帯の『最恐番犬が溺愛攻になるまで』という文句にものすごく惹かれ、とりあえず試し読みしました。
その結果、この関西弁の怖い、超イケメンなお兄さんが溺愛攻になるの……!?:(*°⬠°*):と、もうその先を読まずにはいられず即購入。
いやー……攻・義一がかっこ良過ぎてどうしよう!
( ง//́Д/̀/)ง⁼³₌₃(いや私がどうするもこうするもないけどね)
義一が出てくる度、かっこ良過ぎて見惚れる!の繰り返し。
ビジュが最強過ぎる。
しかも裏社会ものの攻にありがちな乱暴さや強引さは初対面の時に少しあっただけで、あとはむしろ受・ユイに優しいし筋が通った男。
ユイがまた、ナヨナヨしてなくて普通の勝ち気な男の子!って感じがすごく良かったです。
色気がないようで実はある。
ラスト、二人が再会出来た後のHシーンは、何かもう胸がいっぱい。
義一がどれだけユイを大切に思い愛しているか、その表情や行動にありありと滲み出ていて。
それでいてHの時だけちょっとユイに甘えるのが堪らん!
そしてユイがまたとんでもなく色っぽいし、なのに無邪気で可愛い。
そして何より、このシーンは義一の心情をメインに描かれていることが秀逸だなと。
正直、裏社会ものでこんなにあたたかく幸せな読後感を得られるとは思っていませんでした。
素敵な作品をありがとうございました。
出来れば義一とユイの里帰りも読んでみたいなぁ。
あとシンプルに絵がものすごく綺麗で上手いです。
絵を見るだけでも価値がある本ってくらい上手い。
これで初コミックスって……その画力もストーリーの技量もすご過ぎる。
読後翌日になってもあたたかい余韻が残り、何度も読み返したくなり、朝イチで紙の単行本も注文しました。
とても可愛らしいお話でした。
御伽噺のような雰囲気もありつつ、しっかりとBLでした。
受・マルがとても素直で可愛らしく、読み始めて2ページ目で「あ、この子好きだな」と好感を持ってしまうほど良い子でした。
そして攻・ルーカスが本当に素敵。
容姿端麗で王弟で騎士団長という点もさることながら、何よりその内面。
明るく優しく面倒見が良く、挿絵からイメージする印象とは良い意味でギャップがありました。
こんなキラキラした王子様っぽいイケメンが、あんなざっくばらんに優しく接してくれるの!?みたいな。
人を勇気づけ、安心させ、まさしく太陽みたいな人。
帯にも書かれているフレーズ。
「いつも笑顔でいろ。幸せでいろ」
作中でルーカスがマルに言った台詞ですが、すごい台詞ですよね……。
心をガッ!と掴まれる。
こんなに優しく愛に溢れた「〜でいろ」という台詞があるだろうか。
そしてこの台詞をシンプルに帯に書いた出版社さんもすごい。
挿絵もとても綺麗で可愛く、特にルーカスがかっこ良過ぎて眼福でした。
上下巻まとめてレビューを書かせてもらいます。
設定やストーリー展開はとても凝っており、脇キャラに至るまで個性的で魅力的でした。
アシェルが自身の努力によって周りの人達と関係修復していき、愛されるようになる様は、読んでいてあたたかい気持ちに。
とても面白く上下巻一気読みしてしまったのですが、神評価にしなかったのは、攻・セオドアの魅力がいまいち描ききれていなかったのではと(本当に偉そうですみません)。
恐らくとても魅力的な男性であるはずなのに、セオドアの人となりがあまり描かれていないので、その魅力がいまいち伝わってきませんでした。
真面目、強い、英雄、獣人との混血、孤児院育ちなどはわかりますが、現在のセオドアが普段何をしているのか、周りとどんな風に接しているのかいまいち掴めず。
そこをもっと掘り下げて書かれていたら、また違っていただろうなと。
個人的に受・アシェルの一番上の兄・サミュエルがとても好き。笑
いや多分すごく面倒くさい人なんでしょうけど。
でも弟達を思う気持ちの強さは本当ですし。
ただ、神官・リーリアルフ×二番目の兄・ヒューゴの組み合わせより(そもそもヒューゴにその気が全くないので、攻受の組み合わせでいいのかわかりませんが)、サミュエル×ヒューゴのガチ異母兄弟組み合わせの方が萌えるかな……なんて思ってしまう私は根っからの腐女子……。
でもあのサミュエルが恋愛という意味での愛情と執着を誰かに見せる様子を見てみたいなと。
とにかく脇キャラ達も魅力的だったので、スピンオフなども読んでみたいなと思う作品でした。