ゲイバレして飲み会の場で俯いていた柳瀬が、三谷と自分が付き合ってるが会社の人にバレたくなかった柳瀬が、大勢がいる場で2人が付き合ってるのが知られた場で一番最初に言った言葉が「●●になりますかね!?」だったのが正直うるっときた(なんであんな事言っちゃったんだって柳瀬が卑屈にならなかったところに)
先生が描く不安行動(柳瀬の瞳が揺れたり三谷が柳瀬の指握ったり)が大好きでどんなに気丈に振る舞おうとしてても仕草に出るところが堪らなく大好きです。(行為中の細かい仕草も最高です…)
1巻で付き合った相手にだけ甘えた素振りを出す三谷と困惑する柳瀬が目に浮かぶって書かれててそんな日来るのかなと思ってたから2巻でお互いがドチャクソに甘えて甘やかしてたのも本当に良かった◎
1巻表紙はお互いが目を合わせてないけど2巻は見つめあってるのも好き。(しかも通常版と特装版で表紙違うのも嬉しい)
三谷は取ってつけたような営業スマイルではなく心からの笑顔や乾いた笑いしか見せなかった柳瀬の笑顔がとても印象的だった。
SMを求めて読むと物足りないかもしれないけど、1巻から読んでいると2人がお互いを求めてSMを通じ体を求め合う描写がたまらなく良かった。足舐めは何回読み直しても大好きなシーン。
全編通して「キリスト教」が深く関わっていて2人の名前だけでなくあらゆるところにキリスト教の教え(アガペー)を感じた。
作中でも話されているが聖書の中で最も大切な数で、完成/完全を意味している「7」が名前に入っている敬虔なクリスチャンである七海が、「神様から届いたプレゼント」にキリスト教徒の敵とされている「6」に因んだ名を与え慈しむ姿に美しいと感じた。
同性愛は罪だけど同性愛は赦されない罪ではない。けれど七海は両親から縁を切られた。
自◎は聖書的には◎人と一緒で「罪」である事、輪廻転生はヒンドゥー教の思想で、キリスト教には、「前世」や「来世」といった考え方が存在しない。つまり「輪廻転生」という考えはない。
敬虔なクリスチャンである七海が知らない訳ないのに「一緒に生まれ変わろう」と提案し2人で飛び降りた事を考えると心が苦しくなる。
ラストシーンはかなり余白があり、感じ方は読者次第だなと思った。
シーモア特典を見る前から「一名死亡」はこっちだろうとは思っていたが、七海は輪廻転生をしない前提で考えると違う容れ物同士が再び巡り会ったのかな?
「祈りは自分を騙す為の儀式」という七海はどんな気持ちで信仰をしていたのか私には分からないけれど、信仰は規制ではなく解放である事を考えると七海は解放されたのだろうか…?と思わずにはいられなかった。