意識不明だった三輪が人魚を祀る島に連れ去られていた話の後編。霊能力者を満月の夜に洞窟に流すと人魚になって不治の病が治ったり大漁になったりするという伝承を信じて神主が三輪を誘拐していたらしく、流される寸前で紀人たちが儀式の邪魔をし食い止めます。溺れかけた三輪が息を吹き返し、意識も覚めたので結果オーライな感じでした。
これまで気になっていた、紀人が慶臣に執着する理由は、自分のことは蔑ろにするのに三輪のために生に執着していたことに対して、自分にはないものを持っていることに惹かれたのかなという感じでした。一年間眠り続けていた三輪が覚醒したのは、極限状態で慶臣の気持ちが伝わったからかな。
これまでの重さに比べると、上下巻を通じてあっさりしていたかなと思います。実家に寄りつかなかった紀人が慶臣が緩衝材になることで顔を出すようになったのはよかったです。個人的には弟カップル(?)のほうが好きなので、そちらの甘々も見たかったです。
自分で呪いを受けて眠り続けていた三輪が病院からいなくなったという不穏な冒頭で始まった今巻。双子ならではのシンパシーなのか、慶臣が三輪にまつわる夢を見て、人魚を祀る島にいるかもしれないということで、慎仁と一緒にその島にいきます。島には紀人がいました。彼の方は霊能力者が行方不明になっている事件の捜査のために来ていて、三輪もその中の一人かもしれないという話でした。
ストーリーとしては、三輪がいなくなった→怪しげな島にいるらしいという前振りだけで終わっているので、エチなしでいいのでできればもう少し話を進めてほしかったです。
慶臣の慎仁に対する扱いが酷すぎて、いつも都合よく利用している上に慶臣と同じ部屋に泊まっているというだけで嫉妬で暴力まで振るうのは、横暴すぎると思いました。仕事で宿泊しているのに慎仁を部屋から追い出して民宿の壁の薄そうな部屋でセッするのも、公私混同すぎる。
紀人が慶臣のことを大事にしているのはわかりますが、なぜ慶臣を好きになったのかがこれまで読んだ中ではよくわからないので、次巻ではもう少し気持ちを言葉にしてくれたらいいなと思います。
単行本の作品ページがなかったので、こちらには最終巻の5巻の感想のみ書きます。
両親を殺されたαと、その殺した男の息子であるΩの復讐から始まった絆され愛の最終章。前巻で攻めをかばって刺された受けが一命を取り止めたものの、お腹にいた子を流産してしまい、行方をくらましまして、「隣にいて償う。チャンスをくれ」と言われて攻めの元に戻ってからの続き。
攻めの仕事の都合で受けも一緒にイタリアに行きます。以前、攻めが留学していたらしく、攻めの友人もいて、その友人宅で攻めと友人が話しているのを立ち聞きし、受けが流産したことに対して攻めが責任を感じていたことを知ります。
そこから受けもようやく攻めとともに生きていく覚悟ができた感じでした。最後は娘が生まれてお腹に息子もいるところで完結しました。
4巻でほとんど山場は乗り越えたので、こちらはアフターストーリー的な感じでした。両親を殺された攻めの苦しみもわかりますが、受けには何の罪もないので、攻めが受けにした仕打ちをちゃんと心から悔い改めてくれてよかったです。ただ、他の巻でもそうでしたが、セッのシーンでたまに攻めの体が描かれてなくて手だけになる(アダム〇ファミリーのハンドみたいな)のはかなりホラーで一気に気分が萎えてしまうので、やめてほしいなと思いました。
ハピエンを迎えた作品のアフターストーリーですが、すごく読み応えがありました。司之介君が脚本、香さんが主演したドラマの前日譚を監督を代えて撮ることになり、新たな監督や出演者たちの有能さに触発されて司之介君が頑張るお話でした。ドラマの主人公に司之介君が自分自身を投影していて、香さんへの長年の片思いや母親との決別なども盛り込まれています。
現場で頑張って監督やスタッフとたちとコミュニケーションを取る司之介君に香さんがちょいちょい嫉妬したりするのも可愛かったです。
それと並行して香さんの一人娘の海香ちゃんが大学入学してすぐに海外入学することになり、司之介君は香さんのために動画を撮ったりしてました。
前作より成長した司之介君が見られてよかったし、エロも濃かったです。ただ、ドラマの打ち上げと海香ちゃんの送別会みたいな感じで香さんの元妻も一緒に旅行に行くのですが、今はお互いにわりきってるとは言え、元妻と娘が同じ離れ(二部屋取ってあって部屋は別)に泊ってる中で露天風呂でエチするのは、元妻や娘の立場で考えると萌えきらない部分がありました。
受けのピンチに攻めが登場し8年ぶりに再会したところで前巻が終わり、偶然なら出来過ぎではないかと思いましたが、結果、偶然の再会でした。
巡礼先で賊に襲われた攻めは一命を取り止め、部下たちが身を挺して逃がしてくれて生き延びていたようです。8年後の今は反乱軍のリーダーになっています。
地方に逃れて武器などを作って生計を立てていた受けは、それまでは戦を避けるため反乱軍に協力しない主義でしたが、攻めと再会したことで反乱軍に協力することを決意します。
反乱軍に武器を売っている集落に先の王后らしき人物がいるという噂を聞きつけ、暴君として悪政をしいていた現王が軍を派遣します。軍を率いていたのが、8年前のクーデターで現王に協力していた他国の王子でした。兄王子を即位させ、国力を弱らせて国を奪い取る算段でしたが、8年前とは状況が変わり、彼の祖国でも王の死期が近く、骨肉の争いが起きて他国に構っていられる状況ではなくなっています。攻めが現王を倒すのに協力するかわりに、そのあと自分が王位を簒奪するのに協力しろ、という取引を持ちかけ、手を組むことになりました。
受けを捕らえて現王に召し出した際、護衛の兵の中に攻めを忍び込ませていて、血を流すこともなくあっさり形勢逆転することができました。兄王はこれまで民を人とも思わない振る舞いを続けていたため、兄王につく人間は誰もいません。逃亡する際、部下に殺されました。
落ち着くところに落ち着いた感じでしたが、攻めと離れていた間、受けに発情期が来なかった理由については特に説明がなく、ピンチで攻めと8年ぶりに再会したことや他国の王子が急に協力を申し出たところなど、ストーリー都合に感じてしまう部分はちょこちょこありました。兄王はかなり非道な人間ですが、暴力的な描写はほとんどないため、読後感は悪くなかったです。
人気作品ということで何度か試し読みをしてみたけど、攻めが子供というところに苦手意識を感じて、今まで食わず嫌いしていました。新刊が出たのを機に思い切って購入。
政略結婚したαの王と隣国のΩの王子の話。出会った頃は攻めは子供。攻めの国ではΩは尊ばれているが受けの国では虐げられています。
なぜ子供が王なのかわからないまま婚姻の儀が執り行われ、形ばかりの夫婦になります。夫婦というより年の離れた兄弟のような感じでそれなりに交流していましたが、攻めの兄である第二王子が留学先から帰国した後、地方の巡礼に出かけていた攻めが賊に襲われ亡くなったという知らせが届きます。
知らせと共に後宮に乗り込んできた兄王子がどうにもきな臭い。攻めは妾腹で先王の意向で王になったようですが、それを快く思っていなかったようです。
兄王子が新たな王となり、夜伽を命じられた受けは逃げ出して崖から飛び降ります。一緒に飛び込んだ虎(飼ってる)が助けてくれて、街で孤児院をしていた第一王子に保護されます。その後は街を離れ、祖国で学んだ機械工学を民に教えて暮らしを支えながら、8年の月日が流れました。8年の間、受けには発情期が一度もきませんでした。
国王軍の兵に命を狙われていたところに突然攻めが現れたところで、次巻に続く、でした。
王位をめぐる争いのせいで引き裂かれた二人、という構図がはっきりしていて展開はわかりやすいですが、兄王子の片方は弟王を暗殺して王位についた上に独裁政治で民を不幸にするという典型的な暴君で、もう片方は街で孤児院を営むような控えめで善良な王子。そうなった背景がわからないし、いくらαで優秀だからって、摂政もおかずに年端のいかない子供を王にするのは無理があるのでは。巡礼に出た王が賊に襲われ亡くなったのも、警備体制どうなってるのと疑問に思いました。逃げた受けが機械工学を教えて民の生活を支えるというのも、食べる物に困るくらい貧しいのに、金属の材料はどうやって手に入れたんだろうと気になります。そういった細部が気にかかり、ストーリーに深みを感じませんでした。
最後に攻めに助けられたのも偶然では出来過ぎているので、何か理由があればいいなと思います。
一巻を読んだだけでは、ハマるほどの面白さはなかったです。BL的な萌えどころもほとんどなかったので、次巻に期待します。
オメガバースでモデルのαとΩのビジネスカップルの話。
前巻で、両思いになったはいいものの、社長から「本当のカップルになると別れるだなんだと揉めて仕事に支障が出るから絶対に番にはなるな」と釘を刺されてからの続き。
マネージャーにはくっついたことがバレていて、きつく当たられたり、スケジュールが合わなくてすれ違うことが増えます。
そんな中、二人が本物の番ではなくビジネス番だという噂がSNSで流れはじめて、批判が殺到します。噂を流していたのは、1巻で攻めの元カレかもとされていた人物(実際はただの先輩)でした。攻めに気があるというより、番カップルへの逆恨みで噂を流していたようです。
社長に、実際につきあっていることを申告したところ、落ち着くまでおとなくしてろと指示が出ますが、会社には無断で、最初はビジネス番だったことと今はちゃんと思い合っていることを配信でファンに伝えます。
ファンは好意的に受け止めてくれて、騒ぎは落ち着き、最後は本物の番になりました。
妨害工作にも負けない絆の強さを示した回でしたが、番として売り出しておいて本物の番にはなるなと言ったり、ビジネス番だったことが世間に叩かれ、二人が実際につき合っていることが判明してからも、すぐにそれを公表しなかったりと、社長のやっていることが「結局、何がやりたいの?」という感じでストーリー都合を感じました。
人気に嫉妬するとかならわかりますが、単に番が嫌いだからという理由で仕事仲間の足を引っ張る元当て馬も、邪魔をする理由としては弱いかなと思いました。
二人が会社に無断でビジネス番だったことを公表したクライマックスも、社会人としてはありえないので、あまり感情移入できず。
変わらず二人のキャラは好きですが、ストーリーとしては個人的にクールダウンした感じでした。
オメガバースでモデルのαとΩが会社の方針でビジネスカップル(本当はつき合っていないけど、対外的にはつき合っているように見せている)をしている話。攻めのほうは最初からカップルとして売り出すことに乗り気だし、動画配信でキスしてきたりとぐいぐい迫っているので、受けのことが好きなのだろうと序盤に予想がつきます。
受けがヒートになり、フェロモンに煽られて性的な接触をしますが、最後まではしません。それをきっかけに受けのほうも攻めに好意を持ちはじめますが、攻めと仲のいいΩが登場し、仕事仲間から、元カレだと聞かされます。その元カレから「昨日の夜はありがとう」という意味深なメールが攻めに送られてきているのを見て、受けはモヤモヤします。
受けは巣作りを受け入れてくれたら攻めに告白すると決めて、巣(攻めの服を集めたもの)を見せますが、攻めは、Ωの本能のせいでそうしているんだろうと言って喜ぶそぶりを見せません。受けは「なんでお前が俺の気持ちを否定すんだよ」と涙を見せ、告白し、攻めも受けのことが好きだと伝えます。結局、元カレの件は、仕事仲間にからかわれていただけでした。
モデルですが二人ともチャラい感じはなく、好きなキャラでした。お話も、攻めが受けを好きなことを最初から匂わせているので、安心して読み進めながらも、萌えや切なさを十分に感じられました。
ホテルの経営者の御曹司の高校生α×高校の用務員の子持ちΩ。都市伝説くらいに男性Ωが少ない世界観で、男性Ωへの差別意識が強いです。
受けはヒートによるレイプで妊娠しています。アフターピルをもらいに産科に行ったけど勇気がなくて入れず、妊娠が発覚して中絶せず産む決心をしたようです。受けの母親は子育てに協力的で理解のある母親です。
婚活パーティーでホテルマンのバイトをしていた攻めと出会い、攻めのほうは出会った瞬間に受けのことを運命の番と確信します。その後、攻めの通う学校で受けも用務員として働いていたため、再会します。
受けのほうは攻めに対し運命の番という認識はないですが、攻めに出会ってからフェロモンが不安定になり、学校でヒートを起こします。
生徒に襲われそうになったところを攻めに助けられ、攻めは自分の腕を噛んで受けを襲うことを我慢していたことから、受けは攻めに好感を持ちます。
攻めの幼馴染のΩの女子が「男の貴方は世間的に見てもふさわしくない」というようなことを受けに言い、真に受けて一旦は攻めを拒絶しますが、御子が頑張って二人を繋ぎ止めました。
1巻でハピエンまで纏まっていて話もシンプルでわかりやすかったですが、ただでさえ男性Ωに対する差別意識が強く生き辛い状況で、高校生がレイプでできた子どもを産んで一人で育てようとする心情には共感できませんでした。
また、いくら親が経営しているホテルでも、高校生の攻めが勤務中に空いている部屋に好きな子を連れ込んでセッするところも、前半の理性的なαからイメージダウンでした。
雨の日に子猫を拾ったところカフェの店員に声をかけられ、寄り道したカフェで高校の頃好きだった相手と偶然再会します。ぐいぐい距離を詰めてくる攻めに受けが高校の頃、攻めのことが好きだったことを告白し、「もうお前のこと好きになりたくないから放っておいて」と拒絶しますが、攻めは自分も受けのことを好きだったと告白します。そこから恋人としての関係を新たにスタートさせるお話でした。
攻めは最初こそ強引でしたが、自分より他人の気持ちを優先させてしまう優しい性格なので、いきなり性的な関係にはならずにゆっくりと距離が縮まっていきます。
1巻はキス止まりで、エチは2巻以降に持ち越しのようです。
攻めも受けもすごく好きなキャラでストーリーも、両思いだからとすぐにはうまくいかないところがよかったですが、受けの職場の同僚♀が受けが同僚の女性社員をフッたことについて理由を問い質してきて、たまたま攻めと受けが水族館デートしているところを見かけていたことから、男が好きなんじゃないかと詮索してきたのは、デリカシーがなさすぎて不快に思いました。