「俺はその痕、---みたいで綺麗だと思ってましたけど」この台詞に心をつかまれて読み進めていたのですが、行為のときの槇人の「そっちの知り合いがいた」という表現がどうしても気になってしまい、読後感はすこし悲しかったです。私の気にしすぎなのかな? ゲイの方を「そっち系」と表現する揶揄が思い浮かんでしまって……。写真を勝手にSNSに上げてしまう樟平の心情も、現代的といえば現代的なのでしょうが、あまり理解できませんでした。好きな方と作者さんにはごめんなさい。
逆に言えば、その2点以外はとても素晴らしかったです。繊細で優しい画や描写、綺麗な槇人とまっすぐな天惺の対比、不器用な火坂、ミステリアスな瀬田……。
他の作品も読んでみたくなりました。