みんな大好き執着幼なじみBL!
淡くほのぼのとした二人の関係ですが、二人の繋がりはめちゃくちゃ強固なんです!
幼い頃からずっと近くにいすぎたせいで恋心に気づかず、普通に大学入って彼女作って~な二人。
次第に幼少期から攻めの中で蓄積されたクソデカ感情が、心の一番深い所で渦巻いているのを自覚していくのが見ていてもどかしくなります。
私は独占欲の強い執着攻めが苦手なのですが、この作品の攻め・きぃくんにはそれを感じなかったのが好きポイントでした。執着攻めではあるし、独占欲丸出しではあるのですが、だからといって受けを束縛するわけではなく、ちゃんと本能で自制できている感じが好きなのかも...?
そして受けの春人くんも無自覚に(?)心の中に常にきぃくんがいるのが愛おしい!!感情の起伏が緩やかな子だけど、独占欲を垣間見せるシーンもあり...♡
二人の信頼関係が行動から見て取れるのが素敵な部分でした。
二人の関係を動かす火種になるキャラも、また魅力的で応援したくなっちゃいました!
キュン×フェチのえちえち作品ですが、プラスで物語の構成も上手な作品でした❤
攻めがきっかけで女装+ひとりで...♡が趣味になってしまった受けの子が可愛くて...♡しかも生徒会に所属する優等生!!!(こんなの嫌いな人いないですからね)
えちは期待通りの濃密さでありながら、物語やキャラクターの内面も緻密に作られていたのが良い意味で期待を裏切られました。どうして受けの子は女装癖を持つようになったのか、攻めの子は何を思っているのか。これらが徐々に明かされていく構成と、理由付けの部分がきっちりしていて、ただ「萌え」だけで終わらせないのがグッときました!
「好きなら脱がせて。」というタイトルの回収っぷりにも圧巻です!
いつもキャラの属性を考えて読んでしまうのですが、この作品の主人公たちは「一言で属性をまとめられないな」と感じました。
それは、二人が「キャラ萌え」としてではなく、一人一人の人間として描かれていたからじゃないかな~と思います。
この物語は、未来から高校生時代を振り返る構成が取られているのですが、高校生のぎこちない感じとか、言いたいことがはっきり言えない感じが鮮明に描かれていて、青春時代のもどかしい空気感が読んでいて伝わってくるのが素敵でした。
現在軸に戻っても、完全に「大人」になるのではなく、二人のままで数年成長したことが二人の行動から伝わってきます。
上野先生は凄く繊細に人間像を描くのが上手な方なんだと感じる素敵な作品でした。