ありそうでなさそうで有りそうなお話し。タイトルに「ん?」と思ったのですが、読み終えると納得できますよ。不思議なタイトルですよね(笑)
時代背景や受攻の関係など、この物語の大事な要素になっていて、不可思議なことが起きてもすんなり入ってくる感じです。私がもともと妖怪系やちょっと不思議な出来事や特別な能力とか好きなので。
その他の登場人物(人物?じゃないのも)も、物語を更に引き立ててくれているように思います。特に猫(?)の桑葉が可愛くて可愛くて大好きです。
木原音瀬先生にしては、ほんのりほわっとする作品だと思います。
『牛泥棒』に少しでも「なぜ?」と思ったら読んでみて欲しいです。
それぞれの立ち場だったらこんな感情だろうなと、考えさせてくれる作品でした。というのは登場人物すべて(モブ含め)の考え方や感情に共感できるといいますか、特に滅多に口にしない相手にぶつけない負の感情がありありと書かれていたり発せられたりが『自分がこの立ち場なら絶対そう思うよな』でも、俯瞰して読んでんでいるので、ふだんは分からない味わえない個々の登場人物の感情が活字でぶち込まれてくるので、題材は重たいめの内容なのですが非常に面白く感じました。でもくり返しますが内容重めですよ。
危うくカバー裏の「その後のふたり」を読み落とすところで、終わり方にモヤモヤしていたのですが、ココで回収されて満足でした。私ならどうするだろうと考えさせてくれる素敵な作品でした。