高校では恋愛に全力投球してみたいと意気込む陽太と同じクラスのイケメン真斗とのお話です。
クラスの女子からはイケメンで爽やかな真斗が人気で、真斗以外の男子である陽太たちはモテません。
少女漫画のような恋愛を夢見る陽太ですが、真斗の本当の「性格が悪い」姿を知ってしまいます。真斗は、普段は爽やかな男子を演じているだけなのです。陽太は真斗からデートを通して、モテる秘訣を教えてもらうことになりますが、水族館、ボート、映画などは、定番のデートなのかなとも思います。
真斗の姉だけが、真斗が猫をかぶっていることを知っているのですが、そこに陽太が加わりますが彼は全く動じません。
どこまでも真っ直ぐで単純な陽太と、腹黒な真斗のお話でまるで少女漫画のようでした。
時は明治、発電が普及し、灯りの動力源がランプから電力へ代わろうとしている時代です。
技師の佐伯亮二と外国人のエドワードは、新たに水力発電所を建設する地に赴任してきます。
今では佐伯の片腕とも言えるエドワードですが、もともとエドワードは言葉が話せず、視力もあまり良くない大柄な外国人でした。伯がエドワードの素質を見抜き、異国の地で彼に役割を与えていったのです。
エドワードは、佐伯の役に立ちたい気持ちから、いつしか佐伯の特別な人になりたいと思うようになります。エドワードが佐伯との関係を「水主火従」の関係で居られたらいいと言っていたのが心に残りました。面倒を見てくれた佐伯への恩義を恋愛感情を越えてはいけないとこらえるところが切ないです。
いつも研究室にいる有路は、醸造の酵母、花酵母を研究して、よい香りの日本酒を造ることだけしか考えていない堅物の学生です。
同じ研究室の後輩の高階は、有路の研究している姿、酵母ではなく、有路の体臭に強く惹かれてしまい、出会ってからというもの有路の体、白衣をくんくん、スースーしてしまうのです。有路そのものに惹かれたわけではなく、匂いに惹かれたようですが、有路からも「趣味わる…」と言われてしまう始末です。
学者肌のような有路は、研究以外には興味がないようで、その彼の才能、努力の姿から嫉妬され、意地悪もされます。研究を邪魔しないでもらいたいなと思ったのですが、有路はそれすらも目に入らないほど毎日培養を繰り返していて、彼は培養しか興味がないことがよく分かりました。
高階がことあるごとにクンクン、スースーしているところは笑えます。
明神酒店で住み込みで働いている青年の透は、人間のなりをしていますが、本当は狸です。狸が人間に化けて村の中に溶け込んでいるのです。
透が雷に驚いて、狸にもどってしまったところを見られたのは、同じく人間に化けていた狐の蓮之介です。
明神酒店の店主であるおじいちゃんが旅行に行っている間は、透と蓮之介の二人で酒店を切り盛りしていきますが、狐と狸故、相容れない部分もあるようです。
私は村の人がみんな透と蓮之介に優しかったこと、二人が食事を用意したりするシーンが人間らしい営みであったことが印象に残りました。
狐と狸が番になるのは、蓮之介の生まれ持った身分もあってなかなか大変なことなのだと分かりましたが、人間に化けてしまえば何でもできてしまいそうな気さえします。
明神酒店で住み込みで働いている青年の透は、人間のなりをしていますが、本当は狸です。狸が人間に化けて村の中に溶け込んでいるのです。
透が雷に驚いて、狸にもどってしまったところを見られたのは、同じく人間に化けていた狐の蓮之介です。
明神酒店の店主であるおじいちゃんが旅行に行っている間は、透と蓮之介の二人で酒店を切り盛りしていきますが、狐と狸故、相容れない部分もあるようです。
私は村の人がみんな透と蓮之介に優しかったこと、二人が食事を用意したりするシーンが人間らしい営みであったことが印象に残りました。
狐と狸が番になるのは、蓮之介の生まれ持った身分もあってなかなか大変なことなのだと分かりましたが、人間に化けてしまえば何でもできてしまいそうな気さえします。
沙倉之一族の子供である真路は、第二の性をオメガと診断されてから、座敷牢に閉じ込められてしまいます。真路は、元々は絵が好きな明るい子供だったのに、沙倉之一族からすると、アルファこそ一族のすべてであり、アルファ以外の人間を認めないためです。
沙倉之で世話人として勤めている冬冴は、小さい頃から真路を知っていますが、冬冴の本当の狙いは、姉である夏乃が沙倉之家で働いていたときに死んだ理由を探ることと、沙倉之に復讐することです。
あまりにも利権が絡みすぎて、誰が善人、悪人かが分かりにくく、冬冴と真路以外は信じられなくなるような気持ちさえ感じました。
アルファの産み分け、座敷牢への閉じ込めは、現当主である祖父の策略ですが、一族の後ろ側、利権争い、ドロドロした部分が見えてきます。財閥という特殊な家系だから大変なのでしょうが、真路の兄、一清の気持ちには気づきませんでした。
大学生の大吾と双子の兄弟である慎と仁は、いとこの関係です。
仁が実家を出るため、大吾は春から深町家の仁が使っていた部屋に住むことになります。
大吾は仁のことが昔から好きなのですが、仁がおおらかなせいか、その気持ちに気づくことは難しいようで、大吾と仁は入れ違いになってしまいました。
しかし、仁の双子の兄である慎が、大吾の事を性的な意味で好きなので、ひとつ屋根の下で仁の過剰とも言えるスキンシップが始まるのです。
慎も仁は双子なので、顔も声も同じなのですが、性格がまるっきり違います。慎の俺様、傲慢さやセクハラ発言にうんざりしてしまう大吾の気持ちもよく分かりました。だけど、大吾がだんだん仁を好きになってきて、ちょっと不思議でした。
棗と葉介は幼なじみですが、棗は葉介の隠し撮り写真を持ったり、葉介の部屋に盗聴器らしきものを仕込んだりと、幼なじみ、想い人というよりかは、こじらせた思いを抱いているようです。
葉介は棗の行動を知り驚愕し、棗から逃げようとするのですが、葉介は棗と学校も一緒なため、どこでも顔を合わせてしまうのです。
棗は葉介と小学生で出会いますが、小学生から「葉ちゃんの成長日誌」をつけて、58冊まで続いているようです。もう筋金入りのストーカーだと思いました。
葉介が単純なせいか、ふたりは友達以上の関係になっていきますが、棗もちゃんとした恋愛は初めてだったのですね。自然体でストーカーができる棗の気持ちはなかなか理解されないかもしれません。