たまたま流れてきた試し読みで気になって、買ってみました。初夜失敗が好きで。ただ帯ほど、本編では初夜再挑戦の部分は重要な要素とは感じなかったな。
本題のテーマは恋愛感情と才能への嫉妬のせめぎあいってところなのかと思いきや、"才能への嫉妬"の表現が筒美(表紙右/旅館の支配人)の心内と、壬生への告白のシーンで終わっていて、結局壬生と付き合う中でどう折り合いをつけていくかというところが描かれなかったのが残念。恋愛パートに付き合うという落ちをつけるなら、自分は嫉妬の方をどう落とすのかが気になる。もっと付き合うまでをコンパクトに描いて欲しかったなぁ。もし、帯の通り初夜をやり直すことがこの作品の1番のキモならそれはそれで足りてないし。
大学生壬生に良い感情が持てなかったから、成長してる様が描かれてたらもっと主役への好感が増した。こういうところも地味に作品の魅力というか、作品全体をより好きになるかに影響してくる。徹底的な暴君で、才能によっかかって生きてるならそれもそれでいいんだけど、それならそっちがもっと派手に描かれてれば…まぁ個人的な好みの話です。レビューなんてのは全部好みの話ですよ。
と、絵柄は好きなだけにいろいろ求めたくなってしまった次第。
思いがけず修正が薄く(シーモアで海王社ってこんなだっけ?となった)、特に1話の初夜シーンでの壬生と筒美のモノの描きわけ(サイズと色!白抜きだったら分からなかった色!)から作者の気合いを感じでだいぶ期待が高まったこともあり。
萌〜萌2
上巻レビューではケモナー目線の萌えどころを書かせていただきました。初エッチの描写で寅野さんの指がやや細く見えるのがちょっと残念。上巻の頃の方が太くなかったか?一般男性なんかより、もふくて太くあってこその虎獣人だろう!!!舌が長めなのは大変良かった。
下巻、面白かったけれども、子持ち作品で100回は見たというお決まりの展開でイマイチもりあがれなかった。本当の親が現れる→揺れる主役たち→子が迷子になる→幸せに暮らしましたとさ…100回見た。もうちょっとひねった何かがあって欲しかった。
明記されてなかったけど名前呼びに関するおまけ漫画1枚はシーモアの特典なのかな?寅野から快晴へのさん付が好きだったので、よいおまけでした。◎
発売から日が浅いのにKADOKAWAクーポン対象なのか。
ケモナーの人の感想です。
ガタイのいい獣攻め好き!もふもふ!それも耳と尻尾だけみたいな獣人ではなく、しっかりマズル有りの獣人ですよ!ガタイが良いもふもふ虎獣人が「未婚の子持ち」を自称してくる破壊力たるや。
ケモナーであり、BL作品に出てくるハプニングバー大好きな人であり、テント描写好きとしては、上巻の見どころは完全にそこでした。獣人が「でっか…」って思われちゃうの大好き。寅野さんは人であってもきっとでかい。
しろうさんと冬子さんみたいな獣人の描かれ方も可愛くて好きです。ポメラニアンだったのか(カバー裏)。読み飛ばしてたので気づいてなかってたけど、下巻読了後に読み返してたら、上巻カバー裏に本編終了後のネタバレが。
普通に考えたらこの2人この後殺されるよな、って思うんですけど、随分と穏やかかつラブに溢れた空気で終わります。いいのか?それでいいのか?スイートホームを歌ってるけど、殺されかける程の追われ方してるなら、実家なんてとうに押さえられてて、というか所有してる土地付き一軒家とするとむしろ絶望度が増す。スイートホームのタイトルが恐ろしげなものに。
そんなわけで、仮に続編があるのなら納得できる可能性こそあれ、命取られる緊張感をフリに使っておきながら、最後そこを無視し切っちゃって回収しないのはな〜
2人のキャラクターは流石akabeko先生というか、立ってて好き。怜慈はもっと頭弱いことが強調される描写があっても良かったかも。これだと希雄(みんな大好き『蜜愛』の)より頭良さそうだ。あ、頭はそこまで弱くないけど心が弱すぎて道を外れるタイプなのかもしれない。
光が「らぶ」とか言い出すのも面白かった。
出せないサイが好きです。もともと性欲強くないってとこが解釈一致すぎて。かわいいなぁ。策略家のフリして熱い男なんだろ。かわいいなぁ。
しかし自分の中での優勝はピーチ姫。あれは虚をつかれた!あぁそうくるか!と。ツインテ病み女とかテンプレすぎて萎え…ぐらいのテンションでページめくったらなるほど過ぎて。強火古参ファンを身内にいれてたんかい。
レビュー書くために読みながら振り返ってるうちにだんだんやっぱりサイ、可愛いなぁ、面白いなぁと思ってきてしまった。トランプをばら撒くとこで「ダセェ!」と思ってしまったんだけど、このときカメラ回ってんのかな。後で見返してダサさにのたうち回って欲しい。
完全にカッコいい演出だと感じた読者の方や、先生がそう描かれてたら本当にすみません。冷笑よくない!
しかしこんな感じで読んでるからこそ、あのピーチ姫のフリオチが好きってのもある。同じような理由で「どーしてそれを」のくだりもかなり好き。サイくんが衝動で病み配信するわけないんだ!全部計算!その後の照れは本物!…あぁ段々自分も厄介オタクに。
『鵺の啼く夜に』がツボすぎて暑苦しいレビューを書いた程にmiso先生のファンで、あとがき答え合わせも大好きですが、今回のあとがきは違う方向から好感をもつ内容だった。そういう作家さん好きです。
下巻の内容にうっかり触れるかもしれないので、気をつけますが何卒ご容赦ください。気をつけすぎてあまり中身がないので、下巻しっかり書きます。
サイ(表紙)がものすごく恥ずかしい男なんです。それがいい。意図してそう描いてるのかは分からないけれど、ダサさが一周してカッコいいけどやっぱりダサい、みたいな。これで何らかの才能が無かったらダサいだけで終わるところ、何らかの才能があって良かったね、今までは少なくともうまくやってられて良かったね、という。ダサくて可愛い男よ…嘘ついてるフリして、割といつも正直…なのを隠すために裏がありそう感を出して予防線を張る…あぁ可愛い男。
コマはサイのカッコいいところが好きだけど、ダサくてもそこすらカッコいいと思ってくれそうだし、可愛いと思ってくれそうなところがいいCP。
お休みされてたんですね…!なんと6年ぶりの単行本。1巻から読み返して、いい作品だなぁとしみじみ。いつのまにかほぼ登場しなくなった歩くん。犀川先生と歩くんのCPも好きですよ。この2人は読み切り用のキャラクターだったからまぁ広がらなくても仕方ないのよね。
さて、一方でこの加賀という男ですよ笑
笑っちゃった。数多いるBL漫画の攻めの中でも(元々突飛な作品や人物は置いておいて)、かなりしっかり個性を描かれていて本当に面白いのです。元当て馬のバイで、攻めだけどEDで、でも自信満々な歯科医師(経営者)で、でも寂しがり屋で、突然指輪とか買っちゃって、それを隠しちゃって、海外に行く恋人に行かないでとか行って、おもしれぇ男…きちんと一人の人間の個性として納得感があるのもまた面白い。
金沢くんもまぁ面白い男で、元々サブキャラだったのにこの堂々とした主役ぶり。この巻を読んで、そういえば彼ってここまで弱ったことなかったなと気づく。彼氏に連絡しなかったことを「忙しくて」と言っちゃう図太さと「ずっと加賀さんのことを考えてたから」で許されちゃう朗らかさ。こんな健康的な彼が胃が痛くなるのは仕事にも加賀さんにも真剣だからなのよね…2年の研修のはずなのに成果が…とか言い出すのは無理があるけどね。
高久先生がご病気をされたにも関わらず、この作品を完結させてくださることに感謝せねば。
本当は自分のレストランに引き抜きたかっただろうな。手紙まで送って。
著者近影にある通り、4,5年前の作品だそうです。はなぶさ先生のかつての絵柄も好きなので、違和感なく読んでいたら、描き下ろしまできてこんなに絵柄が変わってたのかと驚きました。表紙も違う!今の絵柄の方が目が切れ長になって派手というか美人感が強いですね。描き下ろしの石清水先生の美しいことよ。
最初に継田先輩と出会っていて、彼ではないことは明らかな構成がなかなか考えてあるなと。あえてミスリードは狙わないことで気づかせない感じ。まんまと驚いてしまいました。キスを嫌がるのはそういう…なるほど。読み返すと、これ「どんだけ入れてんだよ変態」とか大興奮だっただろうな!「キスしちゃだめ?」とか弁当屋に自分から来ちゃうとことか、背景知ってから読むと大変可愛い。ただの変態かと思いきや笑
集中していれば2話の「坂上」から気づけたのか。
マチアプ初対面の男やセフレに「先生(センセー)」って呼ばせてる石清水よ。認められたいという欲求の方向か、プレイというか性癖の方向かどっちだろう。2周目の方が石清水先生の人としての面白さに沢山気づける。二度美味しい作品だった。