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女性いちご狂さん

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点が線になる時

おいおいおいおい、上巻では蛍が血濡れで死にそうで助けなきゃいけない存在だったけど、下巻では寧ろ晶がヤバいぞ!
というか、互いに互いを助けようと動いてるのだけど、時系列からするとやばい事に最初に首を突っ込んでしまったのは晶の方で。
(ヤバいことというか、人助けなのだけど...。)
助けていたのは蛍の方だったんだ!!!と。

あの蛍になにか訴えてた幽霊はそういうことだったのーーー?!?!と分かったシーンはブワッて感情が溢れました。
蛍と同じであぁ.........って。
すごいなぁ、面白い。
AやらBやら出てきてややこしいのだけど、ここで2巻冒頭で晶が蛍が見ているのは複数の世界線という話が絡んできて、あぁだから1巻からABと説明していたのかな?とも思えてそれにもなるほどなぁと感心した。
時間軸の把握が難しかったので、正確に読めている自信が無いんですが、なんとなーくの把握でも面白く読めました。
もっとしっかり時間軸を把握して頭の中で組み替えることが出来ればよかったのだけど、私には難しい...そして蛍の立ち位置の把握が難しい...同じ蛍だけど世界線が違うということでいいのかな。
この辺がしっかり汲み取れる方はもっと評価があがると思うのだけど、私はその辺が怪しいので神には達せなかったし、分からない(理解が及ばない)ことがもやっとしてしまい。
でも、点と点が結ばれて線になるのを感じられる作品でした。
ひいじいちゃん.........。

最後がちょっと駆け足だなと思ったんですが、日高先生も分かっておられたことなんだなと、あとがきを読みながら納得。
こういう裏話が聞けるとまた読み方が変わるというか...あれはENDだけど描き下ろしのAfter BA含めたものが真のENDなのだなと思いました。

評価は悩みました。
私には理解が難しくてハテナな部分があるので萌くらいかな?と思ったりもするのだけど、早く続き(下巻)が読みたい!!と思わせられたり、点と点が繋がってブワッと鳥肌が立った場面があるのはやはり日高先生の筆力の高さゆえだと感じるしで、萌にしておくには低い気もして。
推理物みたいで楽しいのだけど、理解力も必要な作品です。

6と7 コミック

凡乃ヌイス 

汲み取りきれない部分もあったけど好きなお話

闇の腐女子歓喜な作品なので、我こそはと思う方は手に取ってみてほしいです。

↓↓↓ここから下はネタバレしまくりますのでお気をつけください。

七海の方が宇宙人(?)なのかなと思っていたので、禄斗が人間じゃない側でびっくり。
あの口移ししてるのは例のお肉...ですよね?……え?七海もすごいな....(衝撃)
それともお肉じゃないんだろうか、サーモン?いやでも七海のお皿の上にサーモンはないと思うしやっぱり例のお肉…だと思う。(何回か見返した)

読み進めているうちに、6と7にはそういう意味があったんだなとタイトルと名前の意味を理解しました。
ていうか七海……七海が禄斗の為に一線超えすぎていて。
禄斗も何者か分からない怖さがあるけど七海も怖い。どタイプだけど怖い。
いくら記憶を曇らせられたって、いくら好きな人のためだからって、人殺しできる人は少ないと思うのだけど、宿主はみんなこうやってご飯を与えてあげてるってことですよね......どうしてそんなことができるんだろう...宿主全員病んでるということなのか…一度大切な人を失った経験があるから二度と失わないために手段は問わないくらい必死ってことなのか...。

すごく好みのお話で面白かったのだけど、正直なことを言うと最後がよく分からない...。
これは死んでしまったのは人間の七海だけということですよね...?
でも服(?)が違う...服が違うと思って考えていたけど、シートを被せられているのか?(理解力...)
で、あの裸の黒髪の子は姿を作りかえた禄斗ということ?
ブランコに乗ったマフラーの子は?赤の他人?七海の生まれ変わり???
分からない...好きなんだけど分からない...。
本編だけでは私はこんな感じに汲み取りきれなかったんですが、シーモア特典を見てあぁやっぱりそうだったんだと理解できたこともありました。
私みたいに思った方がいらしたら、見てみられるとスッキリできるかもしれません。
メリバ作品に該当すると思うんですが、最後のブランコに乗ったマフラーの子と裸の黒髪の子が2人の生まれ変わりなのか、片方は赤の他人で片方は禄斗なのか、はたまた2人とも赤の他人なのかで読み終えて残る感情が変わってくると思うんです。
その辺がもう少し分かりやすかったら神作品となっていたかもしれないので、惜しいなぁと思いました。

話が変わりますが、私も魚が好きというわけではないけど水族館の雰囲気が好きであの場にいると落ち着くタイプなので、七海の気持ちがよく分かります。
お仲間さんで嬉しかった。

作中で出会った褐色肌の子達のエピソードでスピンオフが描けそうだなと思ったんですが、(そしてそこで最後の子達のことも触れてもらえたら...とか思うんですが)これで終わりなのかな?
もし続きが出たら買います!

シーモア→白抜き

上下巻読んでからでないと真に評価できない

日高先生の作品は全て拝見しているのですが、私はどれもが刺さるという訳ではなく刺さらない作品もあるのだけど、好きな作品はBL読書歴の中でもトップクラスに刺さるというタイプの読者です。
なので、新作が出る度に今回は刺さる日高先生かな~どちらかな~と読むのですが、うーん上巻だけでは判断がつけられない。
でも面白かった!!
個人的には現段階で前作よりも好きです。
ルックスもとても好き!
日高先生の眼鏡(正確にはサングラス)キャラ嬉しい!
設定も面白い!
過去と未来が入り交じる時間軸の把握が難しいけど、この複雑さがこの作品の肝ですよね。
後半一気に面白くて、ここで終わるの?!早く続きが読みたい!ってなりました。
上下巻纏めて読んだ方がいい作品です。

内容についても少し触れておこうと思います。
本作は過去に存在した“何か”を見る力を持っている蛍と、この先起こりえる“何か”を見る力を持っている晶のお話です。
アノマリー(異質)な力を持っているため不思議なお話で、1巻は推理モノでもあるというか謎解きしながら読む感じです。
ひいじいちゃんの話いわく、蛍と晶は表裏一体というか、互いに互いの力を補い合うようにできているようで。
ひいじいちゃんが沈んで戻って来れなかった暗い場所というのは蛍が囚われている“間”のことなのかな?
蛍を救うお話かと思っていたら、蛍も晶を救おうとした結果そうなっている感じだったのでこういうことだったんだ...!となりました。

“間”にいる蛍は霊体のようなものだと思うんですが、晶が蛍を触ろうとしたらすり抜けるのだけど、ドンッてぶつかっているシーンがあって???となってしまい。
あれはドアにでもぶつかった音なのかな?と疑問に思っていたら、後半の方で晶も「実体がないのにどうして俺に触れることが出来たんだろう」と言っているので、やっぱり触れるらしい。
晶が触ろうとしてもすり抜けてしまうけど、蛍からなら触れるってことなのかな?
まだよく分かりません。

蛍の片思いな状態で10年疎遠になっていたみたいだけど、キスやハグのあと晶も頬を染めていたりするし嫌という訳ではなかったんじゃないかな?と思いながら読んでいたんですが、やっぱりそういうことでいいのかな?
あちらでもこちらでもすれ違ってるけど、すれ違ってるだけで気持ちは交差してるんじゃないかなーと思いながら下巻に行ってきます。

素晴らしい画力と世界観

前作に引き続き、繊細で緻密な筆致の素敵な絵でした。
一コマの描き込み方がすごくて、どれだけ時間をかけて描かれているんだろうと思います。
一コマ一コマが1枚絵のような見応えです。
イグナートの鱗を煎じて飲んだあと、苦しみながらも笑うリタの表情がすごく繊細で。
この表情を生み出すのに時間がかかったんじゃないかなと見入ってしまいました。
あと楽しそうにしている笑顔にも儚さが混ざっていて...素敵です。
読む前はそばかすっ子だ可愛い!と思っていたのですが、私の思っていたそばかすとは違う理由があって。
私は購入した本を読む前に電子の試し読みを読んだんですが、(確かその時は増量していた記憶です)半分以上まで読めていたんだなぁとびっくりしました。
今でもやっているのかな?
まだこの本を手に取っていない方がいらしたら、とにかく試し読みだけでも...!と勧めたいです。
きっとそのまま購入したくなると思います。
イグナートの「死なないようにだけしていればいい」に込められた意味が読んではじめて分かります。

スヴェンはいい男です。
あんなの好きになる。
イグナートとリタ、これからは寄り添いあって寂しくなくなるといいな。
互いに互いを必要としあう幸せな2人になるといいな。(その予感はあります!)
2人が出逢えたことが嬉しいです。

「好き」です…!!!!

いつもまっすぐ正直な十嘉とそれができない五十鈴。
まだ隠そうとしてしまうけど、背中を押してくれた十嘉の言葉で五十鈴も少しづつまっすぐな気持ちを出そうとする。
逡巡を打ち消す「五十鈴の「大丈夫」はあてにならない」。
驚いたし、嬉しかっただろうな。
十嘉は五十鈴のことをよく見ているし、五十鈴も十嘉のことをよく見ているから。
誰も分かってくれない、誰にも言えない葛藤を抱えた2人だけど、自分の奥深くを知ってくれている人に巡り合って、今まで気づかなかったことに気づいていく。
あぁ、「好き」だなぁって噛みしめる。

音楽は傲慢になってはダメで、伝えあうことが大切。
まずは楽譜に寄り添うこと、聴衆に誠実たらん姿勢を向けること、次はそこに自分という人間を乗せること。
私は音楽の才とは無縁の人なんですが、オベール先生の言葉と近しい意図なんじゃないかなということを習ったことがあり、表現することの奥深さ、汲み取ることの難しさ、自分を出すことの大変さを、あぁ私にもそんなときがあったなぁと重ねて思い出し懐かしく思った次第です。
もがきながらも着実に前進している十嘉が眩しい。

すごくきゅんとしたコマがあるんですが、電子サイトによってページが違ったりするのかな?シーモアでいうと39ページ2コマ目。
拍手してくれた五十鈴を思い出してバイオリンケースの持ち手ぎゅっとしてる十嘉。
あと、73ページの1コマ目の笑顔。
この表情可愛すぎませんか?
勿論五十鈴も可愛いんですよ。
80ページの4コマめとか、130ページの6コマめとか、152ページの3コマめとか、167ページの1コマめとか、170ページの4コマめとか!
すみません、挙げだすとキリがない。
コロコロ変わる豊かな表情が可愛くて。
あと、表情じゃないんだけど、126ページの5コマめのソファに正座するところとか!
82 ページの玄関で脱がれた靴も好き!
性格というか、キャラクターがよく出ていて、本当に存在しているというか…生きていると思ったシーンでとても好きです。
しかも227ページの1コマめ、ホテルではちゃんと向きも揃えて綺麗に並べてるんですよ。
ホテルだからちゃんとしただけなのかもしれないけど、十嘉の緊張感みたいなものも伝わってくるというか。
あとね、バイクで二人乗りして十嘉の腰に回した五十鈴の手にポンポンってやってたやつ。
あれすごく可愛い…!

人の気持ちに寄り添うことの大切さを伝えてくれる作品で、それが器用にできている(無理しているかは置いといて)のが五十鈴…なんだけど、2巻では十嘉が五十鈴の配慮を上回っていたことに驚いて。
迷子の子に遭遇して、普通に話しかける十嘉に、五十鈴が「大きい声とか大きい大人が怖いかも」と筆談でお話する提案をして文字で話しかけるんですけど、十嘉がまだこの子は文字が読めないんじゃ?って気づいて筆談を声で通訳してくれるんです。
怖がらせないように子供の目線までしゃがんで話しかけていた五十鈴に習って自分もしゃがみこんで、優しく。
こういう日常の何気ない出来事からにじみ出る人間性って何より雄弁じゃないですか。
五十鈴が優しいのは伝わりやすいけど、2人とも優しい。
そして、この出来事からも十嘉は学んでいるんですよ。
喋らない子供の気持ちを汲む五十鈴を見て、はっとして。
きっとそれは彼の奏でる音楽にも多大な影響を与えることになる。
五十鈴にとっても十嘉の存在はとても大きくて。
十嘉が海で聴いた音を音符の音で教えてくれたシーンが、十嘉が絶対音感ということに関心すること以上に、五十鈴に聴こえない音を誰よりわかりやすく教えてくれた、五十鈴が音を楽しんだシーンとして心に響きました。
「海と同じだ」
「海の音と僕の手を鳴らす音が一緒なんだ」
耳が聴こえないというハンディがあるからこそ、余計に大事に感じられた台詞です。
胸がきゅっとなりました。
十嘉は音を楽しめないというけれど、十嘉は五十鈴にとって音で楽しませてくれる人。
互いの願いが互いの存在で叶ってる。
「“特別”な人にしないで。でも君の特別にして」
2つの、意味の違う“特別”。
五十鈴の今までの寂しさと、これからの希望が重なり合って胸に響きました。
これからは恋人ですね!
1巻の特典リーフレットで、五十鈴は喜怒哀楽が豊かだけど、十嘉は表情があまり変わらないってお話があったけど、あれが信じられないくらいよく笑うようになって。
五十鈴といることで喜も楽も沢山溢れていて、こちらまで嬉しくなりました。

描き下ろしが十嘉視点だったのも嬉しかったです。
あの日のこと、そして恋人になれた特別な今日のこと、大切な時間をこちらも噛み締めました。
次巻で終わるとのことで、寂しさもあるけれど、この胸の高鳴りが衰えることない巻数で2人を見守れることを嬉しく思います。

話は変わりますが、オベール先生が喋る吹き出しに薄っすら英文(じゃない気がするけど何語ですかね、教養…)母国語が被さった吹き出しが描かれているんですが、丁寧なお仕事をされていて。
縦向きの吹き出しに横向きの吹き出しの多国語を重ねる表現をされて描かれる作家さんには出会ったことがあるんですが、こんなふうに副音声に見えるように1つ1つ丁寧にボカシを入れて表現する作家さんは私は見たことがないです。
回想の吹き出しや、周囲の雑音も、聴こえていないはずのそこにある声なども、こういう表現を他の作家さんでは見たことがない。
デジタルを駆使した、丁寧な拘りを感じる手法で、麻生先生らしさだなぁと思っています。
線画はアナログで、アナログならではの繊細な美しさがあるのに、そこにデジタルでしか出せないブレやボカシの表現を印象的に組み合わせるのがお上手。
揺れる描写とか、スピード感の表現とかも。
このどちらのツールの魅力も駆使されている感じ、先生の作品を読まれたことがある方は体験されていると思うんですが、いいですよね〜!!

麻生先生作品の中で1番ルックスが好みです!

楽譜は読めず、弾き方は動画で、音はCDで、独学でバイオリンを弾く音大生の十嘉と、重度難聴でディトレーターをしている五十鈴のお話。
十嘉は周りの音が聴こえないくらい音楽に没頭する程バイオリンが好きなのだけど、独学故に楽譜はわからないしちゃんと指導されてこなかったから自分の世界に入り込みがちで、自分の中の音を観客にうまく表現できないこと、音で気持ちを伝えること伝えあうことが欠けていて、独りよがりになりがち。
どうしたらいいのか分からなくなっていたときに出会ったのが五十鈴。
一緒に過ごしている間に、五十鈴と出会えたことで伝えること、伝えようとしてくれていること、それを読み取る心を育んでいく十嘉。
そのお陰で、奏でる音色にも変化があって。
五十鈴といると視界が変わる、今まで気づかなかった大事なものがそこにあると知る。
一方の五十鈴も、聴こえないハンディがあるからこそ気を張り気を配り弱音も吐かず踏ん張っていて、でもそれを誰にも言わずに強く生きようとしていて。
本当はつらいとか、本当は寂しい気持ちを十嘉には少しづつだけど言えるようになりそうというか。
まだ解れきってはいないんだけど、自分のことをよく見て知ろうとしてくれている十嘉に嬉しさと安心感を感じ始めていて。
友達に頼まれて無理して行ったパーティーで無理が祟って倒れてしまうのだけど、十嘉が助けに来てくれたことで、より心が解れるんです。
スマホの画面に、
「1人で寂し」
まで打って、
「1人で」まで消して、
「1人で心細い」に書き換えて、
最終的に「1人で退屈してたから」「来てくれて嬉しかった」としたその葛藤を、本心は伝えられていないけど全て受け止めるかのように「今度はもっと早く呼んで」と微笑んでくれた十嘉に、心がほっと解れて。
私は耳も聴こえるし五十鈴のような苦労はしていないけど、メールやライン、人に伝える文章を何度も読み返して言い回しを直して、自分の本心はもっと直球だったりオブラートに包まなかったりするのに、相手への伝わり方を気にして整えてしまう癖はあるので、なんだか気持ちがわかってしまって。
整えてるんだけど、同時に本当の気持ちを塗りつぶしているというか。
それがいいことなのか悪いことなのか分からないけど、面倒くさいなとか直さず言えたらとか思いながらも訂正を繰り返してしまう訳は、きっとありのままを伝えることに怖さがあるんだと思うんです。
五十鈴はしっかりしなきゃとか、そんなことを言ったら相手を心配させてしまうとか、もっと人のことを考えて強くいようとしているということが伝わってくるんですが、やっぱり弱さもあるんじゃないかなって。
そんな五十鈴が、本音を言うということは多分初めてのことで。
接点がないようで、全く似ていないようで、互いに人に伝えることの難しさと孤独に戦う苦しさを持っていて、カチッとハマりあう2人なんですよね。
五十鈴も十嘉のことを好きになり始めた気配が生まれたところで2巻に続きます。
麻生先生の仰るとおり、ゆっくり、優しく、暖かく進む恋のお話でした。

麻生先生は台詞のないコマで魅せるのがお上手で、無声映画の心地よさのような、それこそ絵から麻生先生やキャラクターの心情を読み取る楽しさや、読み取らせてくれる余白の上手さが光っていらっしゃいます。
十嘉が楽譜からの手紙を汲み取れた時の喜びのようなものを絵から汲み取れたような体験ができるというか。
あと、前作リバースでも小説(PC画面越しの文字)という媒体を使う表現を使われていて、他の作家さんではあまり見ないテンポ感と空気感を演出していてとても好きだったのですが、本作もライン画面やチャット画面、聴障者健常者のコミュニケーションアプリなどを用いた表現、発声していない五十鈴の声の表現がお上手でした。
音以外の方法で感情を伝えること、またその方法の模索に長けた作者さんだと思います。
あと、もう皆さん知ってるというか今更なんですけど、ペンの入れ方が本当に素敵で。
麻生先生の黒髪や眉、影の細かい“黒の表現”の美しさ、毎回ほうっと見惚れてしまいます。

予想外の

原作未読。
阿座上さんのお声も石谷くんのお声も好きです。
羽多野さんも脇キャラだけど大事なポジションで、おじさんっていうよりお兄さんだったけど耳心地よかったです。
少ない画像やあらすじからのキャラクター解釈しかできませんが、絵からも伝わる八神のダウナーな感じが阿座上さんの演技から絶妙に伝わってきてさすがお上手だなぁと。
石谷さんも可愛すぎず絶妙な塩梅であさひを演じられていてピッタリだなぁと思います。

八神が小さい頃に霊感があってそれが母親との関係に亀裂を生み、父親はどこでなにしてるんだかで家庭環境に問題があって、それで苦しんでいた時に救ってくれたのが雪平なんだけど亡くなってしまうので、しんみりする場面もあるんですが、全体的に落ち着いたトーン、どちらかというと可愛い系の作品で、耳に優しかったです。
びっくりしたのが、作中歌い出すこと。(原作未読だから余計予想外だった)
羽多野さんには申し訳ないんだけど予想外だったので、全然笑う場面じゃないんだけど初めて聴いた時はなんか面白くなってしまって。
でも聴いてるうちに頭の中でぐるぐる回って流れていたくらいなので、覚えやすい歌詞とリフで案外気に入ったのかもしれません。
更にキャストトークで笑ってしまって。
羽多野さんが話しているバックでその曲がBGMとして流されているんですが、なんか面白くなってしまい。
あまりBLCDで笑うことがないので、なぜか笑ってしまったCDという感想も残ってしまったんですが、聴きやすいCDでした。

こんなことを書いていますが、楢島先生の絵もキャラクターも好きなので原作も買いました。
また読み終わってから聴き返してみようと思います。
とりあえず未読の状態のままの感想で失礼します。

今後どうするか悩む

絵柄が……………
絵柄のことを言い出すと1巻の時点で結構変わっていっているので今更なんですけど、光陽がかわいくなってしまいすぎて私の萌えていたROMEOではない…誰だろうこの子はッッという感じ。泣
本巻からというわけではないのだけど、喋り方も随分可愛らしくなったと思うのは私だけでしょうか。
1巻のはじめの頃の雄味のある体型とお顔の光陽が大大大好きでした。(他のキャラも大分違うけど光陽の変化が1番つらい)
絵柄に思うところはあってもやっぱり面白くて、続きが気になって今まで読んできたんですが、お話も宇宙まで広がって(?)超次元のお話になってきて会話の内容についていくのが難しく、戦闘(襲われた)シーンは一体何が起きているのか分からず、キャラクターのお顔を見てもすぐに誰か分からずかなり考える間ができてしまい、名前を聞いても誰かわからないキャラもおり(登場人物紹介に全キャラいると助かる)…1、2巻の頃読みながら滾っていたパッションも感じられなくなってしまいました。
ここまで追っている方々は、あじあ先生の絵柄遍歴なんて関係なくお好きなファンだと思うのであまり気になさらないのかもしれませんし、私も普段は作家様の絵柄が多少なりとも変わることは年月を経ることの自然の摂理だと思うのですが、ROMEOは男前がロリに変わるくらいの大きな変化だったので気持ちが追いつかず。
前巻からのジェイドと光陽のバカップルっぷりにもおいていかれ気味で。
あと何年かかるのか、完結するのか分からないけど、完走したかったんですがどうしようかなと思いはじめています。
とりあえずしばらくは飛びつかずに皆様のレビューを拝見して様子見しながら考えたい。
今でも1、2巻を読み返すとものすごく面白くて本当に好きだし、ドラマCDも大好きなんですが。
(ここに書くのもアレですが、ドラマCDあんなに出来がいいのに途中までしか出なかったのは売上が芳しくなかったのかなぁ…それともキャストさんに経費がかかりすぎるのかなぁ…せめて音の世界の彼らで続きを見守れたら嬉しかった。)
こんな感想ですが、あじあ先生が楽しくお描きになられているのが読んでいて伝わってくるのはすごいなぁと思っています。
なかなかここまで好きが溢れてる作家さんもいないと思うんですよね。
元が同人誌というのもあるのかもしれませんが。

アニメイト特典小冊子はおむつ替え(の便利グッズ)のお話。
あの…スイメイって男の子だったんですか…?!
勝手に女の子だと思っていたのでびっくりしました。

Mの楽園 コミック

風呂前有 

ダブル眼鏡がありがたい

真弓は元々ゲイのSMに興味があって、でも勇気が出なくて願望だけ持っていたんだけど、喫茶店で出会った男の人に招待されて『楽園』というSMパーティに出ることになり。
願いが叶ったはずなのになんだか満たされない。
ある日倒れて、助けてくれたのが認定眼鏡士の匡臣。
実は匡臣とは一度電車で出会っていて、その時もいい香りだなぁと気になっていました。
香りであの時の人だと気づいて、素敵な人だなぁもっと一緒にいたいなと眼鏡を作ってもらいます。
表紙を見ての通り真弓が眼鏡さんなんだけど、眼鏡屋さんだからか匡臣も眼鏡さんで、受け攻めダブル眼鏡。
表紙に匡臣はいないので両方眼鏡さんだとは思っておらず、眼鏡好きには嬉しかったです。
匡臣は電車の時に真弓の首筋の歯型に気づいていて、楽園のことも知っていて。
S様か?!ギャラリーのひとりか?!と思っていたら実は……。

2人とも一目惚れというか直感でビビッときて惚れあったってことだったので、サラッとくっついた感がありました。
あと、時系列がいったりきたりする構成なので少し読みづらかった。
1話が短い作りなんですが、別にあそこで「おわり」と丁寧に書いて区切って収録せずに1つのお話として収録してしまった方が流れがスマートなんじゃないかなぁと思うんですが、私だけでしょうか。
淡々と進んでいくというか、前後編の読み切りを読んだような纏まり方というか…。
思っていたより軽く(?)サクサクっと進んだので、ここにすごく萌えたという盛り上がりは私の中ではなかったです。
なので萌え度でいうと中立に近いんだけど、SMモノも眼鏡も大好きなので取り上げてくだって嬉しい...の萌。

SMモノだけど激しくなくて、痛くないです。
初めて読ませていただいた作家さんだったのですが、絵柄が素敵です。
流行りのキラキラした可愛さではなくて、ほんわかした優しい丸みのある作家さんでした。
表紙のカラー絵より中のモノクロ絵の方が可愛らしい雰囲気だなぁと個人的には思います。
SM題材のお話を読んだのだけど、読み終わったあとも全体的に優しい印象が残っています。
可愛らしいSM(と言うと変な日本語ですが)作品でした。

匂いについて。
最初はいい匂いというのは匡臣の体臭なのかなと思ったけど、香りが違うってことは香水なのかな?
うーん、体臭がいい匂いな方が萌えるなぁ。
東雲さんのそばにいるゆみくん(真弓)のプレイ中もいる名前がない3人についても、ちょっと分かりにくくて。
プレイ中攻める側(?)だと思ったのでSの子達なのかなと思っていたんだけど、全員東雲さんに攻められるんです???(「今夜は寝かさないよ」)
ん?????
分からなくて皆さんのレビューを拝見したんですが、どなたも言及されてないので私の理解力が乏しいのかな...。

残念ながら

元々はとても楽しくエロく楽しませてもらっていたおげれつ先生ファンの者なんですが、だんだんこの作品のテンションについていけなくなってきてしまいました…。
気づけば10年以上連載されているんですもんね、10年経てば歳も取るので価値観も変わるんだなぁと、噛み締めたくもない変化を噛み締める次第です。
思えば、10年数年前はここまで局部や断面図等画がエロい作品も少なくて、ヤリ部は抜きん出てお馬鹿にお下品にエロい作品だと思っていたけど、今はすごい時代ですよね…そんな時代の流れも感じてしまいました。
誤解がないように書きますが、今でもBL史でとても画期的な貢献をしてくださった作家さんだと思っているし、作品の質が悪くなったと言いたいわけではありません。
本巻はエロ控えめ、やっちゃんと遠野のお話(学園祭)が多めで本の分厚さも薄めなのでいつもより控えめな内容な気はするんですが。
どんなおげれつ先生も大好きだったんだけど、マーメイドプリンスもついていくのがしんどいなと思ってしまったので、私がテンション高めの作品が合わない体質になったんだと思います。
あと単純にDKモノにも惹かれなくなってきた。(加齢)
ずっと続けていける作品だと思うし、何巻まで続くのか今のところ検討がつきませんが、残念ながら私は離脱しそうです。
しないうちに終わりが見えるといいのだけど難しいだろうな。
お好きな方もいらっしゃるのは重々承知なんですが(100万部突破おめでとうございます。)…個人的な感想はこんな感じです。

遠野の相手としてやっちゃんと加島2√ある状態で続いていますがどうなるんでしょうね。
あまりにもやっちゃんにスポットが当たりだしたので、ひょっとしたら加島じゃなくてやっちゃんなのかもしれないけど、やっぱり加島なんじゃないかなぁ、加島がいいなーと個人的には思います。
今回のキスで遠野がどう動くかで決まるのかな。
第三の可能性として、遠野はどちらかとくっつくのではなくこのままの関係で終わるというのもありえなく…はない…ですが。
ここまで続いたからにはどちらかと結ばれてほしいな。

あと本巻から絵柄が童顔になられたと思う。
個人的には前のほうが好み。
長く描かれていらっしゃるから、絵柄に変化がおきるのも仕方がないことなんですが。