今回は新キャラの登場が少なく、二人の絆をより濃く楽しめるストーリーでした、前半お誕生日会では別れとすれ違いとその先が、後半は旅行のお話でついに舞沢ご両親と宮、ご対面の時!
MIAシリーズなので暗くなり過ぎず面白おかしく繰り広げられてはいますが、どちらもBLとしてとても大切なイベントだと思います。
盛大な勘違いをしたままの舞沢と、身を引いたつもりの宮のすれ違いから始まり、偶然出会った舞沢母との会話で一度は誤解するも、そこから舞沢の変わらない想いを知った宮。
更に宮を取り戻すつもりだった兄・灯人の言葉は、結果的に宮の背中を押す事に(マッサージを受けている灯人兄さんの様子が何となくエロいのは気のせいでしょうか?)、灯人と叶人の意図も合っていなかった模様。
あちこちで噛み合わない歯車、勘違いや誤解が積み重なり、一周回って二人を良い方向に導く奇跡が起きるのだ。
涙しながらやり直したい事を伝える宮とそれに答える舞沢の会話、セリフだけ聞いたら一応噛み合ってはいる、実際にその場面を見たら、寄りを取り戻したいカップルの感動の仲直りシーンでしょう。
…が、我々の目には勘違いしている舞沢の心の声が全て見えてしまうため感動台無しwでもそれでこそ舞沢浩司、料理上手はイケてるポイントです。
すれ違いでさえ笑いを取りつつも、同時に互いへの気持ちがどれだけ強固な物であるか、きちんと伝わって来るストーリーなのが素晴らしい。
互いへの愛を再認識した後はもちろん…仲直りHは激しくなりがちだと思いますが、加えてオナ禁後なので更に相乗効果か!いつも通り心配になる修正ありがたや(紙本)。
ハンダ不動産の回は大いに笑わせて頂きました、見開いた時の絶体絶命感とその下にあるサイトの画像&内容の組み合わせでもう駄目だったww決してふざけている訳では無く真面目にデザインした舞沢が語るコンセプトは伝わらず…(^-^;
そして後半旅行パート、母さんの反応は予想通りでした、舞沢を産んで育てて、更に京極家ファンの多恵さんが宮を否定する訳無いもんね、すっかり打ち解けて微笑ましい。
問題は父さんの方だった…見た目は華奢なおじさんで少々神経質、二人の仲に父さんは難色を示し、しかもあの人達の登場で更に面倒な事に!
……と一抹の不安は過りましたが、最後まで読むと「ああ、やっぱり舞沢の父さんだね」となり安心、そして安全でした、舞宮の一緒なら命も惜しく無いようなあのやり取りも可愛かった。
二人のフォローに回ってくれる(欲望に忠実な)母さんカッコ良かった!そしてあの人達も全て裏目に出るのはいつも通り。
理解の無い家族の反対が障壁になるBLも少なく無い中、このお話は双方家族愛も感じて良かったです。
エロに関しては場所やシチュのせいもあり、今回は初心に帰ったような挿入無しプレイが多め、だからと言ってエロさと変態度は損なわれていませんでした。
チンをあの5文字に例えるのはあまり好きで無いのだけれども、この二人ならどんな変態プレイも気にならず笑って萌えて楽しめるなぁ…部屋の名前とか動物の置物とか細かい所にもネタがw
お笑いとエロのハイクオリティに加えて、巻が進むほどにラブの部分も一層充実してきて見ている方も幸せ!
甘くて楽しいお話でありながらも、毎回二人の行く先々には何らかの試練が待ち受けていて、協力して様々な困難を乗り越えて行くっていう、私の好きな要素も多々含まれているんだよなぁ、とより思わせてくれた4巻でした。
次はいよいよ同棲かな?あの物件大丈夫か…二人の事なのでまたトラブルに巻き込まれそうだけれども、一緒に乗り越えて行ける事でしょう。
私はこの3巻を読んで戦慄した…BL読者史上初めて見るあんな衝撃的なプレイを、よりにもよってこの二人がやってしまったからだ!
なんなのその鼻!?どこから出して来たの!?殆どの人は恋人がこのプレイを持ち掛けてきたら、ブチギレて鼻をへし折りそのまま破局すると思いますw
今回はすれ違いに直面する大切な巻なのに、一番印象に残ったのが「鼻」でごめんなさい(;^ω^)シリーズ中でも変態度No.1のプレイだったかも?
何が起こるか予測不能&インパクトあるサブキャラ&情報量が多過ぎる楽しさは今まで通り健在、でも舞沢の仕事が軌道に乗り注目を浴びるようになると、宮の中に嫉妬や独占欲など負の感情が目覚めてしまい…今まで以上に恋愛感情の部分が特にしっかり描かれていました。
宮はそれらを全て自分の中に封じ込め、表向きはあくまで良いMIAで居ようとする、SNSアイコンのうさぎを用いて描かれる負の感情に苦しむ姿が可哀想で可愛い。
今回のメインコンテンツその1は篠原ありすちゃんの登場、宮に好きな人を取られた過去から復讐を誓い、逆に宮の大切な者を奪ってやろうと…そう、舞沢を誘惑してくるのだ!
でも舞沢ですから、当然こういう策略は通じないワケで…舞沢の変態は宮にのみ発揮される、お持ち帰りを狙った篠原ちゃんには紳士的な対応だこと。
女性キャラが片方を誘惑、二人に目の前で行為をしろと脅してくる、しかも素直に見せ付けようとする二人…
内容だけ要約したら苦手要素が多いハズなんだけれどな…不快感ゼロどころか全て楽しくなってしまうMIAワールドマジック!そして篠原ちゃんは最終的に我々舞宮好きの強い味方となるのだ♪
メインコンテンツ2は舞沢の母、舞沢多恵の登場、これぞ「オカン」って感じで、安田是清と同じ一目でどんなキャラか解るのに、現実ではなかなか遭遇出来ないタイプですね。
突然来訪した母さんが舞沢に結婚についての話をチラっとする、ただでさえ舞沢に複雑な感情を抱いていた矢先、とどめを刺されたような宮が選んだのは…
すれ違いへの持って行き方は少々急で強引に感じた、でもそういう点すらもまぁいいやと思わせるパワーと勢いと萌えが、この作品にはあるよなーとも思いました。
その事を後から改めて実感し涙する宮の姿が堪らない、すれ違い好きの私はいつもならこのしんどさや切なさが良い!って嬉しくなる。
…けれど今作の場合は、宮の涙の下に出て来る舞沢の「独り」の意味の取り違えが、今までの切ない雰囲気を全てブチ壊してしまうのだwでもそれこそが舞沢浩司の魅力で有り、このシリーズの唯一無二の魅力でもある。
後は描き下ろしについて、鼻の関連で舞沢の映研時代のエピソードなのですが、あの小室が被写体として縛られているシーンがあって、映研仲間の一人がそれを見て何かに目覚めたようで…
小室にちょっとBLの可能性を見出せてしまって、勝手にワクワクしてしまいました♪コムローさん元気かな?エr…もとい芸術、夢に向かって団結する彼らの友情も感じられ、微笑ましくて良かったです。
今回も盛り沢山で楽しかったです、長編は途中離脱する事が多い私も、この作品はいつまでも着いて行ける気がするなぁ、篠原ちゃんは加奈子と幸せになって欲しい。
「因習BL特集」目当てで購入したのでそれのみの感想とさせて頂きます、もはや何のジャンルの漫画だかすら解らなくなる表紙絵が凄い。
400ページ超えの雑誌で160ページ位までが因習BL特集、雑誌全体としては妥当な価格ですが、特集の為だけに買うなら少々お高いかと、私は半額になっている時に電子購入しました※表紙が同じで内容が異なるBABYがあるのでご注意を。
村などの風習か祭りの過程にセックスが入っていて、それを主人公達が行いそれらをきっかけとして両想いになる、的なコミカルテイストやハピエンが多くなんか普通のBL…ちょっと物足りなかったです。
いや、じゃあ因習特集って他に何があるのさ?と言われてしまうかもしれないけれど、不気味さ、異様さ、ホラー、ミステリーなどの要素がもう少し欲しかったなぁ、以下は各作品の簡単な概要と感想です↓
「かんなぎ様の言うとおり」
表紙の作品、氏神の側でしか生きられないかんなぎの回江と彼に救われた志信、ある日志信が早朝に回江に会いに来るとお面を被った「当番」のおじさんと出会い…
モブおじさんありつつも志信が天然っぽいせいか、途中まではややコミカルテイストで進む、序盤と終盤の落差が激しく最後はちょっとやり過ぎかな。
ヤツらは罰されるべき存在かもしれないし単に回江の願いを叶えたかったんだろうけれど、ここまでの事をして二人に幸せな未来が待ち受けるとは考えにくいなぁ、因習のテーマには合っている内容だと思いました。
「まれびと来たりて福と成せ!」
オカルト同好会のケンと優が半ばサイトに騙されて、やってきた村で最初は旅行を楽しんでいたけれど、眠って目が覚めると卑猥な奇祭に参加させられていた!
文にすると怖い感じがするけれど優がこれまた天然っぽくて色々とノリノリ、ギャグ多めのコミカルテイストで片想いが儀式を通じて両想いになる、二人の頑張りで村にも元気が戻りハピエン、因習どうこうより可愛い体格差CPのサークル活動BLって感じがしました。
「巫山の春」
美波と東は幼馴染、隣村同士の成人を迎えた男女が番う伝統行事があり、今年はたまたま彼ら男二人しか居なくて強行することになったが、美波はいまいち実感が湧かなくて…
長年の想いや俺がこっち?要素もある甘エロ儀式、まだここからラブに進んで行きそう、と言う段階かな。
「がけっぷちヴィレッヂ」
リストラ寸前のリーマン山本は村をリゾート地に変える計画を背負って来た、村長の息子の信彦と過ごしたのち例の計画を申し出るが玉砕、信彦は祭りで性交をしなければならないが彼には秘密があり、大衆を欺くために山本は協力する事に。
甘い匂いの作用で変な気分になってきてそのまま…ちょっとお急ぎ感はするけれど崖っぷちの二人が儀式を介して結ばれる、因習よりお仕事BLっぽいですが、前半のストーリー部分とエロとの割合バランスは良し。
「餐」
綺麗なイラストだけれどお話はエロスよりもグロテスク寄りで神聖なる儀式感が強い、そっくりな双子だけれどほくろの位置が異なります。
セリフは最後にあるだけで絵面がそのままストーリーなので、何となくしか解らず少々説明が欲しくはなるけれど、純粋に一緒に遊んでいた頃とは少しずつ気持ちの変化が生じているように見える主人公と、途中二人の束の間の逢瀬を交えつつ、寂しさの残る結末も含めダークさがあって良かったです。
既に多くの方がレビューを書かれているので今更かもしれませんが、余程地雷が心配な場合以外は、まずはネタバレ等を見ないで一読して欲しい作品です。
読了後にレビュー等を見て感想に共感したり、様々な考察や解釈を楽しんだり新しい発見をしたり物思いに耽る、と言った楽しみ方がお勧めです。
奇妙な設定、人物の狂気とグロテスクな表現、衝撃の結末の印象が強いですが、合間にはカップルの束の間の幸せな時間を見せてくれる。
反して濡れ場は歪み激情にまみれ、禄斗の逸脱した独占欲と色気ある七海の表情に色んな意味でドキっとさせられる。
そしてただ禄斗と共にある為の七海の狂気と、真実を知った禄斗の嘆きが辛く切ない…ダークなストーリーだけでは無く、互いへの想いが十分過ぎるほどに感じ取れて、BL部分ももれなく楽しめました。
ここから結末に関するネタバレが含まれているのでご注意下さい、愛し合う二人を見ていると、当然これからも幸せが続く事を願いたくなります。
でも現代をモデルにした世界にとって禄斗は異物だ、その禄斗と共に在る為に七海がしてきた事は、どんな理由があっても赦される事では無いし赦されてはいけない。
世の理に反した存在である二人の末路はこうするしかなかった、この世界にとってはこうなるべき、当然の結果だとも思いました。
アリの巣のページの前でお話が終わっていればある意味「永遠に結ばれた」、と言い切れるのかもしれない、ところがその後に出て来る子供たちが、メリーが付くのかさえも疑問符を投げかけてくる。
そもそもこの子供たちがあの二人なのかも不明ですが、そうだとしたら確かに禄斗の願いは叶ったと思う、でも七海は…同じ悲しみを繰り返す未来が見え隠れする。
解りやすく転生して再会しました!でも良さそうな所を、最後まで救いがあったのか無いのかも解らない、どんなに願っても想っても都合よく叶わない残酷さは、ホラーやダークをテイストとした作品に相応しい終幕だ。
描き下ろしが更にとどめを刺してくる、水族館デートの裏話的なエピソードで一見楽しいストーリー、しかし最後のページで悲しい現実を突きつけて来る締め方が上手い、最後まで二人と読者に解りやすい幸せをもたらさないこそ、余韻を引き摺り続けるのだ。
上記に書いた私の感想も正しい解釈なのかすら解らない、真実は作者さんのみが知り、敢えて多くを語らず正解を示さない事で、色々考察し余韻に浸る楽しみを我々に与えて下さったんだな、と思いました。
「三月の兎たち」もそうでしたが、後から彼らの事を思い出し考えると何だか楽しい、と言ったら変かもしれないけれど、そんなじわじわ来るような遅効性の毒のような危険な魅力が、凡乃ヌイスさんの作品にはあるのかもしれません。
ハッピーエンドとは言えないストーリー、ところが私自身の読後感は幸せなのです、「東京戦慄怪奇譚」で見かけた二人の結末を見届けられた事、とても心に残る素敵な作品を読む事が出来たから。
電子単行本、視える公務員・依塚崇(攻)と、神であるトチガミさん(受)が、廃墟の調査などを行うややホラーテイストのお仕事BL。
依塚は視えるし憑かれやすい(名前のせいだな)けれど対処出来ない、トチガミさんが居る事で霊が寄りつかず神力で祓う事も出来るけれど、弱い神様なのですぐダウンしてしまう、その回復を依塚が行い助け合う関係です。
BLのお約束、力を回復させる方法と言えば?ある程度読んで来た人なら3秒で答えられるでしょう、Hまではしなくてもキスである程度回復する事が出来ます。
最初はぎこちなかった二人が一緒に飲みに行って打ち解ける、協力して仕事をこなしながら、回復のためのキスを繰り返しどんどん特別な意識をするようになって…
序盤から互いに好感を持っていたためか両片想いっぽさがあって、恋愛感情面の切なさなどはあまり感じず、少しずつ自然な流れで無難にくっ付いたように見えました。
ホラー要素は2話目の旧黒島家が一番ピークだったかな、全体を通して絵的にあまり怖いものは無かったです、ただ暗い建物内を歩く二人のシーンに不気味さは漂っていて、いきなり怖いお化けが出てきたらどうしよう…と、つい先にページをめくって下見してしまいました(^-^;
今更ですがトチガミさんの外見について、腕が6本あり(隠せる)舌が二股に割れているというなかなか攻めたデザインをしています。
Hシーンは終盤、6本の腕を駆使しながらだいしゅきホールド!修正箇所はほんの一部で吹き出しや体位で隠すような描き方、描写は控えめな方だけれども二人とも笑顔で、嬉しそうに幸せそうに、抱き合う喜びを噛み締めているのはとても良かったです。
恋愛、ホラー面共に刺激はちょっと足りなかったけれど、インパクトある人外デザから意外にも初々しさを感じる二人の可愛い恋模様、キスシーンの甘さと幸せに満ち溢れたラブシーン、ホラー系だったハズなのに何故か癒されてしまうBLでした(*^-^*)
電子単行本、タイトル通りのツッコミを入れている場面のような表紙、ですが実際の稲葉(受)は突っぱねるような感じでは無く、風間の少々難ありの性格もポジティブに捉えてくれる良い兄貴肌と言った感じでした。
社員寮を舞台とした年下攻めストーリー、料理好きの稲葉は寮のみんなにごはんを作ってくれる通称「番長」、賑やかしいのが苦手な新入社員の風間(攻)は、みんなとは別に自分で夕食を取ったが、稲葉の前でお腹が鳴ってしまいご馳走して貰う事に。
そのお礼として風間は稲葉に肩揉みをしてあげる、以降もみんなと時間をズラして食事→肩揉み、その二人で過ごす時間はお互い生活サイクルの一部となり、心地良い共同時間となって行く。
ところがある日風間が時間を過ぎても来ない、おかしいと思い稲葉が風間の部屋を訪れると体調不良で寝ている風間が…ここからのアクシデントで二人の恋が本格的に動き出す。
正直ちょっと違和感はありました、女性と交際経験もある稲葉が風間に手を握られたくらいでドキドキする所とか。
風間が稲葉を好きになった理由が、胃袋を掴まれただけで無くてきちんと描かれているのはとても良かったし納得が行く、ただ、ノンケの稲葉が簡単にその想いに絆されるのはちょっと早いかなぁ?とは思いました、私はBLだから良いやってなるけれど気になる人も居るかもしれません。
お話の途中で想いが通じ合いお付き合いが始まります、そうして心の距離を縮めながらも社員寮の体裁を意識し、他の社員にバレないように秘密の関係を続けていき…理想のキッチンを手に入れる夢に向かって進むのと、夢を叶えてからの二人が、寮の仲間達とのわちゃわちゃとそれに伴う嫉妬や独占欲も交えながら、ストーリーメインで描かれています。
Hシーンも適度にありますがストーリーとの比率では少なめ、描写も控えめでエロさより二人のラブを見る為のHシーンと言った印象でした。
個人的にはちょっと物足りなく感じたかな…理由を考えると辛いすれ違いや、悪さをしてくる人が出てこなかった為かと思われます、二人の関係も結局はバレてしまうのですが、みんな理解のある良い人達で特にトラブルには見舞われませんでしたね。
私はしんどい…からのハッピーエンドが好きなのでこういう感想でしたが、辛い展開や悪い人が出てくると気が滅入る方には合うと思います、だからと言ってほのぼののんびりし過ぎたお話と言う訳でも無く、コメディタッチでお風呂シーンではちょっとだけ稲葉の切なさも感じる、適度な元気と刺激も兼ね備えています。
細かい所では吹き出しでは無い手書きのセリフが小さくて少し見にくかったかな、私個人の好みとしてはそこそこだったのですが、客観的に見るとラブストーリー部分重視で、且つ多くの方に読みやすそうな内容だったので「萌2」評価です。
ストーリーとカップリングは現代モノに戻して考えると、王道の中心を通っていると思う。
重いモノを背負った訳アリの受けがハイスペな攻めに出会い、最初は散々だったものの何だかんだ良くして貰ってやっと見つけた自分の居場所。
二人の距離も縮まっていく矢先、突き付けられる辛い現実に自らその居場所を手放す、酷い目に合わされても自分にツケが回って来たと諦めて覚悟を決めた、その時……!
…歴戦のBLオタクの皆様なら何十・何百と見た展開だと思われ、でも好き、最後はハッピーエンドが約束され、結末や展開に予測が付いても気持ちが盛り上がる鉄板ストーリー!解りやすく安心感もあって素直に楽しめます。
ところが舞台が江戸に変わるだけで一気に新鮮味、高い画力で描かれる江戸の世界観、町景色の背景とそこに生きる人々、古めかしい言葉遣いや蛍や柳の話に風情を感じ、もちろん歴史ある玩具達も、モブおじさんも月代頭。
前半はやや濡れ場を見る為の急展開感がしました、中盤以降は蛍舞う夜のロマンティックなシーンや、思いもしない言葉で突き放す切ない場面と待ち受けるモブレ、辛さも含むストーリー重視で良かったです。
好きになった理由とかは後から解ってくるのですが、口吸いや恋愛感情は少しいきなり感があったかも、二人の過去や裏に抱える事情はきちんと描かれていて良かったです。
序盤から助平ですがお仕事の関係である玩具の使用のみで、しっかり挿入は最後、薬の勢いで抱かない所に意外な誠実さを感じました。
電動式なんか無い時代、現代ではあまり馴染みが無い玩具達の登場やその使用方法など、知的好奇心的な意味でもドキドキする面白さがあります。
濡れ場の虎がキラキラ涙目だったり、ややポーズが女性的に感じてしまう所もあったけれど、やられっぱなしでなく「本気を見せてみろ」の言葉にしっかり答えたり、「極楽見せてやるよ」って台詞二回出てくるのですが、強気な姿勢が漢気溢れてとても良かったです。
紙本で購入していますが修正もなかなか…薄めのぐしゃ塗りで、四目屋の立派なアレが結構見えやすかったです。
濡れ場が平気なら初心者さんから読み慣れた人まで、様々な方に親しみやすく読みやすい作品だと思います。
時々さりげなく猫が出てくるのが可愛い、裏表紙、自慢の張型やずいきも猫の手に掛かればただのじゃらし玩具と化すのだ…(^-^;
今の所2話まで配信されています、魔王を倒しに行った勇者だが様々な理由から断念、RPGのお約束に関する部分もありますが、それらより大前提にある最初の理由が一番納得w確かにそれは困る、そして勇者の口からあんな言葉が出るとは(^-^;
正直ストーリー性はあまり無い印象でした、勇者は魔王城に連れ攫われたが、いのちだいじにの姿勢が功を奏し生かされる事に、が、それよりも一番の理由は魔王の食事にする為だったのだ!…勇者の丸焼きや煮物では無くエロい方法で食べるのでご安心を。
1話目はその成り行きまでのストーリー、2話目は魔界での魔王の様子や勇者との取引部分などストーリーを挟みつつ、ほぼ食事シーン=エロがメイン。
とは言っても「エロ本」と言う言い方はニュアンス的に異なるような気がします、暑苦しさが無く会話が多めのまったりした癒し系Hシーン、繊細なタッチもあってかラブはまだこれからなのに甘さも感じる。
魔王には人外ならではの弱点部分が、立派なやつも別に付いているのに何この可愛い部分vそこを見つけた途端勇者のターン!最初は戸惑い気味だった勇者も次第にベッドで力を発揮するように、魔王側も勇者に堕とされていると言えるかもしれないです。
雰囲気としてはまだお話の冒頭部分、これから二人の物語が本格的に始まっていきそうな所で終わっていてちょっと物足りない、「END…?」となっているので、「また別の話」が読める日は来るのでしょうか?
綺麗なイラストと程良いエロス、偉そうな態度と可愛さのバランスが取れている魔王と誠実で床上手な勇者、2話で気軽に楽しめるので誘い受けからの主導権チェンジHでBL補給したい時に良いと思います。
レビューするのにちょっと勇気がいる表紙とタイトル&内容ですがせっかく読んだので…エルフ&ゴブリン&オークとファンタジー住人勢揃いなのも含め、オークを犯すと言う珍しい設定的にも面白そうだったので購入。
タイトル通りのエロメインでやっている事もえげつない、それは良いんだ、そういう本だと解っている上で読みたくて購入したので。
むしろ前半は思ったよりストーリーがあって、エルフのジャンディル(攻)とゴブリンのビンビン(リバ)の友情を感じさせるやり取りも良かったです、二人はそれぞれオーク、人間とのハーフという凝った設定でもあります。
ところがエロが始まると、あらすじなどからは解らない部分が苦手でした、まずジャンディルがイメージと違い過ぎた。
復讐なのでもっと冷淡に犯す姿を期待したのですが、欲情するオーク(受)を見て、Hを始める前からジャンディルはドキドキした表情で「色っぽくないか?」って…早過ぎるし乙女過ぎる、復讐心どこいった?
その後も予想外に余裕が無く攻め喘ぎ多め、まるで受けのようなとろけた表情を見せたりハート目になったり…オークの小さいアレやその事を気にする様子に「可愛い」ってきゅんきゅんしている。
オークもダメとかヤダとか乙女っぽい、ビンビンは一番年上だからか落ち着いていて好感でしたが。
結局はオトメンだらけの甘エロBLに落ち着いた印象、このタイトルと表紙、あらすじからこれは求めていなかった!(-_-;)
面白いモノが見られるのは確かです、あらすじの「レ〇プからの逆レ〇プ」はオーク視点で、ジャンディルに後ろを犯されビンビンに前にまたがられるの意味だったんですね。
ジャンディルはオーク×エルフのハーフで怪力なのでビンビンごとオークを抱え、終盤は二人でオークに二輪挿し、やっと聞き出したオークの本名は言い渋るのも理解出来るザコネーム、そして最後はみんなで楽しく!
個人創作向けレーベルだと思いますので、何を描いても自由だと思いますし好きな方もたくさん居るでしょう、ただ私個人としては求めていたものと違って合わなかったな、と言う感想でした。
巻末のキャラ設定ページで171㎝ミディアムマッチョ×200㎝ガチムチカップルの見た目体格差が、どれくらいか解りやすかったのは良い収穫でした。
正直BLのLは薄くエロメインに感じました、後から電子版などで出る可能性がありますが、この作品は最初から18禁の単行本として出した方が良かったんじゃないかな?と思います、内容に対する配慮としても、エロを堪能する為にしても。
失敗の無い完璧な人生を送って来た大友(受)だが仕事でのミスが発覚する、それを知った安井(攻)は、ミスを自分のせいにする代わりに肉体交渉の取引を持ち掛ける、完璧な自分の地位と名誉を保つ為大友はそれに応じる事に。
…そこまでする!?本当、素直に処罰を受けた方が良いのでは?と思ってしまいチョロさも感じるけれど、そうしないとBLが始まらない。
取引に応じたが最後、一度きりで終わらせるつもりが逆に弱みを握らせる結果に、これの繰り返しでズブズブ調教の底無し沼に嵌り、堕ちてゆく身体ごと抜け出せなくなっていく。
序盤から薬盛ったり隠しカメラで撮影した動画で脅したり、ちょっとやり過ぎかな…中盤からはいい所も見せてくれる安井だけれど、最初が↑コレらだったのでいまいち挽回出来無かった感がします。
それらの根源は単純に大友への好意、ヤンデレめいた行為の数々に好きになった&執着する特別な理由やきっかけがあるのかと思いきやそうでも無く。
狂気染みた行動の裏に巨大な感情が隠されていればBL的にとても滾るのですが、退屈な人生から始まる理由が単なる暇つぶし感がして物足りなかったです。
ネタバレ的な事を書いてしまうと結局仕事のミスも実は…という結末で、そこまで自分を貶めてまで手に入れようとしたなら究極の愛、と言う見方も出来るのかもしれないけれど。
安井から大友への一方通行な愛は存在しますが、大友からは愛してるの「あ」の字も無いまま、けれど利害の一致からプレイは続けましょう、と言うハッピーともバッドとも言い切れない結末で中途半端に感じました、もしかして続きを予定していたりするのでしょうか?
プライドの高い大友が強気&デレ過ぎない姿勢を一貫したのは良かった、泣き顔では無く耐え凌ぐような表情が多いのが好ましい。
何とか状況を好転させようと時には策略を巡らせながら、目的の為に自ら動いて安井をイかせようとする場面も。
距離を置かざるを得ない状況の終盤は、大友が今の自分を自覚し自ら安井の元へ来る、この時の仕返ししてやろう、責任取って貰おう的なノリで主導権握ろうと跨る大友の逆襲が良し、結局は返り討ちにされていまうけれど。
フェラ多めに感じたかな、拘束プレイ、職場でスリリングに、鏡の前で羞恥etc…エロは盛り沢山、仕舞には犬散歩プレイまで!通りがかりの車は迷惑だったかもしれないね(^-^;
行為の最中大友が何を思っているか、どう感じているかが細かく書かれている、快楽に抗っても抗えない、言葉と裏腹に身体と態度に表れてしまうHシーンは上手かったです。
少々辛口に書きましたが初コミックスと言う事で、今後の作品に期待させて頂きます。