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繊細美人の本領発揮

1巻は
・瀬尾にすっぽかされた傷心の柚木と真庭が急接近!
・いい感じになってきたのに、真庭に抱きつく謎の年上美人目撃!誰なの?!
というところで終わっていました。当て馬が2頭に増えた…

すっぽかされた自棄で行きずりの男に持ち帰られ系男子である繊細美人受けの柚木、また振り回されちゃうの…とワクワクで読み進めると、謎の年上美人の正体があっさりと判明。あっさりとはいえ一筋縄ではいかない存在感を物語で発揮します。柚木は、彼女の存在によって真庭に対して負い目を負うことになるのですが、その「負い目」は柚木に気持ちの変化を起こさせます。
このほかにもお話のスパイスになるワクワクエピソードが起こり、主人公2人に自然な心情変化が起こる。その様子が丁寧に描かれていきます。1巻でも思いましたが、このお話の進み方の違和感のなさがとても心地よいです。

イヤミなほどのハイスペ当て馬1号、瀬尾は2巻でも益々悪い男です。謎の美人のことなどでピリピリしてる柚木は、瀬尾から、家の都合で結婚するが新婚旅行に付いてこいとめちゃくちゃなことを言われてしまう。
ただ、この余りにもめちゃくちゃな話とともに、瀬尾の本を作るという夢をかなえてやると言われてようやく柚木が覚醒します。
今までずっと日蔭者で我慢してたのに突然今?!とも思うのですが笑、常に自分勝手な瀬尾が恋人のために行動してくれたことで、逆にいつでも無私に柚木のことを考えてくれていた真庭の大切さに気づく。

瀬尾は、自己中心で言動めちゃくちゃではあっても柚木のことを愛していたのですよね…。柚木と自分の夢を叶えようとしたことが、結果的にアダになってしまった。覚醒した柚木に高級レストランに置いてかれちゃった瀬尾、可哀想&可愛い&切なく、そして少しおもしろいです。超ハイスペなのに、または超ハイスペで背負うものが多すぎるからこそに不器用さというか…

番外編は、柚木の繊細っぷりがいかんなく発揮されたお話。こういう感じ、女が主人公だとかなーり嫌な主人公だろうな笑、でも可愛いです。
おまけのSS小説は、不本意ながら元彼(瀬尾)から柚木の「いいところ」を聞いてしまった真庭が、その知識を駆使して柚木をさんざん可愛がってやる、たいへんエロ良い話です。

お城にパンツを忘れてきたシンデレラの運命は如何

純朴かわいい受けと、イジワル腹黒王子の攻め、定番王道です。
受けの智紀がとてもウブでかわいいです。
攻めはスーパーハイスペック。そして智紀をひっかけた?のは友人ミチルの半年のSNS上の努力の横取り笑という悪い子です。
最初はたわむれに子羊を愛でるいたずら程度だったはずなのですが、智紀の素直すぎる、好きさを隠さない言動や、ウブゆえの拙さや、ミチル(本物)の絶妙なイジワルや、智紀の幼馴染であり攻めの直純の部下でもあるカナちゃんの存在やら、なんやかんやで、なんだかペースを乱されていくんですね、じわじわと不機嫌になって…これが大変よいです。私はスパダリ攻めが我を忘れていくのをニヤニヤ眺めるのが大好物なのです笑 嫉妬するスパダリ攻め、良い…。

なんやかんやあってf**k buddyなら!と告白?したところで1巻は終わり。続きが楽しみです。
どうも直純は、自分が持っている恵まれたもの、容姿や家柄や能力…そういう「スペックの高さ」から秋波を送られる人生に少しウンザリしていて、そしてただただ「顔が好き!」とシンプルすぎる、自分の感情、欲望に忠実すぎる智紀をすっかり気に入ってしまったようです。

なんて言うんでしょうか…引っこみ思案な子の方が案外マイペース、そして人が羨むものをすべて持っている人が案外、周りの評価が気になって影響されちゃう、というのは現実でもありとあるかもしれないなーなんて思いながら読み終えました。

おまけ
最初にSNSで知り合ったミチルさんは売れっ子小説家、そして智紀のボーイズトーク相手である暮瑛一の美少年笑、幼馴染のカナちゃんからも「いざとなったらもらってやる!」と告られている。智紀、実はモテモテじゃないですか!

ほろ苦とあまあまと大人の三角関係

まず、個人的に受けがすごく好みで、気持ちを掴まれました。
情報誌の編集者をやってる線の細い文系男子、お仕事バリバリこなす出来る男、
気が強い性格、男顔のイケメンですが、目を伏せた時だけ落ちるまつ毛が印象的な美形。

受けの柚木が10年間辛い恋をしている相手、超セレブ研究者・瀬尾が
イヤミなレベルのハイスペ男で、家のために結婚するがお前ともこのままだ…
とか言われてしまう…切ないです。
そんな時に取材先のレストランのオーナーとして出会ったのが攻めの真庭、
こちらもイケメン&料理上手い&何でも出来ちゃうナチュラル系スパダリ。
すっかり胃袋を掴まれてレストランに通う柚木の、無防備に美味しそうに食べる姿に
攻めの真庭はすっかり柚木に心を奪われてしまうんですね。気持ち分かる…笑。
美しいお顔で目を閉じてうーん上手い!と自慢の料理を堪能されては落ちるのも仕方がない。

この真庭、ナチュラル系スパダリ度が高い!
お話の進展とともに、柚木の身には割と散々なことが起こります。
風邪引いて倒れる、瀬尾に旅行すっぽかされ、友達から無茶ぶり…
それを真庭が全てさらっと力強く助けちゃう。
瀬尾との10年思い切れない辛い恋が、真庭のスパダリわんこ力でゆっくり絆されていきます。
この、ゆっくり、というのがすごく良いのです。
繊細文系男子の柚木は、何か事あるごとに瀬尾のことをつい考えてしまうんですが、
柚木の瀬尾への切ない恋心のモノローグが、だんだんと冷静に客観的になり、
心が変化していくのを読み進めながら堪能できる。丁寧な描写が素晴らしいです。

1巻は、だんだん絆されてきた柚木が、真庭と謎の美魔女に突然抱きつかれるところを目撃
えっ??となったところで終わり。これが柚木の心を大きく傾かせるスパイスになるのかな…?
これから2巻を楽しみに読もうと思います。

小説家さん原作ものだとSSが付いていてそちらを読むのも楽しいですね。一冊で二度お得。

美味しいお酒の名前の二人の、エロ美味しいお話

攻め様のお名前「楯野川」も、受け様のお名前「諏訪水澄(真澄かな)」美味しい日本酒の名前を連想させますね。さすがお料理BL専門家?笑、橋本あおいさんです。
完結するまで待って一気読みしました。

酒と美人受けというとBetween The Sheetsシリーズを思い出しますが、Between~よりも脇役が印象的で楽しめました。水澄の親友真利江ちゃんも優しくていい味出してるのですが、誓さんの親代わりのキヨさんがすごく良いですね。
キヨさんは誓さんの育ての親同然の人なのですが、包容力?というか許容力がばつぐんです。我が子同然の誓さんが男の水澄と行きずりHをしたと聞いても動じないのすごい笑。キヨさんの後押しで、一晩の行きずりだったはずの誓さんに雇われ、同居することになり…と、とんとん拍子に話が進むのがおもしろいです。
二人には胸の中にそれぞれ違うわだかまりを抱えているのですが、キヨさんの気の利いた一言と、あと料理とHを通じて笑、そのわだまりが少しずつ無くなっていくのがとても良いです。

馬並みです(内容・情報量も)

内容が濃すぎる!情報量が多すぎる!!(歓喜)

なので箇条書きで。
・武笠の武笠が、すごいです
・そして針生もすごいです。でももっとすごいがの郷土です
・はりゅまお、武深は通常営業…と言えるレベルを超えています
・まさかの百合?妄想がはかどります
・志山家の三角関係、桃月、千散それぞれの純情など…柳先森が一段落しても
 外務省、財務省シリーズはまだまだお楽しみがありそうです
・登場人物みんな面白くてかわいくて馬鹿で、本編を読み返したくなります

私は単行本派、かつ無精者で特典はあきらめている系なので
こういう企画本は本当にありがたいです。
表紙装丁は、パーティで一人輝いていた深津よりもキラキラしていますので、
きちんと特典をゲットされている熱心なファンの方でも、
買って損は感じないのでは…と思います。
巻末のスケジュールに、(2)の発売も匂わされていますので楽しみですね。

涙腺ぶっこわれたかと思った…

何年か前に1巻を試し読みして、これは終わるまで待たないとーと思い、
我慢していたものを、下巻で完結したこともあって3冊一気読みしました。
上巻、中、下巻まで読み終わるまで、何かずっと涙が止まらなくて、
私、涙腺壊れちゃったのかしら…と。
目ぼよぼよ&鼻かみ過ぎて鼻下かっさかさです。

下巻のレビュー欄なので下巻の崩壊ポイントを。いきなり冒頭からですが笑。
宥が、自らを刺した勁を見つけた時の下腹から流れ散る大量の血が
大きな薔薇の花束に見えた所
意識を取り戻し、痛みを取り戻し、感情を取り戻し…と
勁が一つ一つ”巻き戻されて”いき、そして、痛みと感情を封じ込めた表の勁と
闇を全て引き受けてきた裏の勁、ふたつの自我が統合する瞬間
(とはいえ三日三晩!の苦闘)、そして再び目覚めた勁と宥が愛を交わす…
ページ数だと100ページぐらいあるんですが、呼吸を忘れたかと思うほど
ノンストップで読み、その間ずっと涙が止まらなかったです…。
哀しい、切ない、そして愛おしい

宥のカムアウト、勁が自らボクシングに取り組むようになり、
そして、かつて御子柴親子が育てた広田選手が勁と対峙することで
忘れていたものを取り戻す…
辛い寒い冬を越え美しい花が一斉に咲きだすように物語が進んでいきます。
なんて美しい。そしてなんて萌える…!
アマ転向を願い出た勁がジムの仲間から夢を託されるところ…萌え禿げるかと。
電子限定おまけも、完全にノックアウトされました。

おまけ。
勁の兄のその後、そして先生と宗教団体とどんな過去があったのかなど
気になる所も少し残っており…。泣きっぱなしで読んだので読み飛ばしたか
もう一度ゆっくり読み返せば分かることが増えるでしょうか…
読み返すたびに涙腺ぶっこわれそうで心配なのですが笑

もうひとつおまけ。
宥(ゆたか)という漢字は「ゆるす」という読み方もあるんですね。
勁(けい)は、勁い(つよい)とも使う。

イケメン+無垢+天然+男前=∞萌えDK

前に電子の1話試し読みを読んで、1冊になるのを待っていました。
なにしろ1話が「オ○ニーを知らない受けにお膝抱っこ状態で教えてあげる攻め」
わしづかみにされました笑、作者様&編集さん上手すぎます笑。

ふわふわ系の母&姉とは違う野蛮・肉食女子に驚き、女嫌いになった受けが
モテすぎの弊害で人付き合いこじらせヤリチン化→中学ぼっちだった攻めと
男子高で出会って意気投合します。
賢イケメンDKなのに中身は第二次性徴期前、エロいこと全然分からんという
イノセントな受けの、困った顔で攻めを見上げる様子、たまらない魅力があります。
攻めも、最初は天然のクラスメートをちょっとからかってやろうという程度
だったのに、そんな天然無垢な受けにわしづかみにされてしまいます。

攻めが知らなかったこと教えてくれて、悩み(夢○)も解決してますます懐く受けの一方で、
そんな受けを好きになっちゃった攻めは、今度は不安になっちゃうんですね。
男同士で付き合うなんて、受けが無垢なのをいいことに引き込んで
自分が中学ぼっちになった時みたいにぼっちになったら…、
学校が楽しくなくなっちゃったらダメだと、距離を取ろうとします。
受けが攻めに突き放されてぽろぽろと涙を流すところがまた切ない、かわいい
でも受けは、かわいいし天然無垢だけど、とても男前なんですよ。
ぼっちの不安よりも好きな気持ち、一緒にいたい気持ちの方がずっと大切だと言い放って
やっと攻めは自分の気持ちへ正直になることができて、ほんとよかったなーかわいいなーと
ニヤニヤしっぱなしでした。

中学ぼっちだった攻めの数少ない女友達2人が、いい感じのキャラで良かったです。
ちょこっとしか出てこないんだけどね、さっぱりしててかわいい。
話が展開するポイントにもなってるし、モブっぽくないのも良かったです

書き下ろし、天然無垢だった受けが水を吸うごとく成長笑、どんどんエロくなって
文字通り嬉しい悲鳴の攻め視点のお話。ふふふってなりました。エロかわいい!

甘いおやつとしょっぱいおやつを交互に食べると止まらない系

誤算のハート、終わらない不幸についての話、その他…緒川千世さん作品の諸々短編がまとまっています。
私ずぼらで特典や同人誌を集められず、一冊にまとめてもらえるのはとてもありがたいです。

烏童兄弟周り。烏童弟×三城の後日談はアホエロカップルの完全形ですね。
いちゃいちゃエロエロを所構わず笑、見せつけてくれます。
私がかわいいアホな子受けが大好物なのは三城のせいだ。

一方で清竹×烏童兄、こちらのCPの歩みは本当にゆっくりとしたもの。
弟CPが順調に大学合格、同棲と進展してくのを、いちいち兄が突っかかるのがかわいい。そして清竹は、そんなヒネクレものの烏童兄を優しく受け止めつつも、煽り、迫ってくのです笑。
間接的にアホエロCPに助けられるかたちで、二人の関係がゆっくりと進展していきます。
清竹がもういちいち甘い、アホエロCPよりも更に甘い!!
酔って暑がる清竹のために寒いのに窓を開けたまま膝枕をしてやったことで烏童兄は風邪をひいてしまうのですが、清竹が烏童兄を看病からの…のBLお約束シーンでの、清竹のモノローグがとっても切なくて、甘くて、愛おしい…
そして熱が下がらない顔で感じている烏童兄の色っぽさも大変!
最後は、社会人になった二人はお隣の部屋を借り一緒に出勤(*´ω`*)
それでもまだ同棲はしないのだな、とクスッとします。

烏童まわりの他の短編。
緒川さんは甘いお話よりも、苦かったり辛かったりするお話が多いように思いますが、その他の短編は、辛いもの、甘いものが織り重ねられています。
義兄弟の隠されるべき関係「言えない痛みを抱いている」の胸をギュッとつかまれるような痛み、
歪まされた二人の実兄弟(!)CPの「いびつな欠片」の毒を飲んでしまったような読後感、
ぎゃー、ヒリヒリするわーと思って読み進めた次は、DK格差CPの繊細な感情を描く「世界は君で廻ってる」の甘酸っぱい前日譚、とそれぞれに個性が立つエッジの利いたお話が、様々に感情を揺さぶってきます…。
甘いチョコレートとしょっぱいポテチを交互に食べると
止まらなくなって色々ヤバいじゃないですか、
あんな感じで、読後の充実感がヤバい、何度も読み返しています。

猫とスピカ コミック

鳩屋タマ 

エロくてかわいいは正義!

イケメンだけど脱力系の攻めが、家の前でへたりこんでた可愛い男の子を拾って
とにかくエロエロ、というお話。お話、というか…
ストーリらしいストーリーは今のところありません笑、その代わり?毎話ごとに致しています笑
ストーリーはありませんが、毎話ごとの致すまでのシチュエーションがいちいちエロ良いです。

受けの子はエロかわいいアホの子です。
お話の中ではまだ語られてませんが、黒猫の化身?だからアホの子でも当然です。
ちらほらと猫伏線があって、それがまたいちいちかわいい。
お風呂が嫌い、カレーライスも初めて食べる、かみなりこわい、先輩の猫アレルギー発動…
自分の名前も知らなくて、攻めから黒猫由来でクロちゃんと名付けてもらいます。
猫の名前付けられて嬉しそうなのも、もう!かわいい!

攻めも受けも非常に快楽に弱くすぐ流されちゃいます。攻めは”顔が好みなら性別問わず”だし、
クロちゃんはサカりのついた猫の鳴き声に反応しちゃって大変な状態になっちゃったり…。
でも、クロちゃんはアホエロいんだけど攻めだけが好きなんですね。
そこもまた猫っぽい&すごいかわいい。電子特典のおまけマンガのエロさも大変!
まだ雑誌連載が続いているようなので続きも楽しみです。

かわいいどつき漫才(ただしぺちぺち程度)が最高!

「CSの聖母」の異名を持つカスタマーセンターで働く受け=ツッコミ、そして
その「CSの聖母」に、一目惚れならぬ一声惚れした攻め=ボケの
夫婦漫才ならぬBL漫才の、会話のテンポがとても良くておもしろかった!

基本はコメディ、テンポの良い会話や回想シーン、ちょいちょい入るメタ視点
(BL漫画の攻めみたいな~とか)など絶妙で笑ってしまうんですが、
それだけではなく話の骨格がきちんとあり読みごたえありました。

話が進み二人の距離が縮まってきたところで
なぜ受けの江藤が、まるで二重人格のような生活をしているのかが明かされます。
いじめを受けた傷も嫌われる怖さも、電話越しなら無いかのように仮面を被っていられる、
でも仮面をかぶり続けてたら一人が寂しかったことすら忘れてしまって…。切ない。
でも、一見天然系、実は洞察力抜群&超絶計算高いという新種のスパダリ攻め・岸本が
お見通しで、ぐいぐいドアを開けていくのが痛快。
そして、岸本さんにぐいぐい来られるたびにいちいちじたばたする江藤さんが超絶かわいい!
ねこカフェに行きたくてグラグラする江藤さんも、くやしくてぺちぺちする江藤さんもかわいい!
岸本と一緒に江藤さんかわいいいい!ってなってました。
雑誌の連載もまた続くようなので、これからの二人も楽しみ!