すぎちよ先生のオメガバースシリーズ第5弾(双葉社様では3作目)です。
今回の作品では記憶喪失×オメガバースという新しい切り口のお話となっています。すぎちよ先生といえば少し変わったオメガバース作品を毎回打ち出していますが、今回も例に漏れず一筋縄ではいかない内容になっています!そこが凄く面白いです。
運命の番である2人は出会った瞬間から直感で惹かれ合いますが、『新月』を境に好きな人の記憶から消えてしまう佐久さん(Ω)と、佐久さんの記憶だけを失ってしまう有間くん(α)のお話となっています。
過去の日記から佐久さんと出会っては記憶を失っていることを知る有間くん、佐久さんに記憶を失っていることを悟られないように奮闘する姿に心を打たれます。佐久さんは有間くんが記憶を失っていることに気づきながらも、有間くんのことが好きなので、有間くんから離れられずにいます。でも記憶を失った有間くんがそのことに苦しんでいることを知り、有間くんの幸せを考えるあまり離れることを決めているのが辛すぎました。
特に4話は涙なしには読めないと思います。
そしてストーリーの中で一番気になるのは、やはり『記憶喪失』の部分だと思います。謎が深まるストーリーですが、真実が明かされるのは最終話になります。佐久さんの出生と新月と運命の番が凄くキレイにマッチした真相になっております!
また今回もすぎちよ先生の過去作の小ネタがあります。そちらを探すのも面白いですし、先生のデビュー作(現在は同人での電子配信のみ)を思わせるシーンが1話、4話にも含まれており、以前からすぎちよ先生が好きな方は絶対に胸熱です!過去作を読んだことがない方は、是非今回を機会に読んで確かめてみるのも面白いと思います。
電子分冊版の頃から大好きで、コミックス発売をずっと待ち望んでいた作品です。
性の狭間でもがく『Δ』の、救いと愛の物語です。
主人公の壮一郎(自身の階級はβ)は、セックスすると相手の階級をβにするという不思議な力(Δ)を持っていました。そんな壮一郎の前に金持ちのαが現れ、想い人と添い遂げるためβにデリートしてほしいと依頼してきます。実はその依頼をしてきた相手が、子供の頃に施設で一緒に育った幼馴染みの新だった...というところから物語が動き始めます。
見所は壮一郎が何故『Δ』として、階級社会に苦しむΩを救っているのか?ですね。
『Δ』の力には更に秘密があり、Ωを救うΔの力を使うことで自身が『Ω』になっていく...というもの。
新がもしデリートされたらα→β
β→Ωへ変化していく壮一郎とスレ違う性、まさしくこれが『セックスしたら、番えない。』ということです。
更にΔの力を利用する者が現れ、様々な困難が2人に襲いかかります。そんな中、壮一郎は新への想いを少しずつ育てていきます。
2人は無事に番うことができるのか!?是非、作品を読んで確かめてみて下さい!
登場キャラクターも魅力的です。
主人公の壮一郎(β)はぶっきらぼうで口は悪いですが、お人好しで優しい心の持ち主。セックスを仕事にしているのに、めちゃくちゃピュアだったりします。あと食いしん坊でジャンクフードが大好き。
幼馴染みの新(α)は、九条家の御曹司でお金持ち、イケメンですが、子供時代はちびで泣き虫、壮一郎に甘えていたので、時折チラッとその姿が顔を覗かせます。性格は天然ちゃんですね。少しズレたところがあるのも面白いです。そして好きな子にはスケベです(笑)
他にも物語のキーマンとも言えるユキ、壮一郎のΔの力に興味津々な闇医者、壮一郎と共に仕事をしているマサ等、様々なキャラクターが登場します。
また壮一郎と新の恋愛メインではありますが、色々な切り口から物語を楽しめます。
一途な幼馴染みα×階級デリートの青年Δの『新感覚オメガバース』
とってもオススメなので是非読んで頂きたい作品です。