日高ショーコさんをつい最近知り購入したのですが、基本衝動で表紙買いするタイプなので今までスルーしていました。
ふと目が行ってしまうような華がある絵柄ではないので、萌えハンターとしましては手が出し辛い表紙でした。正直顔が地味だな~と。
が、本を開くと一転。
均整のとれた骨格や綺麗な手指、徹底してブレない画力で話に惹き込まれます。
顔の地味さも、無理にキラキラと綺麗な顔の漫画より色気を感じます。知的な色気といいますか。
一巻では多忙なクリエイター・桜井(37)と無愛想な美大生・蓉一(19)の出会いから始まり、会う度に反発し合っていた二人が少しずつお互いを知り、蓉一をいつも目で追っている事に気づいた桜井が恋心を自覚する所で終わります。
二巻では今まで何を考えているのか全く分からなかった蓉一の気持ちが段々と見えてきます。恋心を自覚し、距離を測りかねる桜井に対し、全ての人に無関心な蓉一が明らかに桜井を気にするようになっていく。
蓉一は家族の暖かさも親しい友情も知らず、必要とも思っていないので、桜井に対する興味も、自分の中でどういう感情なのか分からない。
が、蓉一の事が好きな同級生、藤本がいいます。
「目が大っきくなるんだよな」
「桜井さんを見るとき目の色変わってるの自分で気づいてる?」
確かに普段はぼんやりと無表情な蓉一、目蓋を少し伏せたような表情が多いのですが、二巻から桜井を見つめる目がすごく綺麗になってます。この描写がとっても上手い。
蓉一は勿論自覚してなかった訳ですが、藤本に言われたのをきっかけに更に桜井の存在を意識し、二人の距離がまた少し縮まった所で二巻は終わります。
すごくイイところで終わったんですが、続きが出るのは1年後らしいですね・・・。鬼畜だわ・・。
エロはなしで二人が恋に落ちるまでを描いたじんわり萌えな作品ですね。特別にドラマティックな展開はないですが、主人公、脇キャラ共に自然体で無理がなく心の揺れ動きが細やかに描かれてます。BL漫画では貴重ですね。