商業BLは初めてだったのですが、表紙のポップさと絵柄が好みだったことを決め手に購入しました。結果、初めて買った商業BLの一つがやたももだったことがとても嬉しいです。
人のお世話になりながら、薄ら笑いで夜を渡ってきたモモ。彼をほっとけずに家に住まわせる八田ちゃん(絶倫)。この二人に加え、モモの前の飼い主、須田が絡んできます。
個人的にいちゃいちゃが好きなので、モモと八田ちゃん二人だけでも満足はしたでしょうが、他の方がおっしゃるように話に深みを添えているのは須田です。
モモとの別れに納得できず彼に執着する須田。それを言葉で言えずにモモに暴力的な苛立ちをぶつけます。ひどいやつだと思いつつも、透けて見える彼の心情に心が締め付けられます。
対する八田ちゃんは直球ストレート。モモへの気持ちは言葉で伝えます。私は須田がひねくれた言葉+行動で、八田ちゃんが言葉で伝えたことはそっくり呼応していると思いました。
でもどちらがモモの胸に響くかは、モモのこれまでを考えると納得です。シリアスを軽い読み口で読ませてくれる、モモのあっけからんとした態度。それが培われた背景からすれば、彼が得た男は最上でしょう。よかったね、モモ。
長々と書きましたが、初めての商業BLとして、ギャグとシリアス交えた深みのある物語を読めたことに感謝しています。エロに耐性のある方はぜひ!