たまたま書店で見かけて、気になったので購入しました。
全部の話で泣きました。
何というか、すごく独特の雰囲気があります。
私の好みの傾向として、
その作家にしかない世界観がしっかりと確立されている、
他の誰の作風にも似ていない、
唯一無二のオリジナリティがある、
…こういう作品や作家にとても惹かれます。
まさにこれでした。
現実世界を扱っているのに、どことなく幻想的で不思議な、それでいてとても温かくて優しい世界観。
読んでいてとても心地よかったです。
地味ですがけっこう人を選びそうなので、
私ほどぴったりハマる人がどれだけ居るかはわかりませんが…
こういう曖昧な美しさが好きな人には本当におすすめです。
表題作は少し怖い・不気味な雰囲気があります。(世にも奇妙系?)
個人的には好きな感じだったので全部そうでもよかったんですが、
不気味さがあるのは表題作だけでした。
私事ですが、初めて地雷作品で感動出来たことも書かせてください。
私は「幼馴染もの」というBLにおいてはかなり厄介な地雷があるのですが、
本書の「帰ろう」という幼馴染もののお話、
すごく好きでした。
こんなことは初めてだからどうしても言いたかった(笑)
一番のお気に入りは2つめの「ひなたの犬」。
夏という季節がとてもよく活かされていて、
一見おっさんのような作家先生とキラキラの男の子が、
ただ縁側ですいかを食べているだけでも何だかすごく幸せな気持ちになりました(*´ω`)
あんまりレビュー書かないほうですが、
どうしても色んな人に知って欲しい作品だったので久しぶりに書かせて頂きました!
今のところ神評価ないみたいですが、
私には神以外の何物でもないです!
これはとにかく人を選ぶ作品だと思います。
雰囲気が凄く独特なので、
ハマらない人にはハマらない、
ハマる人にはバッチリハマるタイプの本です。
表紙が割と全体の雰囲気を物語ってくれているので、
表紙をみてピンときた人は後者の可能性が高いかもです…!
オムニバスで色んな話が入っていますが、
表題作の印象が極めて高いと思います。
ちなみにですが、
私は虎穴ダイニングから筆者のファンになりました。
全体的に足場の曖昧なフワフワした感じや、
突拍子もないシュールさが、どの作品にも共通の魅力だと思っています。