最初は忍と弘哉がセフレ関係で、忍との関係にのめり込むのを恐れた弘哉が達巳を連れて来たことで3Pをするようになります。
この作品の受けの忍くんは最初は不憫な子です。最初は一度でも好きな人とセックスしてみたいという気持ちから弘哉と関係を持ちますが、その後の弘哉からの扱いで徐々に心を疲弊させていきます。私は不憫な受けも好きなのでその描写も切なくてよかったです。また段々と自分の意思で選んで行動するようになるのであまりイライラもしませんでした。
3人でしている時、達巳は甘い言葉とスキンシップで鬼畜なプレイも自然と受け入れるよう忍を誘導します。雑で乱暴なヒロヤとは対照的な達巳の手練手管に忍が堕ちていく描写は説得力があって官能的で、達巳というキャラクターのミステリアスな魅力がグッと上がりました。
達巳のつけている香水の話題もちょくちょくら上がるのですが、それもよかったです!
またそんな達巳の本当の気持ちのところや意外な恋愛観などもギャップ萌えで後半の見どころです!
忍の弘哉への気持ちの変遷も少しずつ丁寧に描かれており違和感なく納得できました。また忍の恋する相手へ全身全霊を捧げる感じも作品を通して一貫しており、そこが今回忍を苦しめた要因でもありましたが、後半の忍の魅力にも繋がっていて素敵でした。
弘哉に関しては一番人間味のある人物で、行動はとにかくクズですが、行動の背景にある思考などもいろんな人からの視点で描かれた弘哉の人物像が多かったためこういう人いるかも、、と自然と理解できました。
先生の繊細なキャラクター描写もありとても読み応えがありながらエロティック、でも最後はキュンキュンできる素晴らしい作品でした(*´◒`*)
メインの二人のお話は短めではありましたがとても読み応えがありました。
勇の家庭環境の劣悪さや勉強の理解が他の人よりも時間がかかり置いて行かれてしまう描写などが細かく書かれており、勇が俗に言う"ダメ男"になってしまうのもかなりリアルに感じ少しゾッとしました。この環境ならそりゃそうなるか、、と。そんな勇に人生のほぼ全てを捧げて生きる攻めの愛情には鬼気迫るものがありました。この男ぶれません。表紙だと爽やかリーマンお兄さんに見えますが、邦彦に新しい執着攻めを見た気がしました。基本的に勇への愛情故の行動が勇を更生させることなので常識人のように見えますが、これがもし暴力や監禁などなら立派なヤンデレだしそれくらいの重い愛情を持った男です。
邦彦に対して、どうしてこんなダメ男が好きなの?と思う自分はいましたが、読みながら理由なんてないんだよな、、と納得させられました。邦彦の愛の深さ、懐の深さは狂気的ですがとても素敵です。
勇は何より素直な人でそこがとても魅力的です。素直で人間味のある性格なので時に残酷な時もありますが、根っこが優しい子で読んでるうちにとても好きになりました。そして少しずつ成長し、俊一を懸命に愛する姿もグッときました。
勇を支え続けるぶれない邦彦もとても清々しくて、イジメなどの描写もありますが読後感がかなりよかったです。
後、「歯が痛い」は個人的に幼少期の家庭が貧乏なコンプレックスなど分かりみが深くて、、分かる分かる!と共感の嵐でした。