重くなく、テンポの良い話なので、疲れた日でもあっという間に読めます。
日向(受)はドン引きするぐらいの節約家でケチな故にずるいことも考えますが、経験不足でそこまで割り切った悪い男にもなれず、初恋が崩れ去ったあとも、結局は圭吾(攻)に惚れ直してしまいます。
圭吾(攻)は日向の気持ちをからかいつつも、押し倒そうとすると拒絶されるもんだから、合意なしでHに突入。結構ひどいなと思いますが、共同生活を送っていくうちに素の自分は日向にしか見せられないと気づくあたりは人らしい葛藤があって、共感できるところもありました。
シリアス物が多い作家さんですが、コメディタッチな作品の中にも、切ない心理描写も程よく含まれていて良かったです。
惚れた方が負けなんてよく言いますが、お互いに振り回しまくって、最後はなんとか無事に着地。
劇的なドラマではないけれど、二人の駆け引きが楽しいお話です。
堀内のことを嫌いにもなれないけど、好きにもなれない渋谷(攻)と一応付き合ったはいいが、好かれていないのではと不安な日々を送る堀内(受)。
付き合うきっかけはありえないのに、二人のやりとりは人間らしい生々しい部分があるので惹きこまれます。そして受けは禿のおっさん(笑)コンプレックスを笑ってはいけないと思いつつも笑ってしまうし、いい年したおっさんの乙女のような恋心は非常に痛いです。
この二人が本当に惹かれあるのか、心配になりますが、無事にハッピーエンドになりますし、禿頭にアレを擦りつけるプレイは変態すぎて笑ってしまいました。胸キュンではないけれど、面白い。こういう作品もアリだと新境地が開発できてオススメです。