病んでる話が読みたくて、ついに手を出してしまいました。
この作品、病み、の部分は前半のみだったと思います。受けを一方的に犯す所まで。
そこまでは自分の世界に入り込んでしまった大人の病みの感情を一方的にぶつけていた話。
攻めの過去が明かされてから、受けが考えを持つ所からはしっかりと社会の中で一生懸命考えた上での行動。
世界には二人だけみたいな狂気的な感じかと思ったら、二人とも社会の中での自分の立ち位置を確認しながら、客観性もしっかりと持っている。
世間の目、親の目、逃れたくとも社会で生きている限りつきまとう視線。その中に放り込まれる自分という人間。
考えすぎたら動けないし、まったく考えずにも居られない。それでも前進するしかないし。
どんなハンディキャップにも通ずる悩みや葛藤を描ききった一冊だったと思います。
正解はないですね。誰にも正解は出せない。自分の中で出した答えが全て。
素晴らしい作品でした。
あらすじの通り話は進みます。
終始受けの柴ちゃん先生の描写が兎に角かわゆいです。が、特に山場は無いように感じます。
流されて絆されて。
ちょっと二人に共通するアイドルが登場し、そんなに重くないトラウマを乗り越えて行く。
ライトな感じで読めるかと思います。
個人的に、己の欲に流されてしまうこういう先生生徒物があまり好きではなく。
もっと社会人としての葛藤が欲しかったです。
柴ちゃん先生、可愛いかったけど、そこは卒業まで我慢して欲しかったな。
非常勤といえど、教師は教師。
理性を持って、『教師の立場』と『恋するただの男』とで葛藤するBL姿が見たかったです。
これなら教師設定必要ないのでは?と思ってしまいました。
なので、描き下ろしは安心して?青姦姿楽しめました。
もう教師はやめた方がいいよ(笑)
表紙のB系コマを 蔑み遠目で見ているクズ先輩の表情!良いですよね~!(笑)恋愛感情に中々現れない表情じゃないですか(笑)本当に理解できないんだな~が伝わってきますよ(笑)
自分とは世界の違う男が、蔑んでいた男が、自分だけに充実でなつっこく、自分の為に普段やらない事をして、不器用ながらガンバル姿を見たら、絆されちゃいますよねー(笑)
何だかんだ付き合って、その後、ちゃんと相手の未知の世界に携わろうとする姿、居心地悪くても相手の為に我慢して頑張る姿が胸キュンです。
それはコマだけでなく先輩も然り。
理解できないけど、その世界を見てみたら認められなくもない。みたいな。そしてそれが普通になる。
世界観の変化ではなく容認。
いい大人ですから、ただ相手にまんま染めるのではなく、自分の個を核として相手を認め容認していく姿が良いですね。
コミカルなのに、実はとっても素晴らしい事訴えてます。
コミカル、真面目、変態がうまくまとまっていてとても面白かったです!
コマの父親の話も、過去のコマを絡めながらコミカルに進み、コミカルだけど大人な分少しシリアスでした。
ふふふ。調教するのはどちらでしょうね。続きが気になります。
『鬼が見ている』
年の離れた幼馴染みのお話です。
小さいときに受けたトラウマから、どこかで見られているかも知れないと大人を怖がる様になってしまった千雅。
トラウマをゆぎ兄に知られたら嫌われてしまうと中々甘えられない。
そんなトラウマの人物が誰か判明し・・・
もうそこには邪魔者はなく、晴れて結ばれる二人だが、この爽やか青年ゆぎ兄の変態っぷりがまた素敵です!
電子限定~
充実4ページ。
シンポジウムに行くため、コマのスーツを見繕う先輩だが、似合うはずもなく。
自分の為に似合わせようと努力する先輩に欲情してスーツのまま試着室でH☆
最後まで『チンポジウム』と叫ぶコマでした(笑)
好きな男の為に身体を犠牲にして仕事をとってきます。でもその好きな男は自分の事をただの道具としか思ってなくて心が引き裂かれそうになる。そんなとき、自分を想う男が現れる。
という話が大好物です(笑)
今回の話は、性接待と聞かせれず、好きな社長に頼まれ、取引先の相手を接待してたら襲われそうになり、そこに攻めが助けに現れ~という話でした。
商談がまとまったと笑顔で迎える社長のクソさとか、それにちゃんと嫌悪を覚える受けの描写がしっかり描かれているので、その後の成敗がとても痛快です。
表題目当てで買ったので、残りの短編には期待してなかったのですが、最後の『地獄の沙汰も彼次第』良かったです!
これも何だかんだ私の好きな上記の設定込みでした。うはうは。
取引相手として出会う須永と佐倉。
二人は惹かれ合うも、そこに一人の男が現れる。元カレでヤクザの正夫。
正夫の借金のために佐倉は身体をウリ、金を作っていた過去。
大学を卒業と同時に捨ててきた恋だった。
捨てたはずなのに、振りほどいても振りほどいても消えない過去。
自分はウリの相手を見ようとしなくても、相手からは隅々見られている。
数え切れない位の相手。自分は覚えていないのに、相手は自分を覚えている。
どこかであったか聞かれるたびに恐怖する。
そうなんだよね。自分が見なくても相手は見てるんだよね。それが増えれば増えるほど、自分を見る目が増えていくんだよね。
過去は消えないけれど、その過去の傷を誰かに見られても二人で居れば堂々と生きていける。そんな強さをこれから二人で築いてほしいな。
ずーっと気になっていたのですが、絵が苦手でして躊躇してました。
最近『暗闇がトラウマ』の受けが出てくる作品を読み、こちらもやはり同様のトラウマの話なので興味が再発し購入。
うん。とても良かった。とても良かった。
トラウマの過去の映像が客観的に流れ、読者に共感や悲しみを覚えさせる方法は多々あれど、
これほどまでに過去の映像から苦しむ本人の姿が主観的に描かれ、苦しみが読者に伝わってくる作品は中々ないのではないか。
彼の感じている恐怖が、私の想像ではなく、映像で伝わるものだからパンチが強い!!本当に闇を感じ、可哀想という哀れみよりも恐怖を覚える。彼の闇への恐怖は決して大袈裟ではなく、本物なんだろうと体感する。
そんな闇を感じた所から見える光。素晴らしい。
二人が結ばれる為に都合よくトラウマが作られたのではなく、重たいトラウマをしっかりとゆっくりと二人で軽くしていく。決して消える不安ではなく軽減する不安。この辺が非常にリアルで、甘くない所が本当に良かったです!
だからこそ、見えた光の強さ優しさを強烈に感じられる。
凄く心に響いた作品でした。
ハンデを持った男が社会的地位を築き上げて、尚かつプライド高い受け。
そしてセフレと好きな男との三角関係とくれば~
萌ポイント高し!!
わくわくしながら読み進めました。
真面目な部下小野に対し、最初は可愛くない!と素っ気なく接する阿久津。
とある日、阿久津の目が見えていないことに気が付く小野。
昔から目のせいで周りから憐れまれてきた阿久津は、それが『ダメな人間』というレッテルを貼られたように思い、ずっとコンプレックスだった。
だから、社会人になり、その事実を秘密にして仕事をこなし、信用を勝ち得てきた。
そのため、この事実に気が付いた小野を遠ざけようとする。
しかし、さりげない小野の優しさが、阿久津の凍っていた心を溶かしていく。人に寄りかかる甘えを覚え始める。
そんな中、阿久津の変化を感じていたセフレの津川が本気で阿久津を口説き始めるが、阿久津の答えは決まっていた。
津川は津川なりに阿久津を愛していたので、嫉妬に駆られ酷い仕打ちを考えますが、何とか未遂に終わりしっかりと終わりを迎えます。
ここで小野登場か?!なんて思いましたが、そんなことはなく、しっかりと二人で解決出来た所が大人でいいですね。(津川の考えた仕打ちは大人気ないですが、未遂に終わったのでよしとしましょう)
その後二人はハッピーエンド~かと思いきや、阿久津の母親の話が出てきて、阿久津の過去が語られます。右目の原因や、母親のネグレクト話。
ここに来てこんなにダークをてんこ盛り。
途中、阿久津が仕事のしすぎでオフイスで寝ていたときに小野は自分のスーツを掛けてあげるのですが、
そのスーツを一日でクリーニングを済ませ返したとき、小野は反応し、
実は祖父が建築家を目指していたが、家業のクリーニング店を継いだ話や、
その祖父が若い頃事故で片目を失明していたから、阿久津の右目の事にも気づけた。
等、母親の件も含め出来すぎなエピソードてんこ盛りなのですが、
やはり、ハンデを持った男がプライド高く生きる姿は美しく、頑なな心が解れていく過程は優しく、とても心地よい作品だったと思います。
絵の美しさとギャグを楽しむ一冊ですよね?!
受けの名前も小鹿くん・・・まんまでした(笑)
恥ずかしいのが興奮する変態小鹿くんをエサとして使い、社内のセクハラ社員を炙り出すという任務を与えた鷹司。
その変態くんは雇い主の鷹司さんにしか反応しなくて?!
あれやこれやエロい調教をし、極上のエサとなりセクハラ社員をゲットしていく小鹿くん。
あれやこれやのエロい調教で二人の仲は近づくのでした。
SMとかではなく、言葉攻めですかね。
二人のやり取りがエロくて、ギャグで。なのに終始美しい絵。やってる事とシリアスな言葉とのギャップがたまりません(笑)
『産卵』『孵化』は全く別の話です。
まんま卵を使っていて、個人的に視ていて怖かったです。割れるー!ひー!
本編にも上記のお話にも尿道責めエンドを迎えておりまして、興味のある方は作者様とお話が合うはず!最後まで必見です。
女の子と付き合ってきたけれど、この違和感は何だろう。ホモかなぁ?分からないから、ホモに聞いてみよう!試させてもらおう!レッツゴー!
よくありそうな出だしですが、攻めがガツガツしておらず、誘い受けに流されちゃう穏やかな優しい攻め様でした。
そして、とても心を大切にしているのが読んでいて分かり、
お話もとても穏やかで優しい空気が流れる様な心地よい雰囲気の作品でした。
上記の理由により、ゲイの八木に声をかける昇。
学校出は話しかけるな、二人のことは秘密。この約束を守ればセフレになってやるという八木。
Hが終われば帰らせられる本当にただのセフレ。そんなただのセフレでは寂しくて、心も繫がりたいと思い始める昇だが、体を求められると流されていつも通り。
ある日、八木がいつも一緒にいる友達がいる前で声をかけてしまい、八木は激怒する。
しかし、過去のトラウマがあるから友達の前で声をかけて欲しくなかった、と謝る八木に 話してくれた事が嬉しくて、またその事情が悲しくて八木を思って涙目になる昇。
それ以来、自分は好きだけど、八木からはセフレとしか思われていないことに、益々、体をつなげても虚しさが残るようになる。
そんな中、八木が一番秘密にしておきたかった事に気が付く昇。
確かめずにいられなくなり八木の元に走り、告白する昇。
悶々と悩む昇の元に訪れた八木は・・・。
おー!全然伏線に気が付きませんでした!!八木をよーく、よーく見ていた昇だからこそ気づけた秘密。
伏線の張り方が自然すぎて、昇と一緒のタイミングで気が付け、昇の気持ちにリンクできたのが何だか嬉しかったです!
八木のトラウマも、わざとらしい大きな事件が起きた等ではなく、とても有り得る出来事。それくらいがリアルで丁度良い。
そして、二人の気持ちが通じた夜、Hなしで、ただ一緒に眠る。この描写がとても良かったー!
Hなしで夜を過ごすと言うことは、体だけでなく、心も通じた証拠。
セフレではなく、恋人として。
結ばれて激しいorエッロイHしてハッピーエンドを迎える作品が多い中、こちらの作品は最後まで温かい、ぬくい気持ちを大切にしてくれました。
描き下ろしでその後の二人がみられましたが、ツンツンだった八木さんが、別人みたいに甘えたになる場面、最高でした!もっと見たいなぁ。
べたぁ~とする二人にきゅんきゅんして読み終わりました☆
難しい!
何度読んでも二人の心情が理解できなかった。
自分への気持ちを量る為に、付き合った相手にSMもどきな事を繰り返してきた攻めのみつ。
小さい頃に両親が亡くなり、欠けた物を埋めようと愛情を試してきたという。
そんなみつが転校先で唯人に出会い、次のターゲットにする。
唯人は小さい頃のトラウマから暗闇では恐怖で体が動かせなくなる。
それを知ったみつは益々唯人に執着していくというが・・・
初対面でいきなりキスされり首噛まれたりしたら怖くないですか?
その日のうちにそんな相手の家に行って、ほのぼの夜ご飯食べて、みつはちょっと人との距離感がおかしいだけかも。もしくは、純粋に懐かれたなら悪い気はしない。とか、おかしいでしょ。
唯人が暗闇では恐怖で動けなくなると知りつつ、みつは夜の暗い玄関で突然後ろから現れて強姦して、事後逃げるように去り、そこから避けるようになる。そんなの唯人にとって恐怖でしかなくない?
しかし!
唯人はみつに犯されて以来、目を閉じてもみつの事ばかり考えて恐怖が払拭されるようになったんだって。
更に、ここに居るみたいで安心を覚えるようになるんだって。
ちょっと理解出来ないです。強引すぎやしないですか?
付き合うようになってからの学校でのヤキモチHとか、変質者に襲われて唯人が自慰見せるとか、そんな描写いりますかね?
相手を独占して誰にも見せず閉じ込めておきたい。というあるあるのパターンへの展開の布石だけど、その布石でかすぎませんか・・・。
お互いがお互いの不安を払拭していく過程は丁寧に描かれていて納得できるのだけど、
そこからどう恋愛に結びつくのが弱い気がします。
好きだからHすると言うよりも、最後までお互い不安を払拭する為にHしている様に見えてしまいました。
エロ描写はとても多く、電子でも修正がぼかし程度で白抜きなし。かなり見応えあります。
しかし、上記の理由によりエロシーン見ても萌は低めでした。
トラウマで声が出せなくなった藤沢と、
苦節7年。入社以来藤沢の声に惚れ込んで、お近づきになることを目標に仕事に励む(笑)岸野の恋の話。
これ、ただの声フェチの話かと思いきや違ったんです!
岸野のある事情により、藤沢でなくてはならない理由が後々語られます。
だからどんなにそっくりな声の持ち主が現れても、ぶれることなく藤沢を愛する姿が見られて感動!
ただの声フェチの変態男の話から、
意外とシリアスな理由による一途な恋の話へとシフトチェンジします。
藤沢のトラウマの払拭の仕方が、ちょっと無理ある様な気もしますが、
所々笑いを誘うセリフなどもありつつ、
藤沢のトラウマも、岸野の件も余り重くなりすぎず
素直に良かった!と思えた作品でした。
最後、題名に納得です!