スクールカーストの最底辺にいる平良と頂点に君臨する清居、パシリだった平良がどんどん清居のことを好きになって、気持ち悪いくらい純粋にまっすぐに清居のために尽くす姿は読んでて可哀想で切ないのにほっこりした。熱烈すぎる平良の気持ちに心を開いていく清居は、素直になれないのか、素直すぎるのか「うざ」とか「きも」って一言でばっさり切り捨てていくんだけど、それさえも清居からもらえたものなら宝物みたいに大事に受け止める平良の愛が深くてときめきました。
音楽室でファインダー越しに向き合う二人の時間は、描写が美しくて一文字も逃したくなくて必死に文字をおいかけてた。
卒業式のシーンは、この先の二人を思うと泣けて泣けて仕方なかったし、その後思った通りすれ違って、また出会えた時はこちらまでほっとしてしまった。とてもドラマティックな作品。事前情報ではすごく切ない、という評価をみての購入だったんだけど、個人的には、とてもハッピーな甘々小説といったところ。告白が清居からなのも可愛かったし、必死に告白しながらも「なんでこんな奴を」思いながら感情昂らせて泣いてしまった清居、最高にかわいかったです。平良に芽生えてしまった独占欲も、清居には嬉しいだけなんじゃないかと思うと、こちらまで幸せになれました。
ずーーーっと前から気になってて、でもなんとなく手に取るには至ってなかった作品。読み応えのある短編集でした。
どれもかわいかった…表題作は、攻めが素直で、年上に転がされてる感じが可愛かった。
王道展開だけど「感情スペクトル」も面白かった。
「リプライ」は読んでて胸がぎゅっとなった。最近は割とスッとお互いのことを好きになる展開の作品が多いと思ってるんだけど…同性を好きになったり、同性に好きになられたり…っていう戸惑いがとても丁寧に描かれてて切なかった。好きだからこそ遠ざけたくなってしまう関さんと、好きというのにどんどん離れる関さんを引き止めたい高見さん。どっちの気持ちもとてもリアルに描かれてて、幸せになってほしい気持ちが溢れて止まらなかった。高見さんの「俺の方がスケベなんだと思う」発言可愛すぎて頭抱えましたね。ストレートにぐいぐいいく攻め、最高でした。存分にスケベであってくれ。ご馳走さまでした。
狭い田舎、人には言えない一面を持ってる少年たちが、自分の進む道を選ぶ過程で、人の目や噂を気にしたり、人と違う自分を受け入れようと葛藤する様が瑞々しく描かれていて痛いくらいだった。誰が選ぶ道も正しい正しくないは本人が決めること。
登場人物の純粋さと、芯のある強さに心動かされた。面白かった。あまり実写化って好きじゃないけど、これはちょっと実写映画でみてみたいかも。読了後の余韻がすごい。映画をみてるみたいだった。色んな生き方があるけど、自分を貫いて自分を認めて、胸を張って生きていく難しさを実感させられた作品。
何回でも読み返したい。自分らしく生きる道を選んだ三島の選択も、母親を幸せにする道を選んだ桐野も、どっちも幸せになるための選択で、選んだ先にどちらも幸せな未来があってほしいと願わずにはいられない。そういう作品だった。皆に読んで欲しい。BL好きな人にも、そうじゃない人にも。
幸せな気持ちになりました。何度でも読み返したいです。
仕事では完璧な上司、外川くんにとっては人生の先輩としてもとても尊敬できる野末さんですが、人生経験があるからこそ、恋に臆病になって自分の気持ちに気づかないふりをしたり、あと一歩が踏み出せなかったり、ちょっと面倒くさくなったり(メールの返信ひとつで一喜一憂して外川くんのことを避けちゃったり)する感情の揺れひとつひとつがたまらなく可愛かったです。そして、野末さんの気持ちを聞いて「同情だ」と言った外川くんに対して、彼の気持ちをしっかりくみ取った上で、彼が納得できる「君が好きだ」を伝えられるところは、完璧すぎる大人の男でした。そのシーンを読んだ時、10歳という年の差がとても大きなものに思え、これから外川くんは何歩も先をいく野末さんの背中を追いかけつつも、支え合っていいくのだろうなと思い涙が出ました。二人が幸せになれて本当によかったです。