続きのあるコミックスの場合、どの作家さんも並べたときを想定して表紙を考えるわけで。
上巻でカップルの片方を、下巻でもう片方を表紙にするのはよく見かけますが、この作品は2巻とも晴人が表紙。
電子で読んだのですが、「これは......」と思って上下巻ともページを最後までスライドしてみると、どちらも裏表紙に蒼生。しかも下巻の蒼生は♥
バックにぼやけるペンダントライトがおしゃれ。
これは、紙で買ってカバーをはずして広げて2巻並べて見るべきでした。
cover design は 伊南美はち さんとなっていて、X(ツイッター)で、おまゆ先生から伊南美さんへデザインのお礼のポストをみつけました。
お二人で相談してできた表紙なのでしょう。
蒼生と晴人の関係の深化を象徴する素敵なデザインですね。
お話の方、藤河るり先生の『ベッドイン・ルール』と同じく、ラストシーンはカーテンのない寝室でしたw
この作品の前に、たまたま藤河るり先生の『ベッドイン・ルール』を読みました。
どちらも人気スターと秘密のラブというお話ですが、『ベッドイン......』の方は攻めが成功したハリウッドの大物俳優でうっとりスパダリだったのに対して、こちらは駆け出しの若手俳優・蒼生ががんばって登っていく姿がキラキラでこれも良いですね。そして晴人も初々しくいじらしい!
スターとの秘密の恋BLというと、扇ゆずは先生の『澪つくし』が印象的ですが、ほかの作品もたいてい受けが「スターに負けないように僕も!!」と猛然とがんばっちゃう。
前向きでいいっちゃいいんですけど、たまにはスターをダメにしてしまうクズ男の受けがいてもいいんじゃないかと。
『まって、......』は、どんな結末になるのか楽しみに下巻読みます。
藤河先生の作品はいつも人物が麗しいけれど、今回の攻めのエドは格別です。
整った顔立ちと、欧米人らしいがっしりと厚みのある体躯に見惚れてしまいました。誰かモデルになる特定の俳優さんとかいるんでしょうか。
そして外見だけでなく気持ちも行動も男前でスパダリ!
ですが、史音と互いに好きになっているのに絶妙なズレですれ違い、結末は見えているものの最後までハラハラしました。
巻末に「エドワード邸」と「エドワードの寝室」の図がありますが、ガラス張りでカーテンなし!
成功したハリウッドスターの豪邸なので周囲は森に囲まれていて外からは覗けない設定なのでしょうが、今どきはドローンもあるから二人の甘々なシーンが......と、いらん心配の妄想も楽しめましたw
とくにページ数を意識せずに読み終えましたが、ここで皆さんのレビューを読ませていただき、たった15ページで登場人物の名前さえない、というのに気が付きました。短いのに楽しかった!
互いに相手を思っているのに、正反対の結論を出そうとする二人。ある意味、よくある話なんだけど、すごく幸せな読後感に包まれるのは、やはりのテンポの良さと、木下先生の描くキャラの表情の魅力のせいでしょうか。
BLの作家さんも増えて、きれいな絵柄だけど誰の作品だか印象に残らないものも多いなと感じています。
そんな中で、鼻の描き方、目の表情、顔を赤らめたときの線の入れ方などなど、一目で木下先生の作品だとわかる絵柄と、ほのぼのとしたストーリーは貴重。
これからも、もっともっと先生の作品が読みたいです。