11巻前半の切ないエピソードとバランスを取るかのように、後半は光陽とジェイドのもとに赤ちゃん二人が来てからの幸せな日々が描かれています。
レビからお土産に蟹をもらったジェイドと光陽。今食べたら1匹だけど養殖すれば増えてたくさん食べられる! ということで蟹をモールスカに託すことにしました。
増えるのを待っている間も光陽はマラサダドーナツ全種類制覇のあとの甘く激しくジェイドを翻弄でビッチモード全開。
そして晴れて六万匹に増えて、みんなを呼んでの蟹パーティー。揚げたてソフトシェルクラブに焼き蟹、お刺身の蟹づくしメニューを堪能した光陽はその上、赤ちゃんを連れての狩りに行きたい! と。
食欲、性欲、仕事に子育てと、すべてにフルスロットルで、人(獣人)として生まれたからには、かうぞあらまほしという感じですね。
がたいのいいジェイドが、ちみっこい赤ちゃんたちをおぶっている絵姿も、いとめでたし。
続きのあるコミックスの場合、どの作家さんも並べたときを想定して表紙を考えるわけで。
上巻でカップルの片方を、下巻でもう片方を表紙にするのはよく見かけますが、この作品は2巻とも晴人が表紙。
電子で読んだのですが、「これは......」と思って上下巻ともページを最後までスライドしてみると、どちらも裏表紙に蒼生。しかも下巻の蒼生は♥
バックにぼやけるペンダントライトがおしゃれ。
これは、紙で買ってカバーをはずして広げて2巻並べて見るべきでした。
cover design は 伊南美はち さんとなっていて、X(ツイッター)で、おまゆ先生から伊南美さんへデザインのお礼のポストをみつけました。
お二人で相談してできた表紙なのでしょう。
蒼生と晴人の関係の深化を象徴する素敵なデザインですね。
お話の方、藤河るり先生の『ベッドイン・ルール』と同じく、ラストシーンはカーテンのない寝室でしたw
この作品の前に、たまたま藤河るり先生の『ベッドイン・ルール』を読みました。
どちらも人気スターと秘密のラブというお話ですが、『ベッドイン......』の方は攻めが成功したハリウッドの大物俳優でうっとりスパダリだったのに対して、こちらは駆け出しの若手俳優・蒼生ががんばって登っていく姿がキラキラでこれも良いですね。そして晴人も初々しくいじらしい!
スターとの秘密の恋BLというと、扇ゆずは先生の『澪つくし』が印象的ですが、ほかの作品もたいてい受けが「スターに負けないように僕も!!」と猛然とがんばっちゃう。
前向きでいいっちゃいいんですけど、たまにはスターをダメにしてしまうクズ男の受けがいてもいいんじゃないかと。
『まって、......』は、どんな結末になるのか楽しみに下巻読みます。
藤河先生の作品はいつも人物が麗しいけれど、今回の攻めのエドは格別です。
整った顔立ちと、欧米人らしいがっしりと厚みのある体躯に見惚れてしまいました。誰かモデルになる特定の俳優さんとかいるんでしょうか。
そして外見だけでなく気持ちも行動も男前でスパダリ!
ですが、史音と互いに好きになっているのに絶妙なズレですれ違い、結末は見えているものの最後までハラハラしました。
巻末に「エドワード邸」と「エドワードの寝室」の図がありますが、ガラス張りでカーテンなし!
成功したハリウッドスターの豪邸なので周囲は森に囲まれていて外からは覗けない設定なのでしょうが、今どきはドローンもあるから二人の甘々なシーンが......と、いらん心配の妄想も楽しめましたw