CDを聴いたので久しぶりに再読。
ほとんど記憶から消えていて、新鮮な気持ちで読みました。
11年前の作品で、いろんなことが現代と違い、それが物語の展開に生きています。
ゲイに対する考えや態度、社内の噂話の一斉送信、など、時代を感じます。
ゲイなのを隠しもしなければ否定もせず、仕事はきちんと、社内の人間関係は最低限で過ごしてきた須藤。
常務に頼まれて息子、真木のお目付け役、補佐、になり、密かに思いを寄せるものの、隠して、二丁目で発散していたのを、真木に見られてしまいます。
見つける経緯もその後のおいかけ、せまる様子もそれらの言動は、今だったら人権だ、差別だ、と問題になりそうなものです。
しかし、それがいいです。物語、だし、そのころはそうだったのだろうし。
興味本位だと言いつつぐいぐい迫ってくる真木の求めについに応じてしまう須藤。
それ以降の、好きだから言いなりになってしまう、須藤の顔つき、言動の変化に驚きます。
ネタバレになるので割愛しますが、この後、一波乱、二波乱ありますが、真木の変化や言動は応援したくなるし、須藤の本来の表情の愛らしさには胸が苦しくなります。
告白シーンも圧巻でした。
場所も景色も、須郷の言葉も、真木の言葉も、全てがすばらしく、心が震えました。
登場人物の言葉が多くて、とても丁寧に物語が綴られているのも、素敵でした。
原作既読ですが、読んだの10年以上前で全く記憶から消えていました。
なのでほぼ初めての感じで物語に触れました。
CD化が10年前、今とは社会がいろいろと違うのが、物語の展開に生きています。
令和の今だったら、ありえないきっかけ、と展開なのも、味わい深いです。
新宿二丁目を冷やかしに車でわざわざ行く悪友付き合い、と、キスをしている人にクラクションを鳴らす行為。
社内の噂ばなしが写真つきで一斉送信で共有される環境。
出世のため、将来のため、世襲のための結婚。(これはいまだにあるのかな)
前野智昭さん演じる須藤章成の、色っぽさ、切なさ、苦しさが、すっごく胸にしみいります。
部下の須藤に密かに恋心を抱いていて、さみしいときに一緒にいてくれればいい、と二丁目で見つけた相手と一夜限りの関係を持ち続けてきました。
片想い、という言葉が軽い、とは思いませんが、須藤のこの気持ち、行動は、秘めた恋心、と呼ぶ方がふさわしいように思います。
社内ではゲイであることを認めもしなければ否定もしない、仕事はきちんとこなしつつ、それだけの毎日を送って来たというのが、前野さん演じる須藤の声音にすごく表れていて、本当に切なかったです。
岸尾だいすけさん演じる真木唯行は、育ちがよくて頭がよくて、だからこそちょっと不遜で、ちょっと鈍感な男でした。
須藤にせまる様子はちょっと軽薄、後に子どもっぽくて、どちらの表情にもちょっといらつき、そしてとても萌えました。
後半の別れと再会のくだりには、本当に胸がどきどき、苦しくなりました。
大好きで何度も繰り返し読んでいるお話ですが、CDを聴いて、素晴らしい声優陣による素晴らしい物語に感銘を受けて再読し、さらに感動しました。
甘さがなく、苦しさと胸痛む恋模様、普段は苦手なのですが、MODSと続いてNIGHTS BEFORE NIGHTはとても胸に染み入ります。
時雨との過去により不眠症となり、生きているけれど死んでいるような日々を送る春。
若いころの時雨に似た、腹違いの弟、雪鷹がめちゃくちゃ暴れまわってきたせいで謹慎となり、自宅に押し付けられてしまいます。
雪鷹のかわいくない乱暴な言動が、春の心をかき乱す様子が、切なかったり、雪解けしていく様子に萌えたり、しました。
春も雪鷹も、ガッチガチ凍って枯れている心が、お互いの体温で、じんわりと、うっすらと、少しづつ溶けていく様子、甘さはないけれど、確実に変わっていく様子が素敵でした。
原作既読。
大好きで何度も読んでいるお話で、各キャラクターそれぞれに思い入れがあります。
メイン、脇の声優さん、好きな方ばかりですが、雰囲気が自分の抱くイメージとあっているか、原作が大好きなだけに、声優さんも大好きなだけに、心配しながら聴きました。
うっとりしたり、はらはらしたり、切なくなったりしながら堪能しました。
小野友樹さん演じる雪鷹の、やさぐれたところ、わがままなところ、ちょっと甘えているところ、抱えている苦しみ、切なさが胸に響きました。
野島裕史さん演じる春の、クールなところ、かっこいいところ、迫力があるところ、けだるげなところ、優しいところ、色っぽいところ、本当にどの顔、表情も、まさに春、という感じで感動しました。
森川智之さん演じる時雨の、大きくて、強くて、でも、よどんだ雰囲気、敗退的な雰囲気、とても伝わってきました。
登場シーンは少なかったですが、斉藤壮馬さんのシロ、小生意気でかわいくて色っぽかったです。
虫歯先生の新作はこれまでの作品に増してすごく変なお話でした。
誉め言葉です。
虫歯先生の世界観がたまりません。
どこかネジがぶっ飛んでいるNo.1ホストのトキオは、俺様で自分勝手、だけど、悪気は全くなく嫌な感じはしません。
言動がとにかくぶっ飛んでいます。
自分を崇拝、敬愛する後輩の流星を飼い犬のように使いまくり、EDになったときには気晴らしに、と命じて抱かせる、とか、本当に意味が分からな過ぎて唖然としました。
しかし、トキオと流星、という2人の関係ではわかるやりとりでした。
出だしから唖然とさせられ、読み進めていくにつれてさらに唖然とします。
2人のそれぞれの性格、関係、やりとりが、ことごとく突拍子もないです。
しかし、不思議と違和感なく、しっくりくるのでした。
なかなかひどい事件を経て、2人してホストをすっぱりやめて喫茶店で働いている2人の姿にもとってもしっくりきました。
喫茶店で働く2人とこの街の人たちとの交流も、続編で読んでみたいと思いました。
不思議でおもしろく、はらはらして、萌えました。
読んでいて自分の感情に戸惑うような作品でした。
さすが、虫歯先生。
久しぶりの新刊、楽しませてもらいました。
身近なところにカップルいっぱいなのは、BL漫画のご都合的なようですが、今作では物語、キャラクターの設定、世界観から、身近で交際、番うのが必然、自然に感じました。
颯助は相変わらず、コマが大好きだけど、周りの人たちも大好きで、みんなに優しいです。
コマは最初のころと比べるとだいぶ社交性が出てきて、颯助にも心を開いているのがかわいいです。まだまだ意地っ張りで言葉足らずになることもありますが、がんばってる!
外伝3巻のゲストはかわいいトナカイの子ども。
この世界観にサンタクロース⁉
びっくりしましたが、いろんな神様がいて、神羅万象、八百万の神々、なんでもありでおもしろかったです。
群れからはぐれてしまって、自力では仲間に合流できないトナカイの子どもを保護し、それぞれの立場、能力を使いみんなで協力します。
一致団結、とはちょっと違う、その協力する様子が、とても素敵でした。
トナカイの子どもは無事にサンタクロース一行と合流できました。
一件落着なのですが、成長して、またお休み処に、今度は自力で戻って来てほしいなと思いました。
素敵な別れでした。
BL漫画はストーリーを楽しみたく、いちゃいちゃばかり、エッチシーン多めは苦手です。
そういう視線からはこの作品は好みとは外れていました。
しかし、とにもかくにも、すごくかわいらしい作品でした。
キャラクターも、性格も、顔も、台詞も、全体がとにかくかわいいです。
表題
俺以外にはときめかないで
女性向けBLイメージビデオのような印象がありました。
年上、落ち着いている、大人っぽい、背が高い、バーテンダーの千秋
年下、大学生、少年っぽい、無邪気、大学生の李央
ほんのりかわいい両片想いから、すっかりかわいい両想いになって、エッチするまでのもだもだ、いちゃいちゃがつづられています。
内容はあまりないです。
しつこいようですが、とにかく、かわいいです。
ほっこり、幸せ、あったかい気持ちになります。
恋愛アンチテーゼ
女性向けBL恋愛ゲームのような印象がありました。
非リア、ゲイ、恋愛に夢を見ていない、後ろ向きな志麻。
リア充、ノンケ、恋愛至上主義、前向きな涼平。
大学で仲良くて、ご近所さんで、親友の2人ですが、仲がいいが故に遠慮なくスマホを見られてしまったことで志麻がゲイなことが涼平にばれてしまいます。
距離を置こうとした志麻のところに、恋愛を応援したいと押しかける涼平。
親友が親友の恋を応援して、恋人のふりで練習するうちに恋心が高まっていく、という、とても漫画らしい展開です。
安心して読めます。
志麻のちょっと後ろ向きだけど、涼平に対して感情が忙しいところがかわいいです。
涼平はちょっとあほっぽいところがあり、まっすぐで、優しいところがかわいいです。
2人とも違った可愛さがあります。
最初と最後、涼平が突撃していくところが、ドラマチックで萌えました。
きみの好きなところ
千秋と李央のその後のお話。
本編に増して、甘々かわいい2人のデートでした。
読んでて照れるくらい、甘くて素敵でした。
先輩への愛が激重だった元陰キャで元冴えない後輩のジュリアが、トップモデルになっても、先輩大好き、仕事のスケジュール、場所はすべて先輩に会えるように調整し、先輩に全てを捧げてきました。
そんな激重な想いがようやくみきおに届いたものの、まだまだ温度差が大きい2人。
みきおの愛情が、ジュリアの激重レベルと同じになることは、元の性格や社交性、立場や処世術から、ないと思いますが、今後はそれなりに深まって行きます。
2巻はまだかなり温度差を感じます。
みきおの配慮による規制、取り決めがみきお自身によって破られる展開、ジュリアに対して入ってしまったなんらかの特殊スイッチ、驚かされ、萌えました。
みきおがジュリアに約束させ、唱えさせている三か条、シナナイ!コロサナイ!平日はサカラナイ!は、他のどんな漫画の登場人物でも、どんだけぶっ飛んでるキャラクターでもありえない内容で強烈です。
みきおの保護者顔、先輩顔から、恋人顔が増えてくるのも萌えるところでした。
10年前の作品、久しぶりの読み返したらやっぱりおもしろくてわくわくしました。
タイトル通り、ジュリア、が、先輩にくびったけ、とにかく好きで好きで盲目的に敬愛しているお話です。
ジュリアはトップモデルなのですが、読モをしている先輩、みきおを一緒にいるときにスカウトされ、そのバランスが神がかっていると絶賛され、一流モデル、トップモデルになります。
漫画らしい強いエピソードが素敵です。
みきおはちょっとイケメンで学生時代は読モで人気があって、社会人になってからは自分のことがちゃんと見えていて地面に足がついているタイプ。
ジュリアでなくても後輩に敬愛されるタイプの男です。
ジュリアの愛はとにかく重い。盲目的で執着がすごくて、命をかけています。
ちょっと怖いんだけど、健気でかわいい。
10年間で7巻まで発行されています。
大小いろんな事件、トラブルがありながら、片想いから両想いになっていく2人のエピソードがとれも素敵で楽しいです。
某電子サイトの無料立ち読みで表紙を見かけ、作家名を見てびっくり。
ためし読み後、すぐに購入しました。
神、人外、人型、などが登場します。異世界ものなのですが、その中でもさらに異世界、治外法権がある設定なのがおもしろいです。
古道具屋に助けを求めてやってきた人型のカナリアは親殺しの重罪を犯していたのですが、母親亡きあと父親に利用され心を殺されてきたことが動機、というなんとも切ない理由でした。
なぜ古道具屋が治外法権を許されているのかわからないままですが、それがかえって良かったです。
後半、人気BL漫画、私が大好きな「九尾の狐となまぐさ坊主」シリーズの愛らしい天使、円仁ちゃんが世界に紛れ込んできます。
先述の人型カナリアとは違う理由で神に追われる円仁ちゃん、古道具屋が仰天手段で救おうとする、ところで1巻は終わります。
三原しらゆき先生とりんこ先生のファン、「九尾の狐となまぐさ坊主」シリーズファンはぜひ読んでみることをお勧めします。