全巻読んだ感想です。
しばらくBL作品から遠ざかっていたのですが、高レビューが多かったので、まずは1巻と思い購入しました。
BL作品でここまで泣いたのは久しぶりです。
よくある転生物かと思ったら、全く違うアプローチで、ぐいぐいと引き込まれ、一気に読破してしまいました。
私はとにかくイオニアの半生に惹かれ、イオニアが報われてほしいとばかり願っていたので、正直言ってレオニーノにはあまり惹かれませんでした。
元々純粋培養の受けが得意ではないので、なぜレオニーノだったんだろう?という思いもあり、グラヴィスとレオニーノの営みには正直しんどくもなりました。
2人の行く末というより、2人を取り巻く人々やこの世界がどうなるのかをただ最後まで見届けようという気持ちでした。
後半の真実が明るみになる場面ではまさかまさか、という話が次々と出てきて、当事者達の悲劇に胸が痛くなりました。
この壮絶で壮大なストーリーをネット小説で描き切ったという作者様に脱帽です。
体から入る関係は星の数ほどあるので、それ自体は全く構わないのですが、終始なんだかピンと来ないという感情が付きまとっていました。
単純に私の性癖と異なるのだと思います。
どんなに沸点が低いクールなS攻めでも、やっぱり最後には受けに夢中になってほしい!むしろその落差が大きければ大きいほど萌える!という私としては、攻めの愛より受けからの愛の方が圧倒的に大きかったので、物足りなさを感じてしまいました。
そもそも受けが好きになったのだって単純にHが気持ち良いからだけなんじゃ。。と思わずにいられませんでした。
あと掲示板やらサウナやらゲイ世界の日常?がやたら即物的だったのも合わなかったのかも。
タイトルとあらすじだけ見て、エロエロ目的で読んでみたら、想像と180度違う切ない両片思いのお話でした。
お話がどっしりしっかりしています。
共依存といえばそれはそうなのですが、あんなに過酷な環境で本当にお互いの存在が、いてくれてありがとうというしかないですよね。。
脇を固める双子のキャラも最高でした!
受けがとにかく可愛くて可愛くて仕方ないです。
そんな受けのことが大事すぎる攻めの想像以上の不器用さにツッコミたくなってしまいますが、これまで辛かった分、これからはずーっと幸せでいてほしいなと願うばかりです。
久しぶりに良い作品を読んだなーと胸がいっぱいです。