テンカウント最終巻。ずっと好きな作品なだけに、ビクビクしながら手に取りました。読み始めるとページをめくる手が止まらず、一気読みしました。
読了後の直感的な感想としては「穏やか」でした。皆さん書かれていますが、「ああ、これで良かったんだ」「これで二人とも救われたのだ」と私も思いました。真逆なようでいて似た者同士の二人がお互いに救いを得て幸せそうにしている姿は涙を誘います。
また、宝井理人先生らしい終わり方だなとも思いました。花のみぞ知るもそうでしたが、恋愛の過程を大切にしている作家さんだと私は考えています。テンカウントはいつもと毛色が違うと思いましたが、最後は綺麗に「恋の物語」にしてくれました。本当に読了後は爽やかです。
一つ引っかかった点を挙げるなら、心なしか(問題解決の過程が)少しあっさりしてるか…?と思いました。私から言わせてみれば、出てくる人出てくる人、皆性善説的すぎる!と思ったのです。でも、このあっさりさとキャラクター達の人の良さ(?)が読了後の爽やかさに繋がったので、これはこれだと今は思っています(^。^)
そして、最後の書き下ろしがすごく良いです。最初、ピアスを開けると聞いて「?」となりましたが、これがすごく良い。特に「俺、黒瀬くんに恋していたんですねえ」のくだりが本当に良かった。城谷さんの真っ直ぐな言葉に、私も思わずなるほど〜と頷いてしまいました。これが恋か!と。萌を感じたというより、ときめいた!という感覚です。胸がきゅんとなります笑(もちろん萌もいっぱいありますよ!)
最後に、個人的なことでありますがテンカウントは大好きな作品というだけでなく、商業BLに本格的にはまるきっかけになった作品でもあります。感謝と敬愛の念を込めて神評価とさせていただきます!
気がついたら泣いてた、というくらいすーっと感動が胸いっぱいに広がりました。読む前は前巻のような、なんでも吹き飛ばしてくれるポジティブ!を予想していましたが、二巻では胸にぐっとくるお話になっていました。
ももが暗い過去を持っているというのは一巻でも分かっていましたが、その全容が明らかになります。その壮絶さには言葉を失いました。でも、それ以上に、ももはあえて明るく振る舞い強がって心を殺していたという事実が、なによりも心に残りました。それだけではなく、母親との過去も悲しく辛いもので、どっときました。だからこそ今のももなんだ、と思いました。
ここまでだと、まるで救いのないお話ですが大丈夫です。最終的にはハートフルです!上手く文章にできないのですが、本当に気がついたら泣いていました。これ泣く本だったんだ!?って後から気づきました。親子愛って?家族って?と考えさせられましたし、親子っていいな、と(3巻の内容も含めて)改めて思えました。
やたちゃんがももに温かい言葉をかけるシーンも本当に、胸が熱くなりました。やたちゃんにしかできないことですし、それによってももの心が氷解するのが、今までの全てが報われた気がして涙が止まりませんでした。
でも、(良い意味で)やっぱりハラダ先生でした。うわーって泣いたのですが、その後いきなり濡れ場突入で泣きながら笑ってました。楽しかったです。泣いて笑って楽しめる最高の一冊でした。
梶本先生の作品は今回初めて読みました。みなさんのレビューを見て覚悟はしていたものの、結構精神的にえぐられました苦笑
人間の悪を描ききっている…というのが印象です。一つの物語なのですが、様々な人の角度からの描写があり、後になって「そういうことか!」と納得できます。とても読み応えのある作品でした。
ただ、内容は自分から言わせればややグロで、軽い気持ちで読むと心にダメージを負いかねないと思います。誰が殺されたのか途中分からなくなるくらいでしたから…(^-^;犯罪が描かれる場面が多く、途中しんどいと感じた所もありましたが、読了後はそれもまた良さだったな、と感じてます。
この作品は萌えを楽しむというより、登場人物の内面と物語を楽しむという心持ちで読んでいました。なので、自分としてはこの作品はサスペンス:BL=9:1くらいな感覚です。特に上巻は(他BL作品の何倍も)情報量が多く、読むのに時間を要しました。
ずっしりとした、シリアスな作品が読みたい方にはぜひ読んでいただきたいです。でも、万人に勧められるかと言われるとそうではないので、よく自分の精神状態と他の方のレビューを見て考えて読むことをオススメします!
まず、単純に面白かったです。いきなりヤクザに追われているところから始まり、どんどん数馬が追い詰められていく…という目が離せない展開が楽しかったです。完全無欠な雪也が数馬を世間から遠ざけていく様はヤンデレ好きとしてはたまらなかったです。
私は結構最初の方でオチが読めたので、「え?数馬素直すぎない?ていうか雪也に見とれすぎじゃない?」という激しいツッコミの中で読んでいました。それもまた、私としては面白かったです。(これは私だけかもしれない…)
そして、これはかなりどうでもいいことなんですが、なんというか濡れ場で何度か私は笑いそうになっていたのです。私はやや斜めに小説を読む癖があるので、そういうことはしばしばなのですが…。読まれた方はわかると思いますが、数馬はかなり雪也を溺愛しています。(身体的な意味で)ゆえに、雪也の身体に対する描写も多いのです。「雪也を食べる」という描写が何度かあり、最初は違和感なく読んでいたのですが、あまりに連発するので「雪也を食べる(物理)」に読めてしまって…。「あ、食べてる…笑」ってなってました。すみません。
そしてこれ何人がわかるんだよって感じですが、中盤ぐらいで一回、「ビンタしてるみたい…」という表現があって私は萌えを忘れてツッコミを入れてしまいました…。
こんなこと書いてますが、面白かったです。読まれる方は是非濡れ場に注目していただきたいと思います。
一巻では明かされなかった真冬の過去が明らかになります。これがとても辛かった…。いままでの真冬の態度に合点がいきました。
ここでもグッときましたが、なにしろライブシーンが圧巻でした。即興で歌詞を作り、真冬が歌ったときのあの回想で涙腺が崩壊しました。さみしくないよ、って最初は言っているけれど…というところがもう悲しさと感動でいっぱいでした。最後の書き下ろしの「海へ」を読んで初めて真冬のさみしいよ、の意味がわかります。辛くも美しいとはこのことでしょうか…。足跡が波にさらわれて消えるところが辛すぎて…!ここで私はとどめをさされて本を閉じ、枕を濡らしました。
辛い場面を列挙してきましたが、立夏と真冬がそれぞれの気持ちに気付き前に進んでいこうとする前の大事な話でもあります。そこはとても明るいです。救われました…!
最初の方は、やや詩的か…?と思ったのですが、真冬の感情がダイレクトに伝わってくる感じがします。なのでギヴンにぴったりだと思います。私は大好きです!この本には泣かされました。迷いなく神評価です!
帯にインパクトがあったので手に取りました。内容も新しい扉を開けそうで、とても面白かったです。
「よく見て、先生」では、なんとなくこうなるんだろうなあ、と思いながら読んでいたのですがなんと攻めがその予想の上をいくゲスさで感動しました!まさかそこまでするとは…私も先生ごと騙されていました。
「よく見て、先生」が表題作ですが、他の作品もかなりオススメです!個人的には三作目の「灰かぶりの男」が一番好きです。これが一番、裏切られた感がありました。衝撃的な展開に思わず笑ってしまいました。この新鮮な感覚がとても嬉しかったです。そして、私はヤンデレが大好きなのでそれも相まって神評価になりました。
ただ、一つ難点をあげるとすると、全体的に尻切れトンボな終わり方をしている、という点です。なんとなくスッキリしない、よくわからない曖昧な終わり方なので後味がやや微妙です。二巻が出ることを見越して…ということでしたら話は別ですが、巻数が振られていない以上それは希望的観測といえます…。
ですが、それを加味しても面白い作品でしたので神評価です。ヤンデレが好きな方や新しい扉を開きたい方に特におすすめします(^。^)
今回も安定の罵詈雑言。そして笑えました!タイムリーなネタ満載だったので、読むか迷っている方は後回しにせず先に読んだ方がより楽しめるかな、と思います。
「壁ドン」のくだりが素敵でした。潮で練習する場面はもちろん、物語の鍵になる計のセリフもかわいかったです。潮への気持ちが伝わってきて最高でした…。
物語の後半、計が記憶喪失になったとき正直「あ、ベタな展開だなぁ…」と思ってちょっと落胆したのですが、さすがは一穂先生。二重人格ならではの片方だけ居残りという展開でした…!私は「きれいな国江田さん」と潮もいいなとか思ってしまいました(笑)もう少しだけ見たかったという気もしますが、最後に計と潮が無事結ばれて安心しました。やっぱり潮には計しかいません。
計は今回仕事で悩まされたり嫉妬に焦げたりと、忙しいですね。計の新しい一面が見れたのでよかったと思います。かわいいの一言に尽きます。二人のかわいさに文句はありません。なので神評価です。
三巻が出るのをずっと楽しみにしていたので一気読みしてしまいました!
今回も素晴らしかったです。前巻までとは一味も二味も違う百目鬼を拝むことができました。なにしろ人間味が出てきたので、より表情や内容に深みが増したと思います。それと、私はこの巻で度々表れた矢代のなんとも言えない表情がすきです!特に竜崎との過去のシーンは最高でした。すべてわかっていて悟っているような感じですね…。矢代が何を考えているのかわかりにくいところもまた良いです!
矢代の命を狙った犯人はまさかでした。しかもその犯人の犯行動機がまた人間らしくて…!なんだか妙に納得してしまいました。
物語も、矢代たちの心情の変化も大きかったこの巻はとても読み応えがありました。迷わず神評価です!
今年のBLアワードで最も辛い作品に選ばれていたので買いました。たしかに辛かったです。前半が終わって「あれ?そんなに辛くない…?」と思ったら後半で心が粉々になりました。直球のバッドエンドではないところがまた悲しさを引き立たせます…!でも、後味の良い作品だとも思います。清人は二度恋路を絶たれますが、最終的には色々な愛を知ることができ、家族にも恵まれます。本人が望んだ最良の結末ではないものの、一つ見方を変えればハッピーエンドにもなります。なので読んだあと、心が温まりました。辛いことには変わりないんですけどね…!じわじわくる辛さで読み終わった後一時間後に気づいたら泣いてました…。そんな悲しさです。
守るんジャーもぶっ飛んでましたが、月影の後に読むと心が救われます(笑)
まとめると、月影は切ない作品が読みたいときにオススメです!
自分は挿絵を宝井先生が担当されていると聞いてこの本を手に取りました。文弥の繊細な感じがイメージとぴったりでした。
内容としては、話の流れを追いやすく、また、最後まで展開にワクワクしながら読めたので良かったです。(最初は控えめだった文弥がだんだんと大胆になっていく様子から目が離せませんでした。)
ただ、これは自分の読解力不足なのかもしれませんが、二人の行動に疑問を持ってしまう場面がありました。なので少しですが…イラッと…^^; あと、文弥の吃音も小説だと少し読みにくかったです。
なので、時代背景が好き、または文弥の吃音に負けず読み続けられる、という方には是非お勧めしたい作品です。