ポールダンサーという、官能的でエロティックなものなのに今まであまり無かった職業に目をつけた所は凄く魅力的でした。
が、話しの流れや内容だけに目を向けると案外良く読む青春群像劇かな、という印象です。
センスは見え隠れするのにチヤホヤされ性にダラシナい子と
過去にやや暗い影があるストイックな子が衝突し、ぶつかりあい、わかりあう。
バンドものなら二人で曲を作ろう、っていうところがこれはダンサーだから二人で踊ろうに変わっている。というような…
悪くは無いんですが、もう少しドラマチックで大きな波が欲しかった。
トラウマ持ちの航は父親もポールダンサーだったから自分もっていういうのもやや説得力がないかな。
ポールダンサーって特殊な職業だと思うし、男の子が父親がやっていたからだけで其のままあこがれるのだろうか、という疑問。(父親がほぼ裸で踊ってる、これだけ聞くとプロでも小さい頃なら少なからずからかわれたりしたんじゃないかな、とか考えてしまいました)
トラウマ設定が少し薄い気がします。
もう少し全体を掘り下げてじっくり描いてくれたら良かったなあ、と思いました。
画力は向上途中でしょうか、折角の肉体美アピールできる職業なのにふわっとした感じなので説得力が弱めかもしれません。
ただ目をつけるポイントとかは良いなあと思ったので、今後に期待です。
私は好きです。
BL漫画に良くあるSMっぽさは無いと思います。
肉体的、というよりは精神的というか。私は受けのほうが上っぽいお話しが好きなので、大歓迎でした。
マンガ内の1コマで吉野がうっすら笑うシーンとか、足コキでの高瀬の淡々とした口調、後日談で高瀬が吉野の首へ手をかけるところなど、そういう部分に私はたまらなく刺激されたので、その辺りが嵌るとあうと思います。
あと、吉野のホントに躾をされずに育った感じが、すごく、好きです。
怒られたりこれは駄目、やっちゃいけない、とかそういうことを本とに知らないんだろうな~っという雰囲気凄く良かったです…。
逆にその当たりがさっぱりだとあっさり読み終わってしまうかもしれません。
個人的には好きなシーンを繰り返し眺めてしまうお話しです。