そう、そう形容するしかないような独創的な作品でした。
Hが(いい意味で)下品で、全編にわたってエ○エ○ページ満載なんですが、なんかふたりの関係性がだんだん深く描かれていく課程はまさにラブストーリーで、最後にはジーンとしてしまうのでした。
節操のないリーマンの二三蔵と、元ヤ○ザの千景。ある日店(コンビニ?)の前の喫煙スペースで偶然出会い、ドストライク好みの千景に思い切って声をかけた二三蔵。
リーマンという堅いお仕事ながら節操のないフミゾウと、元ヤ○ザながら純情ひたむきで真面目なちかというギャップコンビ。
なんか、どうやってお互い体の関係から心の関係に発展したのか、わざとらしいエピソードがなく自然にストンと落ちる感じで進行するので、ラストも納得のシーンでした。
ぜひ今後もたくさん描いて欲しい作家さん。
全然違うんだけど、オレとあたしと~ を思い出しました。
図書館司書の青年と、そこにいつもやってくる常連(?)の大学講師のお話です。
いつも顔を会わせる、どこか物憂げな年上の彼のことが気になる。ある日思い切って声をかけたところから二人の交流が始まり。。
ひたむきで本が好きな青年の恋。だけど相手は10歳も年上で、先手を打たれて告白もさせてもらえない。それでもあきらめない、迷いながらもまっすぐに彼の心をこじあげようとするひたむきさにいつしか。。
という展開でした。
そう、現実はいつもうまくはいかない。
でも恋ってこうやって始まるのかな、そんなことを感じさせるよい作品でした。
バス停での出会いや海へのドライブデートなど絵になるシーンが多くきれいな作品です。
高校生同士。先輩と体の関係だけはあり、その先輩の友達の性欲処理などもしている加賀美。
そのただれた加賀美をいつも取り締まる(?)風紀委員の清光。清光はHなことに全く免疫がなく、誠実で純情。
そんな清光を、最初はからかうつもりだったけど、勉強を教えてもらったり、暖かい清光の家庭に招かれて歓迎されたりしているうちに、本当の人間の温かさに触れた加賀美くんは。。
というストーリーでした。
若い二人が、本当の意味での交流(H含む)をするまでのハートフルな物語です。
表紙から受けるイメージよりはずっとラブなストーリーでした。
清光がいいやつ過ぎてかっこよい。先生の今後の作品にも期待です。
いちおう1巻でいったん完結していたお話ですが、その後の二人を描いた続編、むしろこちらの方がよかったです。
ケンカップル設定で始まりましたが、お互いの第二の性Dom/Subによってパートナーとなった二人。最初はお互いの心身の安定のために仮初めのパートナーになるという始まり方でしたが、次第にそれがかけがえのないものになっていく課程が描かれています。
Domだけれど優しい支倉は、プレイで相手にひどいことが出来ず苦悩する。
しかしSubの最上はあっけらかんとしてくよくよしないタイプで、そんな支倉をまるごと支える存在。そしてどこまでも優しく人を思いやることができる支倉のことを信頼するようになる。
というお話でした。
最上はサッカー選手で、すでにゲイは公表していたものの、プレイに影響があるということでSub性を隠していましたが、その仕事上の葛藤もしっかり描かれていてとてもよかったです。
小冊子も出ているのですがこれがとんでもなく萌えなのでぜひ。
絵がきれいで、最初から透明感のある雰囲気が伝わってくる。キャラの特徴も最初からばっちり決まっていて分かりやすい。
なんですが、なんで好きになったのかが分かりにくいのですよね。
人間の社会で隠れながら警備の仕事をする人狼と、人間との共生をめざすために人狼と同居することになった学生、悠紀のお話です。
犬が大好きな悠紀は、ある晩凶暴化した人狼に襲われそうになったところを、警備をしていた同じく人狼に捷太に助けられます。
悠紀は大学で人狼の研究をしている上に大の犬好き。警備チームのヘッドに見込まれ、人狼と人間が共生できる可能性を探るために、捷太と同居してもらえないかと頼まれます。
捷太に犬としてのかわいさを感じる一方、人狼の姿で懐いているとちょっとドキドキして。。
という展開。
ただ、犬をかわいがる気持ちが恋になるところが突然のように感じてすんなり受け止められなかったです。
最初からお話に引き込んで行くところはよいと思うので、今後に期待です。
主人公の若いジーンと同じく、2人の恋の行末が気になって仕方がなくなります。
広い世界を見たいと願うジーン。保護者として、恋人として、それを応援したいと思いながら、かけがえのない人を失う悲しみに、時に潰されそうになるトレヴァー。
このまま夢を諦めてトレヴァーのいるNYに留まることになったら、後味悪いなあと思っていたら、やはりの吾妻先生。そんな安易な持っていき方にはされませんでした。
2人には辛い選択だったかもしれないけど、やはりこれしかなかったと思う。
そしてラスト。
これからどういう関係になるかも彼らに、そして読者に委ねられます。それが一層余韻を残し、忘れられない作品にはなりました。
ジーンの名前の伏線も見事に回収されて、これ以上の完成度のストーリーないのでは?というくらい感動しました。