絵の雰囲気、表紙や帯のデザインに惹かれて購入しましたが、とてもよかったです。展開は王道と言ってしまえば王道ですが、無理のないストーリーと起承転結がしっかりとそろったよいものだったと思います。一冊で一つの話なので、展開が早いということもなく、二人の心情の変化をしっかりと味わえます。この作品は、他のものに比べてセリフのないコマ、絵のみで心情の変化を表す箇所が多かったように思います。モノローグなどで書かれるより雰囲気があり、とても素敵だと感じました。濡れ場は少ないですが、一冊通して作画はとても綺麗ですし、物語も趣のあるもので、ふとした時に読みたくなる一冊だなあと思います。
個人的な感想ではありますが、私はあのなんとも言えない終わり方がとても好きです。二人について想像が広がりますし、誰もいない最後のコマには二人のたくさんの時間が詰まっているようで感動しました。
本当に素敵な一冊です。こういう漫画に出会ってしまうから腐女子はまだまだ卒業できませんね笑
作中に万葉集に収録されている歌が出てくるのですが、それの意味がわかればよりこの物語を深く楽しめると思います。しかし、ミスかわざとそうしているのかはわかりませんが万葉集には〜昨日の夢〜ではなく、〜昨日の夕(ゆうべ)〜となっていたはず。(間違っていたらすみません)夕の方の意味でとったほうが自然なので、おそらくミスだとは思いますが…
とにかく、気になった方は読了後にでも読了中でも歌の意味を調べてみることをお勧めします。