理想の作家への献身
まず、喪服の花嫁ってタイトルが意味深で、死を背負いながらも生き続ける戦後のような女性像が浮かんだ。
なんの病かは明かされてはいないが、日々衰えていく作家の義父を支えるために、公私ともに自らを犠牲にして生きる主人公と、自らのせいで教え子をしなせたと思い悔やみ続ける元高校教諭が出会うところから話は始まる。
主人公が年相応の振る舞いができる唯一の相手が彼で、最終的には悲劇的な結ばれ方をするけど、その状況がまさに喪服の花嫁。
不特定多数に抱かれながら、作家復帰を祈り続ける主人公の姿が辛かった。